【帰ってきた】ガチ議論
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「ガチ議論」シンポ・テープ起こし (3/6)

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前のページ – 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 – 次のページ 安宅 今、近藤先生がおっしゃった話はすごく本質的だと思うんですけれども、企業の変革でもやっぱりそうなんですよね。全部一斉に変えるのは結構難しいと。トップが変われば変わりますよ、もちろん。それはもう、何でもできるんで。そうじゃない時は、普通に行われている一番よくあるのは、「出島」です。つまり、全く血はつながっているかもしれないけれども違うルールで動いている組織を作り上げると、中にですね。インサイダーアタッカー的に、組織なのか、その、ある種のグループを作っておくと。これをやっぱり作ってまわしてくっていうことをやらないとですね、一体何言っているんだか分からない人が99.9%なので、新しい事をやろうとするとね、ワークしないんですよね。その成功が回り始めればそこに人なり才能なり金なりが集まってきてですね、次にいく、というのが、まあある種変革の常道なんで、僕は「出島」を勧めたいですね。出島を何本か立てると、いうのを、テーマ別なのか何か分からないですけど、何らかの財源別にやるとかですね。ビデオでもちょっと言っていたかもしれないですけど、アメリカとかですと米軍が莫大な金出してくれるんで、なんちゅうかNSFとかNIHとは別枠の原理で動いていますよね。ああいう訳わかんない横槍を日本でも何か作ってですね、変えると、そこは全部出島と、もう自衛隊予算とかでとりあえず5000億ぐらいもらって、いやマジですよ、米軍の予算ってやっぱすごいんで、やっぱNavyとかからもらうとですね、数十millionの金っていうのがですね、わずかな研究者に10年とかドーンと入ってくるんですよ。軍事予算なんで。だからやっぱそういうものってのは、やっぱ活用すべきだと本当は思っていて、だからなんかそういったところでですね、出島を作るってのが、一番単純な始め方なんじゃないかなと、思っています。いっせいのせいはかなり難しいと。 近藤 出島って昔、筑波大学って昔、出島だったんじゃないですか。あれ、普通の大学になっていっちゃったけど。あれはなんでなんですか? 安宅  次々に波状攻撃をする必要がある。ですから、出島には寿命があります。必ず。 宮野 例えばWPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)、出島、あと、特区、出島。あんのよ。ただやっぱそのやり方が、たしかに吹っ切れてないってのは、ある。それはある。 原山 今私もWPIの話をreferしようと思ったんですけれども、あれの構想の趣旨っていうのは、過去のしがらみにとらわれない、まあ、大学レベルでは難しいので、ある種のユニットを大学の中に埋め込んで、そこはある種の治外法権、なにかっていうと治外法権っていうのは勝手に何でもやっていい訳じゃなくて、旧来型のマネジメントからの治外法権っていう形でもって、確立させて、かつ、大学の学長にはそれをサポートしますっていうコミットメントまでを要求したものなんですね。そういう意味で何年間か走らせていて、まあ、ある種の成果出てるっていうんですけれども、ここの一番の課題っていうのがその出島作った後どうするかっていうその後行程なんですよ。作るまでは、政策的にできるんだけれども、それを自分の中に埋め込むっていうのは、まあ形の上では学長の責任っていうふうに押し付けているわけなんですね。で、それでできるかっていうのが学長サイドの文句言うところであって、何が言いたいかっていうと、その、出島で社会実験することで、ワークするっていう、それが実際に分かったんだけれども、その後、半永久的にサポートしていくのか、っていう話と、自律的にするためにどういう形にすると自律的になっていくのか、もう一つは、あそこの意図したところは、さっきの出島を大学の中に埋め込んで、もしうまく行けばその出島の効果っていうのを大学全体に広めたい、っていうんですがそこまでほとんど行っていない、っていうそこもやはり問題意識で、どうしたらいいか、その辺の解決策っていうのを皆さんと議論したいと思いますが。それから、特区構想もそうなんですけれどもあれはどちらかというと規制改革の方にウェートが置かれてしまっているもんだから、本当に、本来目指す特区構想、出島的なものになっているのかというと必ずしもそうじゃない。その制限があるっていうのが現状で、ですので一般にいえばある種の社会実験を認めるという、その社会になっていかないとなかなかできない。その社会実験、どうやって続けていくか広めていくかっていう課題もありますけれども、一つは、そのやり方っていうのは、あるかなと。 川上 ちょっともう少し戻りたいんですけれども、さっき、二つぐらい前に安宅さんが言われた、こういう議論をする時にHowから入るんじゃなくて、志とかいわゆる理念から入ることは非常に大切なことなんですけれども、今、会場の人たちとその理念を本当に共有しているかどうかっていうのは不安になったので、私が思う理念っていうのは少し言っておきたいなと思ったんですけれども、日本の研究社会をどのように変えるか、どういうふうに持っていくか、っていうのは、とにかく徹底的に仕事のできる人が仕事をできる場にする。それにそぐわない人はそこから退場して別のことにトライをしてもらう。それによって日本の科学技術、研究のレベルを引き上げる。それが根本的な理念であり、それの副次的なものとして当然グローバル化も必要だし、グローバル化をさせるというのも理念の中に入れてやっていると。そういうことだと思うんですけれども、その辺は、会場の人たちも、その、日本のアカデミアの今後の行く方向性の理念っていうのは共有していただいていると思うんですけれども、それは、いいんですよね。そうでもないんですか? 鈴木 というかそこが一番問題で、いろんな出島をやってきたんですよ。というか3年に一回文科省はなんか出島を出しているんですよ。WPIがこれ、あれしてくると、ただそれが結局、僕の言葉で言うと共鳴しないと。ていうのはなんでかという話で、そこにはさっき先生がおっしゃった多数決問題っていうのがあって、やっぱりそれは多数決でやっちゃうと、それは支持されないんですよ。結局、そのことが。という話とね、それから、ちょっと、もっと戻りたいんですけれども、マインドマップっていうのは基本的に国の税金を使ってやる科学技術研究ということについてのマインドマップだよね。なんですよ。それで、残念ながらですね、やっぱりこの国は、やはり累積赤字で、累積債務でなかなか予算が増えませんと、いうことは非常に深刻にというかもうその所与のものとして受け止めなければいけませんと。それで、逆に言えばですよ、これも自慢話で恐縮ですけれども、科研費の基金化やって、そして科研費を2000億から2600億やったけど、結局共鳴がなくて、そのことが社会から全く支持を、支持率を上げることができなかったと。そしたら、もう、二度とこんなことする人はいませんよ。だからそういう意味ではそのことも含めてこの一戦が大敗してしまったっていうことによって、もうこのアプローチをもう一回出してくるっていうのは相当厳しいっていうことを、やっぱまずシェアしてほしいと。そうなった時に、出島と対極のことを言うんですけれども、やっぱり視野をもう一回広げるしかなくて、もうだから税金、でしかも税金っていうのは非常に癖が悪くてですね、とにかく多数決原理なんです。もっと言うと51%の人たちが反対しない、賛成よりも反対しないっていうことが大事で、ものすごくconservativeな使い方になっちゃうんですね。そうなったらこんどは企業資金っていうことなんだけれども、これはまた企業の論理でリターンっていうものがないと集まりませんと。でここはまあそれなりにみんな一生懸命頑張ってきて現状のところがありますと。じゃあ、第3のですね、その、基礎研究っていうものをやっていく、ファンド・レイジングの在り方っていうことを、本当にソーシャルイノベーションを、こう、みんなの知恵を出してですね、頑張って考えるっていうことを、そのまさにwillを持ってとにかく実現するんだと。実現するんだっていうことになれば、それこそいろんな知恵や人脈を総動員して、とにかくやってしまうと。そのべつに夢物語の話をしているわけじゃなくてですね、ビルゲイツ財団っていうのはまさに皆さんご存知のように、ある、もちろんフォーカスして分野ではありますけれども、別にリターンを求めない資金について、相当莫大なものを提供しているわけですよね。例えば。やっぱこういうその道をね、今例えばJust GivingとかShooting Starとかですね、そういうその小さなファンド・レイジングをしていくっていうような話が、少しずつ起こっています。それから12月1日はですね、サンタ・ランっていうのをやって、6000人のサンタの衣装を着た人が走って、そこのお金を、小児の難病研究に当てていくとか。ていうかね、こういうそのいろんな税金以外でどうやって基礎研究を成立させるのか、っていう知恵を出していくということを考えた方がいいっていうことと、それからやっぱり、本当にこの国の人たちはですね、科学技術に予算を投じるっていうことについての理解が、なかなか、難しいんですよ。さっきそんなことないって言いましたけれども、結局、その、やっぱり社会科学者をもっともっと動員しないと。科学技術研究のためのリソースを集めるために。社会科学者っていうのはそのための政策を作りそのための世論の支持を得るためにどうしたらいいかとか、あるいはマスメディア、メディア論やっている人たちもいっぱいいるわけで。やっぱり自然科学者だけだとしんどいんですね。僕が言いたかったことは自然科学者と社会科学者と人文科学者がやっぱり本当にタッグを組んで、この国の学術研究っていうのをどういうふうに、社会の支持を得るために、社会の支持がなかったらsocial resourcesは集まりません。いずれにしても。ということのプロジェクトを、やはり一つでも二つでも始めた方がいいっていうことをさっきからずっと申し上げたい。 宮野 基金化もね、結局さっきの繰り返しになるけれども、なかなか研究の成果って出ないからね、むずかしいんですよ。パーンって打ったらパーンって響くわけじゃないから。 鈴木 っていうかそれを続けるってことを、それがいいっていうことの支持がなかったわけでしょう。その、基金化して研究成果が出るとかでないとかっていうそんな話をしているわけではなくて。要するに国民の支持率が上がることにつながらなければ、税金(由来の研究費)は増えません、っていうことです。それが無理なんだったら、別の賛同者を得なければダメですっていう当たり前の話をしているんです。それからリソースの話のついでに言うとですね、ポスドクの話なんですけどね、これもみんなが議論している枠組みを広げるっていうことでいうと…、もう終わった方がいいんですか、インドの話を…、休み明けにした方がいいですか? 宮野 あ、そうですね。 宮川 ちょっといいですか。今、すずかんさんがおっしゃった社会科学者のサポートみたいなものも必要だっていうのは、ある種その科学政策のための科学みたいな分野が重要なんじゃないか、っていうことはあると思うんですけれども、僕はかなりそう思っていて、基礎研究か、応用研究かっていうふうになっちゃうとどうしても一般社会の方は応用研究、すぐ成果が出そうな応用研究っていう方に、主観的に、あまり科学的根拠もなく行っちゃうと思うんですよね。研究者の方は、どっちかっていうと基礎研究が大事だと、基礎研究が一番大事ですっていうことを、あまり根拠なく言うので、そこはだからどっちか、どっちがいいかっていう問題は単に科学的にある程度、ポートフォリオっていう言葉が出てきてたと思うんですけれども、どういうポートフォリオが社会として最適な成果を長期に見て生んでいくかということだと思うんで、そこのところがちゃんと科学的に、数値的なものも含めて研究されていかないといけないのかなと、いうことがあって。それは、安宅さんの、最初の方に言われていた38℃にするのか45℃にするのかと、すごく厳しくするのか、それともぬるいのが良いのか。これは、38℃に、いまちょっと38℃か45℃かっていうと、現状はですね、単純ではなくて、いまその上級のテニュアのポジションを取っている人は38℃で、それ以下の世代の人は45℃なんですよね。このコミュニティーの中でも全然違うんで。両方入っていると思うんですけれども、そこのところは38℃にするのか45℃にするのか、all or noneではない。多分最適のところが、ポイントがあると思うので、それはどれぐらいにするとアウトプットが長期的に見て出るかという、最適のところがある、その間にどっかあるはずなので、そういうところを、ちゃんとデータとか、歴史的なこととかも踏まえて検討していくことが大事なんじゃないかと思うんです。安宅さんがおっしゃったように、IT企業のようにですね、弱肉強食にしてしまうと、どんどん新陳代謝が激しい45℃みたいにしちゃうと、基礎研究っていうか科学っていう世界はおそらく短期的に成果が出やすいような、つまんない、バリューの低いものばかりでてくるようになると思うんですね。ある程度長期的に腰を据えていったほうがボーンとすごいバリューのあるものが出てくるということがあると思いますので。ただそこはですね、主観的な考え方かもしれなくて、データが必要で、研究が必要なんじゃないかなと思います。 宮野 うーん。よし分かった。 原山 いろんな視点から今日議論始めたんですけども、ちょっと発想を転換して、たぶんこちら側と対立関係というか、バリアーがあるような気がするんですけれども、本来は一緒に議論したかったっていう場だと思うんですが、多分共通認識というか、共鳴できる話っていうのは、研究の場というのがエキサイティングな場でありたいっていうのが研究者の趣旨だろうし、われわれもそういう環境を提供したい。中で、やっぱりここで研究して、でまた次のステップに行ってっていう、それがあったが故に最後に結果としてノーベル賞がついてきて、結果としてというのはそれを逆にしちゃうと、必ずしも今社会主義の国じゃなくてね、ノーベル賞何人だから、ここに何人投資して、なんとかだっていう、そういう要するにすごくもう、つまらなくなっちゃうんですよね。そうじゃない、研究者の将来の自分のチャレンジングなところの知的好奇心もあってまた応用ってことも視野に入れながら、なんかしたいというそういう環境っていうのを提示するのが我々の役目であって、そん中に入ってきてそれをうまく、うまくっていうかフルに、したたかに使いながら自分を高めていって、最終的には社会にも貢献しながら自分を高めるというのが両立するっていうのが育つような環境をどうやったら作れるのかっていうのが私の問題意識。だからそれに対して、ご意見いただきたいし、今のシステム、ここの中にいろんなこと書いているんですけれども、改善すべき改善できること、山ほどあるんです。ま、それは個々にやっていくぐらいでその積み上げと、それから大元のところでなかなか変えづらいところもある、それにも手を付けていかなくちゃいけないんですけれども、多面的に対策をとらなくちゃいけない。それからこのマインドマップは割と一次元的な話であって、これはその時間軸で考えなくちゃいけない話なんですよね。それがかなり抜けていくのと、これに書いてある項目っていうのはある種の、一つの角度から撮った写真であって、抜けている部分もかなりあるから、断片的な議論になってしまう、それもこわいことだと思うんです。でもこれやらないよりかはやった方が良いっていうのは、問題が明らかになるから。その問題をベースにしてどういう議論をしていくかっていうのが、やはりここでの対話だと思うんです。 宮野 たしかに。分かった。 近藤 コメント拾ってほしいっていう意見が非常にたくさんあるんですけど、まず、コメントは基本的に「もっと具体的な話をしろ」っていうことが非常にありまして、多分皆さんの望んでいることを言うとすればですね、安宅さんの話が多分一番分かりやすいので、それに関して言うとすると、企業の場合は企業の最大利益をもたらすっていう目的の上にみんな働いているわけなんですけれども、大学の場合例えばそのinstituteの中で、instituteの科学的な価値を最大にしようとして働いている人はもう完全に一人もいなくって、完璧に自分の研究が自分たちの目的なわけですよ。だからもうそこが圧倒的に違うところであって、当然我々の理想っていうのはたとえばフェルマーの最終定理を説いたみたいな、ああいう人です。あの人が大学の経営なんかできるわけがない、ですよね。だからそういう価値観がもう圧倒的に違って、だから我々は我々の長を選ぶ時に、そういう大所高所に則った意見を言える人がいればいいと思うんだけれども、どうしても選んでしまうのは一番業績のある人、になるわけです。で、非常に研究業績のある人っていうのは当然、自分の研究に時間を使う人ですから。というわけで、そういう状態が、ありますよね。だからそういう時に、そういう状態に我々はいるので、非常に大所高所的な、こういうふうに考えろと言われても、もう困ってしまう。そういうのはやっぱある程度上の方で変えてもらわなきゃあ無理じゃないかなあと。我々になんとかしてくれって言われたって、それはできない…。 鈴木 でもそれおかしいでしょ、だって…。 近藤 おかしいですか? 鈴木 いや全然おかしいですよ。だって今仮に学長選挙、僕は反対ですけれども、選挙な訳でしょ。と、投票者が、voterがそういう研究業績よりも総長の仕事っていうのは、みんながエキサイティングになる環境を作ることだっていうことを勉強すれば良いだけの話じゃないですか。そうでしょ。その理解がないから適当に選んでいるから、そういう研究業績の高い人になっちゃっているわけで、そんなもんシステムの問題でも全くないですよ。それは。で、かつね、ご案内のように国立大学法人は今や学長選挙は意向調査選挙であって、本当にそういう経営能力のある人が選べるようになっているんですよ。意向調査に終わらせないで実態上引き続きまだ総長選挙、学長選挙の実態をしているのもvoterである研究コミュニティーの人間なんで、そんな話をこっちに持ってこられたら全然ダメ。 近藤 いやそう言っていただけるだろうと思って言ったんですけれども。 鈴木 もっとちゃんと考えた方が良いと思いますね。本当にこのコミュニティーは。僕はものすごく研究とか教育の多様性とか自治とか、まあそれからさっきのやつはね、それこそ科学技術イノベーション政策のための科学をやったって、答えは出ないんですよ。結局最大のベストポートフォリオはいかに多様性を確保するかっていうことなんですね。まあ、そのことなんです。で、じゃあそのためにはどうしたら良いかっていうと、もう一人一殺でですね、一人一人ちゃんとご縁のあるやつを、そのやっぱりこの世界は多様性が大事なんだということを、説いて折伏して回るっていう早くシステム論やっているよりもですね、その、私一人説得していきましたとかね、まあそれは隣の商学部長でも良いし、経済学部長でも良いし、あるいはマッキンゼーのコンサルタントでも良いし、そういう支持者っていうか理解者をとにかく増やすっていう、まさにsocial promotionを早くやった方がいいんじゃないですか、と、そういうプロジェクトをやった方がよっぽど今の状況っていうのが、僕はもっと増やしたいと思うけれども、で、その手法っていうのはね、みんな相手によって、相手の効用関数というか琴線に触れるところのツボが全部違うので、こっち側はとにかくいろんな引き出しを持って行ってですね、その日米比較が大好きな人にはね、その日米比較をすれば良いですしね、中国が大っ嫌いな人には中国は1.9倍とか3倍になっているんですよとか言えば良いし、それはそういうそのなんというか語り口あるいは語り部をいっぱい増やしていくっていうことを、僕は早くやった方が良いと思いますよ。 宮野 よし分かった。ようし。とりあえず今現時点でなんかあります?安宅さん、すっと、なんかあります?ちょっと、いったんあれ(休憩)しますけれども。その前に。 安宅  はい。ご指名いただきました。ありがとうございます。ちょっとまず整理しておきたいのはさっき言った話なんですけれども、現状があってですね、どこを目指すのかっていうゴールがあって、まあwhereっていうのがあって、どうやって行くかっていうこのHow論、これが戦略なんですよね。だからゴールの話と戦略の話は全く違うわけですね。だから出島論の話は、僕はふっちゃって大変後悔したんですけれども、僕は変革の仕事をやっているんで、技術としてあるんですが、出島が答なわけではない。なんていうか、How論の一つのアイデアに過ぎないわけです。ですから、ここ(目指す姿:ゴール)をなんだっけ、という話をしっかりやんないとですね、あとはもうくしゃくしゃになっちゃうと。これ(ゴール)ってなんだろうっていうのは、私の理解ではさっきも申し上げたやつを今ざっと絵にしたんですけれども、この二つのループですね。圧倒的なvalueを出すという、この分子生物学会なら分子生物学会のとこで、そういう世界で出すっていうのと、そこんところに、非常に優れた人を集めて、育てて、ちゃんとエキサイトさせて維持し続けるという2つのループを回るっていうことをやらないと絶対これ両方回んないんですね。で、この二つのところをしっかりやるっていることだと、一応認識しています。で、左側のと右側のっていうのは全然違うっていうか違うタイプの問題なんで、このvalueを出すっていうところは国としてのフォーカスをはっきりさせなきゃいけないし、そうしないと金足りないんで、そこんところで正しくですね、評価をする、ちゃんと意味のあるとこに突っ込んでてちゃんとですね、利権化していなくてちゃんと未来に成果を生み出しうるところに、人ですよね、たぶん、お金が行って、それを踏まえて財源が配分されてそれが回るということ、というのはちゃんと回るっていうのはこっち側(圧倒的なvalueを出す)の話で、こっち側というのはどっちかというとフォーカスと評価だけの問題なんですよね。お金を握っていてちゃんとそれのほうをしっかりやれれば、変えられると、思います。というか変えられるんですよね。企業っていうのはそうやって変革してるんで。で、Tweet見てると企業と全然違うとか言っているかもしれないけれどもそんなことなくて、研究っていうのは国家としてのR&Dなんですね。国力のかなりの根源なんです。だから、われわれはこの明治時代で、大学を最初に作ったわけですよ。富国強兵の一番最初にやったことの一つなんですよ。文字を教えてすぐ大学を作ったんです。これものすごく重大なことで、これをやんないと国力が保てないから作ったわけですよね。そういう意識をちゃんと持って、ちゃんとアカデミアの人も訴求しなきゃいけないとともにですね、そうじゃない人もですね、ちゃんと理解していかないといけないと思うんだけど、それはこちらの(圧倒的なvalueを出す)ループなんです。でもこちらは全然違う話で、今いっぱいTweetで読んでいますけれども、ちゃんとしてですね、本当に良い才能を集められてるかっていうことについてはそこは僕は疑問があって、それなりの人が集まっているからこれだけの研究成果が出ているわけなんですけれども、そこの中でシビアに育成しているのかと。ちゃんと教育者、そして研究者として育成しているのかという話。またその人たちがですね、sustainableな生活ができるのかと。そもそもですね、アメリカを筆頭とする世界のresearch universityがstipend(給与)を出してですね、生活費も、生命保険というか病気の保険まで出してですね人集めている時にですね、日本の大学は何をやっているんだと。いうことですよね。こういうことでは絶対に勝てないですよ。どうやって、このIvy schoolなりCal Techなりですね、Stanfordなりですね、MITと戦うのか、ということです。年間数万ドルの生活費を出してですね、世界中から才能をかき集めている大学と戦う方法なんてないんですよ。絶対に才能を集められる仕組みを作り上げる必要があって、なおかつ、シビアに、来たヤツが学位が全員取れるとかいうのではなくて、アメリカみたいに半分ぐらい途中で代謝されないといけないんです。そもそも、Graduate Programに入ってきたら半分はやめなきゃいけないっていうふうに回っているわけですね、アメリカとかでは。そのくらいシビアにですね、ちゃんと経済的な条件はあるけれどもシビアに育てて、そしてその後も、tenured professorであろうとグラント取れなくなったら大学から出なきゃいけないっていう恐ろしいアメリカの仕組みをですね、しかもグラントから自分の給料を払うわけですよ。大学が払っているわけじゃないですよ。大学におさめているだけでそこから自分が金とっているわけですよね。あのようなシビアな仕組みを突っ込まないとですね、こっち側(本当に良い人を集め維持する)なんかできないです。右側の仕組み(圧倒的なvalueを出す)と左側の仕組み(本当に良い人を集め維持する)というのは違う話であって、これ、切り分けて議論しないと、いけないのに、一緒くたにやっていると、いうことがそもそもこのですねシステム改革の非常に困難を感じているところ。たぶんそれなんじゃないかなあと、今聞いてて思いました。 前のページ – 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 – 次のページ

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「ガチ議論」シンポ・テープ起こし (2/6)

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前のページ – 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 – 次のページ 原山 「個」対「システム」っていう、先ほど宮川先生のイントロなんですけれども、これはシステム的な問題であって、であるが故にシステムレベルでの解が必要だっていう、そういうふうにおっしゃっていたんだけれども、果たしてそれだけかっていうのが私の疑問です。今日できればこういう形でもって深堀りしたいのは、その中の「個」、っていうのは個人、皆様方一人一人、私を含めての個人もあるし、組織的な「個」ですね、大学、まあA大学B大学、その中のユニットであるかもしれない、その「個」がどういうふうにこのシステムに対して反応していくか。必ずしも、システムがあるからって、それに言えない、という世界じゃないと思うんですね。それに対して反発していく方もいらっしゃるでしょうし、それを変革させるために動く方もいらっしゃるでしょうし、そのアクションを取らない限りは、改良できない。それからもう一つは、さっきのシステムの中で欠けてた言葉はプラクティスと書きました。何かというと、慣習とか言葉でも言われるんですけれども、実際、日々、研究者として生活を送っていらっしゃるんですよね。ラボがあって、発表の機会があって、それから審査があって、うんぬん。で、そのプラクティスっていうのが、今の状況をベストだとは誰も思っていないんだけれども、それを何らかの形に変えようと思って動いているか。動いている人もいますけれども、なかなか体制の中で飲み込まれてしまうっていうところがあるし、自分の若手であれば昇進のことを考えると、まあここで歯向かってもしょうがない。いい子ちゃんになっちゃう。って人もいるかもしれない。で、そこの箱に入れない人っていうのは、一つはドロップアウトする、っていうことかもしれないけれども、まあ元気のいい人は外に飛び出しちゃえばいいんです。私もあのメッセージで言ったのは、日本がダメなら外に飛び出せばいいんじゃない、っていう、私は、考え方です。そこで外に行った人がさらにパワーアップして、日本に新しい風を吹き込んでくれる。なんかその循環がないことには、停滞、なんていうかな、衰退しているところはなかなか元気にならない。それがどこの場で活躍するか。逆に企業の中にいって、飛び込んでいって、その体験をまた大学に持ってくる、いろんなやり方があると思うんですね。そのやり方っていうものを完全にexcludeしてるかっていうとなかなかそうでない。ですので、そのプラクティスっていうのはgivenなものじゃなくて変わることが可能であって、社会、institution全てがそうですけどね。それに対して行動を誰が、人がとるのを待っているか、自分がとるか、一緒にとるか、一緒に取るのが一番強いんですよね。という、問題提起です。 宮野 なるほど…、そのたしかに先生のいう日本に、行って、また戻ってきてその人が刺激を与えるっていう意味では、その結果システムが変わる、っていう反応はありますよね。 原山 言い忘れたのはその、先ほど宮川先生が問題をリストアップしましたよね。研究資金の話とかポストの話とか。ほぼ全部は、日本だけじゃなくて、他の国も共有しています。G8のサミットでもって科学技術大臣、もしくは顧問の方と議論するとみんな同じこと悩んでいます。で、いかに改善するか改良するかっていうのを議論していて、お互いいい知恵ない?っていう形です。その中で2つだけにほんにspecificなのがあって、一つは内向き思考と、もう一つは学会が多すぎる。それは日本に特有な問題で、それは日本で考えなくちゃいけない。 宮野 なるほど。他の方、どうです?はい、先生。 鈴木 ちょっと長いんですけれどもね。さっきからシステムって言っているのが私はちょっと気になっていて、私は日本の問題はね、「システム改革論過剰症」って言っているんですよ。システム変えたってしょうがないですよ、ていうか、変えるにこしたことないけど、システム変える変えるって言って何十年経っているんですか。結局変わっていないですよね。で、ここは分子生物学会なんで、社会システムじゃなくて僕はいつも言っているのが社会オーガニズムだっていうことをちゃんとまず理解してほしいんですよね。そこはその生物学会だからこそ言っていて、で、まさに個体と環境のinteractionということを、そのシステムだともうstaticな、所与のシステムがあると。そうじゃないという議論を生物学会はしているんじゃないかと。にもかかわらずなぜこんな話になるとシステム論をやるのか、っていうのが一つあって。で、ソーシャルオーガニズムを理解して、やっぱり具体的な改革を仕掛けられる多様なプロ集団とかプロネットワークが必要なんですよ。残念ながら、理科系の方々はですね、中学校3年の政治経済で停まっている人が多くてですね、で、ソーシャルオーガニズムってのはね、要するになぜその社会科学があるかっていうと、正しいことがそのまま実現しないから、どこにどういうふうにそれを阻んでいるものがあるのかっていうことで社会科学っていうのは成立しているわけですね。で、例えば、マスコミの問題等々もあります。この中で、リップマンを呼んだ人がどれだけいるか分かりませんけれども、マスコミっていうのは、1922年のリップマンが書いた「世論」ていう本があるんですけれども、必読書です。要は、世の中にある、間違っていようがはびこっているステレオタイプを利用して、まず大衆民主主義になると、それでもって世の中分かったという気になりたいと、人々は。そして、マスコミはそのステレオタイプを補正するどころか、それを活用して自らの発行部数を増やす、っていうことを言っているんですね。未だに、変わらないんですよ。別にそれは日本のマスコミだけの問題じゃない。じゃあそのステレオタイプをどうやって打破するのか。謝ったステレオタイプをどう打破するのか、っていうことについて、要は、ここにいらっしゃる方の言っていることは正論です。基本的に。しかし正論がどう通る、実現するかっていうことについて、何から始めるか、っていうことで、もちろんその中にシステムが…。だから現状分析はこれでもうオッケー、だと思う。次に、どうやって直すのか、っていう話です。で、今日はそれで呼んでいただいたんだと思いますが、ここで提案のあったことはですね、私たちは、一回トライしました。ほとんど。僕は政策分析論とか政策過程論、政策プロセスのもともと研究者ですけれども、私の世界では、別の、皆さんとは使い方が違うけど、創発と共鳴っていうことを言っています。少なくとも2009年から2年間ないし3年間の文部科学省はですね、科研費の基金化もやりました。一部実現しました。それからですね、ここにあげられたこと、いろいろ創発はしました。しかし、なぜそれが持続しなかったかというと、それは共鳴が足らなかったからなんですね。そうすると、どういう共鳴体を作りますか、っていうことの議論を今日はなるべくした方が良くて、逆に言うとその、逆共鳴があるわけですよ。逆共鳴に対して共鳴し返さなかったとか。そういうことなんだろうと、私はそう思っています。難しいのは、これ、オーガニズムなんで、一カ所だけ変えてもダメなんですよね。やっぱり新しいサイクル、っていうかね、セルフオーガニックなサイクルをどうやって生み出していくかっていう、まあそういう議論をした方が、僕はいいと思う。 宮野 うんなるほど。でもサイクルもある意味システムだわな。サイクル、っていうのはシステム。 鈴木 システムは誰が創発するんですか。誰がイニシアティブを取るんですかっていう議論なんですよ。マックス・ウェーバーっていうのはね、支配ってこういう風に言っていて、一番最初はカリスマ的支配なんですよ。その次は伝統的支配で、最後がまさに法による支配、ある種システマティックな支配。そういうある種のシステムができるまでですね、いろんな別にそのカリスマっていうのは有名な人っていうのではなくて、勇気を持ったいろんなチャレンジがあって、そのほとんどは死んでしまうんだけれども、そのうちの1000の3つぐらいが生き残って、まあ生命だって同じでしょ。それに対していろんな新しい生態系っていうものが生まれていって、それが全体に対して影響を与えるっていう。その一番最初のイニシアティブっていうか、創発をどういう風にもっと生んでいくのか、とか、そういうことをどうするんですか、みたいなことを、考えていった方が良いと。さらに私の言葉で言うと、ソーシャルイノベーションをやるためにはルールとロールとツールのベストミックスが必要なんです。で、僕が言いたいのは、ルール論ばっかしやっているから。そうじゃなくてロール論とか、あるいはツール論とか、そういうことを同時にやってベストミックスを考えたほうがいいんじゃないですか、っていう問題提起です。 宮野 分かった。よーし、ちょっと色々思ったけど…、はい。 川上 ちょっと3行書いたんですけれどもそのうちの一つ。アカデミアの自律っていう話をさっきしようかと思ったんですが、まったくさっきから鈴木寛先生が言っている話、全く共鳴しているんですけれどもね、システム論の議論が多すぎるというのは全くそうだと思うんですね。システム論っていうのは何がやるのかというと、一番システム論が得意なのは行政が得意です。今のアカデミアの問題っていうのは、文部科学省に頼りすぎているっていうか、頼っているんじゃなくて敵として見すぎているのかもしれませんけれども、結局行政にいろいろなことゆだねているから、システム論の議論だけが先行して、実態の議論というのが全然顕在化してこないという、そういうことがおこっているんじゃないかと。従ってこういう学会で議論するのっていうのは非常に良いことだと思いますけれども、システム論に陥って行政に対してあれをしてほしいこれをしてほしいというよりも、アカデミアの中で一体どうしたら解決するのか、システムでなくてロールであったりツールであったり個人であったりですね、そういうところに降りてぜひ議論をしてほしいなと思います。それから「プラス11マイナス10」という式を書いてみたんですけれども、残念ながら日本の公式セクターは今大きな赤字を抱えていて、資源配分の動きというのは非常に鈍くなってます。第4期の科学技術基本計画で25兆円投入するとか言ってますし、第3期も25だし第2期は24、ずっと達成できてない。財政が非常に硬直化しています。さきほどの宮川さんの議論を聞いていても、あれをしてほしいこれをしてほしい、あれをしろこれをしろというのはあるんですけれども、なんでもかんでもプラスプラスプラスということはできません。プラスをやるためにはなにかを切らなくてはいけないというのが現実です。やはりそういうとこに目を向けて、これをやめてこれをやる、こういう議論をやらないかぎり、言葉としてはいっぱい走りますけれども、現実に実現するのは、今、ほど遠いことになるということなので、なにをやめ、それをどういう風に直す、こういう議論を是非してほしいなと、いうふうに思っています。 宮野 分かった。一つ思ったけど、今審議官がおっしゃったようなそのシステム=政策って置き換えてもいい気がしたんですよ。何となくね。政策ってシステムかな、ここであるのはその政策が集まってシステム形成しているわけなんで、さっき鈴木先生のおっしゃった…、宮川先生、なんかマイク持って…。 宮川 システムっていうのをどういうふうに捉えるかっていう、その、政策なのか、ちょっと言葉が、システムとオーガニズムの関係がちょっと良くわからないというのがあったんですけれども…。 鈴木 わたしは文科省の人にいろいろ言っていたのは、中央省庁っていうのはほとんど政策っていうかシステム作りが仕事なんですよね。だけど、もうちょっとプロジェクトやろう、っていう話をして、それはまあ非常にやってくれたと思うんです。それで、要するに何が言いたいかっていうと、固有名詞とか、5W1Hが入らない議論はあんまりしてもしょうがなくてですね、まあそれは重要ですよ、だけどさんざんやられているので、東京大学の理学部はどうするのかとか、京都大学の理学部はどうするのかとかですね、あるいはその理研の生命系のプロジェクトはどうするのかとか、そういうプロジェクトを、で、何が言いたいかというと、これは企業だってそうですけど、ありとあらゆるプロジェクトというのは、なんらかの制約下の中でやっているわけですね。その中で、その制約下の中でうまくやっている人とそうでない人がいるわけで、どういうふうにこの中でうまくやっている人がいるかっていうのをちゃんと見つけて、そのプロジェクトの全部の要素を解析して、それをどうやって2倍にするか4倍にするか10倍にするかっていう、そういう戦略論の方が具体的に世の中なんかこう…、もう堂々巡りなんですね。この議論ていうのは。もう20年ぐらい。私は元々通産省の役人をやっていましたけど、それでずうっとそれこそ工学系の方達と議論をしてきましたよ。だけど、結局その議論の延長の中でなんか変わったためしは、なかったと。それでプロジェクトっていうことでいろんなことやってみたけれど、結局それに対して、さっきの共鳴の話で、まあ大した話じゃないんですよね。なんか共鳴システムを作ろうっていう話じゃあなくて、そうだそうだそうだとみんなが騒いでくれれば、よかったのにとか、あるいは、そうだそうだと言ってメディアの人も巻き込んでですね、科学系のメディアの人はいいんですよね、いつもね、だけど科学系のメディアの人が政治系のメディアとか経済系のメディアの人にアプローチできないところがあるんで、そういうのってべつになんかこうシステムとかいう話じゃなくって、誰さんと誰さんが仲良かったりして、それをどれだけうまく使ったとか、使わないかとかって、そういう、だから僕が言いたいことは、もっと固有名詞の議論を早くした方が、生産的だったという経験を持っているという。 宮野 なるほど。全く。全く。 宮川 ちょっとその共鳴のところについて、ちょっと申し上げたいんですけど、共鳴が確かに起きないんですね。その先ほどの単年度予算の問題についてもですね、ほとんど共鳴しているはずなんですね。本来。たぶん。皆さんここにいらっしゃる方で…。 …それは、ごめん、同意っていう意味よね。賛同とかいう意味よね。 宮野 賛同、ええ。賛同という意味ですね。賛同されているんだけれども、共鳴してない。賛同してるけど共鳴してない。この賛同している声が、全然上がってこないんですね。なので、せっかくすずかんさんとか、文科省の斉藤さんもご尽力されたと思うんですけれども、基金化のお話を、進めようとしているのに、なかなかこのコミュニティーのこれはいいなあというような声がですね、あんまり聞こえてこないんだと思うんですね。なので、こう、今、しわしわしわってなってしまって…。 宮野 よし分かった。 宮川 その共鳴しないって部分でですね、やっぱり研究者が声を上げにくいと。何か意見を言いにくい。ネットでも、こういう公の場でも、意見をいいにくいっていう、ここは「システム」があると思うんですね。僕は。それは「システム」だと思う。文化とか、オーガニズムかもしれないですけど、それシステムだと思っていて、その、偉い大御所の先生がトップにいてですね、あと文科省の偉い官僚の方々がトップにいて、そのヒエラルキー構造がタコツボ型にいっぱいあると。で、このヒエラルキー構造、これ、システムだと思うんですけれども、この構造の中で、意見を言いにくいんです。何か意見を若手の方々言ってくださいっていうと、今後の将来に響くのでとか、研究費が当たらなくなるかもしれないんでって、声を上げにくい、というシステムが僕はあると思うんですね。そこのシステムを変えると、たぶんオーガニズムが動き出してくるんじゃないかと、いう気がします。 宮野 うん。はい。 原山 今、最後におっしゃっているシステムっていうのはどっちかっていうと私が言ったプラクティスというこれまでの慣習なわけですよ。それで慣習が一番やりづらいのは、制度だったら制度、法律を変えればいいんだけど、慣習ってそうトップダウンで変えられないわけで、現場で変えるしかないんですよ。しかもその慣習っていうのは、現場によって違うんですね。日本の、アカデミアの慣習は大雑把に平均化して言うことができる。今のその発言、言いづらいというのはだれも縛りかけていないわけであって、言えば、言える。必ずしも審議会の委員であれば意見を言えるわけではなくて、ある種のウェイトを持つかもしれないけどそれだけでないっていう、今、インターネットというものがあって、今は、ここでもそうですけれども、割と一瞬にして自分の意見を世界の人たちに発信できるという現状になっているんですよね。それを踏まえれば、そういうツールも使いながら、やはり、個人では難しいようであればチーム、グループでもって発信していくっていうやり方はあると思うし、それで聞く耳は政策作る側も持たなくちゃいけないし、持っていきたいと思うし、やろうと思っています。ですのでこれまでの自己規制で縛られるっていうことをなるべくやめてほしいし、それでなにか問題があったら言ってくれればいいんです。それじゃないと変わらないと思うし。それからさっき、そこの中(Twitterコメント)で見ていて、外国に行って戻る場がないっていったって、戻る場がなかったら外で頑張りゃいいじゃないというのが私で。今、国境って何なのかっていう話になっていくんですね。国境の中で、日本って島国だからそういう国境ってあるけれども、知識やたとえば人の交流って視点からいうと国境っていうのが旧来型の国境じゃなくなっているわけなんですよ。それをなかなか認識しづらいし、やはりそれを意識しながら自分のポジショニングっていうものを考えないと、狭い日本だけの中ではですね、なかなか新しいことがチャレンジできない。もちろんチャレンジできるような日本にしたいと思って私も日々の仕事をしているんですけれども、それだけじゃ不十分だし、いくらあがいたところで、高々っていう。でもあがかなければしょうがないことは分かっているからあがいています。だけども、一人で踏ん張ったところで、皆さんの話なんですよ。 宮野 うん。なるほどね。個々人の問題に行き着くと。最後の方。 安宅 安宅です。この中で僕だけがステイクホルダーではなくて、なおかつ、変革を仕事としています。だいぶ多分見解が違うと思うんですけれども、一言で言ってですね、最初の宮川先生の話を含めて聞いてて思ったのは、これです。「甘えと、血の澱み」。えっと、もう、たるんでる話ですよね。これ。一般の経済社会ではもうありえない、ふざけた話がされているというふうにほとんど聞いていて思います。突っ込んだものをやって、成果が出たら何かを得てですね、何も出なければ、去ると、いうのが経済原理なわけですよね。私今たまたまITの世界にいますけれども、インターネットの世界で生み出された会社っていうのは10年以内に99.9%が消えるんですね。消えるんです。本当に消えているんです。それでまたチャレンジして、ダメだったらまた諦めて別のところに行くとかそういう世界です。それはインターネットだけじゃなくてですね、あらゆる世界で起きていて、僕が大学を出た時にあった12行の銀行っていうのは今3つのメガバンクになっちゃったわけですね。で、私が91年に大学出たときは、各行800から1000人、だいたい一万人の人間を都市銀行は取りました。今残っている人はですね、この20年以上経った今、明らかに数分の一なんですね。これが普通の社会であってですね、そのような代謝が起きてなくてですね、文句を言うというのは、やはりちょっと社会の仕組みとしてはおかしいと。いうふうに感じます。なんでこうなっているんだというのをずっと聞いてて思ったんですけれども、一言でいうとですね、変革っていう話っていうのはHow論から入ったら絶対いけないですね。一体何を目指すのかという、志と目指す姿ですね。我々って何を目指すのかっていうことから始まってですね、一体何がギャップ化っていうのがはっきりすれば、何をしたら良いかがはっきりすると。そこがずれてですね変革をするとか不可能です。私も今も変革していますし。これまでも何十年も、まあ何十年もやっていませんけれども十何年間か変革してきてですね、前の職場でもやってきました。多くの会社でやってきましたけれども、ここの議論なしにやるのは無理と。そこのところについて一番大きなポイントはですね、おそらく、今日本の科学っていうのはそんなに悪くないと、皆さんが感じられているとおりで、明らかにアメリカの次だと思います。おそらく。特に生命科学研究はですね。で、この状態でいいのかと。イギリスに並び合うぐらいのところでいいのか、アメリカに並び合いたいのかっていうところで結構大きな分岐点があって、で、そこになろうとした時には、我々は、一言でいうとですね、「何度の風呂に入りたいのか?」っていう問題に突入するんですね。今の38℃で何となく生きていけるっていうところが良いのか、45℃だけども生きている人はピンピンしていて世界で伍すというひとが山のように出てくる状態で、その代わり大多数の人が代謝されなきゃいけないというような仕組みとどっちが良いのかということが実は問われていて、これはポスドクの人であろうと、PIの人であろうと、もう莫大な犠牲を伴うというかですね、多大な対価を伴う決断になります。これを避けてこの議論をしている限りは、答えは出ない。結局どっちなのかということについてですね意思決定をされない限り前に進まないんですね。それか少なくとも意思決定ableな人がですねどちらかに舵をきらないと、そっち側に行かないと思います。これがすごくおっきな問題じゃないかと。システムの話っていう話がいっぱい出ていましたけれども結局のところこれ企業と一緒なんで、非常に力強くてdistinctiveなアウトプットを出すという、このvalueを出すっていう側と、そこのvalueを出すための仕組みとしてですね、非常にもう突出した才能のある人を呼び集めてきて、その人たちをエキサイトさせて、育てて、そういう人たちをちゃんとこう維持し続けるという両側のサイクルが回って初めて系として回るわけですよね。会社もそうですし、会社じゃないような組織もそうです。アカデミアというかこの分子生物学という学会もそうであるはずであって、両側のサイクルを回そうということを本気でやるんであれば、けっきょく温度論にならざるを得ないと。これをどうするのかっていうことをやんないとですね。もうたるい議論で何十年経っても解けないと。いうことになると思います。ここは多分分岐点の最初だろうと。 宮野 まったくおっしゃる通り。で、ここで難しいのは、性質なんですよね。アカデミアっていう宿命。二つ。研究っていうのを、本質的に評価できる?ノーベル賞、ほんといいかなあ?いや、わからん。そのcitation良い方がいいかなあ?わからん。誰かノーベル賞、こいつノーベル賞になる、仮にいいとしたらノーベル賞になる研究っていまからピックアップできるかなあ?わからんわ。次、人材。こいつザッカーバーグになるかなあ?こいつジョブズになるかなって今からみつけてジョブズ育てられるかなあ?わからんわ。卒業した後、なるかな?わからんわ。つまり、敢えていうと定量化できない二大巨頭を大学って背負っているんですよね。そういった意味で、なんか、勝ち負けって何なのとか、そもそも研究って何なの、っていう話になると思いますけれども、それがやっぱ、おっしゃる通り、安宅さんの文脈でいうなら、理念っていう部分がまだやっぱり僕らは、僕らは、って言いました。研究者とか文科省とかステイクホルダーとか日本があんまりまだ熟度が低いのかもなあって気がしてね…。はい。誰かに任せます。 鈴木 少なくともね、文部科学省、科学技術イノベーションの政策のための科学っていうのをもう2年走らせています。そして科学の世界が定量化できるものと定量化できないものがあるっていうprimitiveな議論はもう卒業していて、かつ、要するにもう科学技術投資のポートフォリオっていう話をもうしています。別にall or nothingの議論じゃなくて、そのものすごくベーシックなノーベル賞狙いのハイリスクハイリターンをどういうふうなポーションにするのか、それから当然物差しもですね、たしかに上場会社の場合は株価の最大化とかね、あるいはその利益のmaximizationということはあるんだけど、これも、もう、多様な物差しでやればいいんです。多様な物差しをいっぱい作って、その中で、確かに定量化できないものでも、基数化はできないけれども序数化はできるものは序数化をすると。いうようなことの、いろんなゲームっていうか、いろんなしのぎっていうか、切磋琢磨環境を…、だから経営と違うところはそれがワン、一つの物差しで片がつく話と、ものすごいいろんな物差しがあるっているところは、付言しなければいけないんで、あとはそのバランスをどういうふうにするのかっていう議論までは少なくとも文科省はしていて、で、そのための科学技術政策のための科学、これをとにかくそういう人材をいっぱいこれから養成しなければいけないよね、っていう議論までは行っているということは、ちょっと、情報として補足しておきたい。 宮野 なるほど。 斉藤 発言させていただきます。この図なんですけど、ちょっと話戻っちゃってすいません。右上に文科省タスクフォース作成って書いてあると思うんですが、このタスクフォースというのがまさに私が担当していて、文科省の中の中堅若手職員が集まってこういうような長期ビジョンを書いてみろというような業務の中でやったものなんですけど、それをやった感じとして、感想なんですけれども、えらく、これ作るの時間かかったんですね。時間かかったというのはその要するに今までこういうことあんまり、少なくとも全体を一枚の絵に入れる夢を持っている人があんまりいなかったような気がしますし、しかもそれぞれがどういうふうにつながっていて、これよく見ると青いのがいろいろ問題点を書き出していたんですけれども、これぐるぐるぐるぐる悪循環が回っちゃってるかんじになっちゃっているんですよね。それをどういうふうに、止められるのか、いいスイッチを入れていい方向に回せるのかみたいな、その全体の議論をする場所がどこにもないんだなあというような気がしています。いまその鈴木先生のおっしゃった政策のための科学もまさに担当者として私立ち上げに関与させていただいたんですけれども、おっしゃったような志をもって立ち上げたんですが、やっぱり、全体としてその全体の最適化とかビジョンを作ろうとかっていう業務が、まあ行政もそうですし、研究者もそうかもしれませんが、あんまり敬畏されていないというか、時間をかけないのが普通というふうな感じになってしまっていて、政策のための科学もなかなかその何年かやっているんですけれどもあんまり浸透してないというかですね、当初思ったほど、広がってないですし、その行政と研究者のコミュニケーションというのも、当初期待してたほどは広がっていないという現実も多少あるのかなあということも思っていまして、そのまさに、おっしゃっていたビジョンとか戦略とかっていうのをまずちゃんと作ってっていうものをどういうふうに考えるのかっていうことかなと、そういうふうに思います。 宮野 そうね。ただ、さっき僕、評価できない2大巨頭を扱っているっていうのを言いましたけれども、最近、バックキャストっていう言葉があります。「ありたい姿から、こう考えて、今を考えよう」と。でもだんだんそれに疑問を持ってきて、ありたい姿を一つで規定するって無理よね。で、無理にそれをやると、「幸せがいい」とかなる、と思うんですよ。すっごい最大公約数とかなっちゃって。何が言いたいかというとそれこそ今はやりの、って言ったらなんですけど、シナリオプラニングね、「こういうきっかけがあるからこういう未来が来る、もしこれがこうなったらこうなる、もしこうなったらこうなる」っていういくつかのオプションというか、シナリオを想定してね、そっから導きだす。ある意味それ、想定する未来を一つにしないという意味で、バックキャストですけれどもね。そういうの大事だなと思いました。 どうするかな。後5分ですとか言われていますけれども…。 近藤 僕あんまりしゃべらないとこうと思っていたんですけれども、結局、将来的に何を目指すかっていう時に、意思決定のシステムが例えばその我々の大学とかでしたら、ある意味多数決、みたいになるわけですよね。そうなると、非常な痛みを伴う決定っていうのは、まず出てこない。ですよね。当然。だからそこを変えて、要するに決断をするのを、個々の末端の兵卒である我々からどっかに持っていかない限り、我々は生き残れないっていうことになるわけですよね。そこの、システムというか、制度というか、が、変えるか変えないか。で、それを変えるとしたら、誰が変えるのかっていうのが、たぶん皆さんが思っていることじゃないかと、思います。 前のページ – 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 – 次のページ

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「ガチ議論」シンポ・テープ起こし (1/6)

gachi

お待たせしました!! 第36回日本分子生物学学会年会企画「生命科学研究を考えるガチ議論」シンポジウム のテープ起こしです。編集の都合上、前・中・後編と分け、今回はまず前編を公開いたします。中・後編のテープ起こしや、動画も準備が整い次第随時公開していく予定です。 主催:第36回分子生物学会年会 生命科学研究を考えるガチ議論企画委員 協賛:Science Talks/カクタス・コミュニケーションズ 日時:2013年12月5日(木)18時~21時半 会場:神戸国際会議場 1階 メインホール パネリスト:(順不同, 敬称略; プロフィール詳細はこちらの記事参照)  川上 伸昭(文部科学省政策評価審議官)  斉藤 卓也(文部科学省タスクフォース戦略室長)  鈴木 寛(元文部科学副大臣)1964  原山 優子(内閣府総合科学技術会議常任議員)  安宅 和人(ヤフー株式会社・CSO)  宮野 公樹(京都大学学際融合教育研究推進センター准教授・総長学事補佐)  近藤 滋(大阪大学大学院 教授, 年会大会長, ガチ議論代表)  宮川 剛(藤田保健衛生大学 教授, ガチ議論スタッフ) スタッフ:  中川 真一(理化学研究所 准主任研究員)  小清水 久嗣 (藤田保健衛生大学 助教) 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 – 次のページ 近藤 ご来場の皆さん夜遅いところを来ていただいて誠にありがとうございました。分子生物学会第36回年会の年会長かつガチ議論代表ということになっております近藤です。何か最初に挨拶をしろということですけど、私、2年前にこの年会長をやろうということにご指名されて、普通のことをやっているんだったら別にやらんでもいいなと思って、学会を見てるといろんな学会がたくさんあって、いつも同じ人に会って同じ発表を聞いているって感じで、なにか学会自体に別の価値観がないともうやっていけないな、という感じがしました。それで価値観の一つとして、皆さんいつも学会の後夜飲みにいって、文科省が悪いだの大学のトップが悪いだのなんだの、僕もいつも文句言ってますけど、我々の中だけで言っていても全く生産性がないので、ここにいるような、それを受け止めるべき人たちの前で言ったらどうか。あるいはその人たちは当然そういうことに対しては当然きつい反撃を持ってるわけなんで、それを聞くことによって何かが始まるかなと、いうことで、このガチ議論というものを始めたいと思って、この一年半ぐらい準備してやってきました。幸いなことに非常に強力な協力者を得まして、最初に望んでいたような方達がここに集まっていただけることになりました。本当にお礼を申し上げます。それでは事実上のガチ議論の運営者の宮川さんにバトンタッチして、説明をしてもらいます。よろしくお願いします。 宮川  ガチ議論スタッフの藤田保健衛生大学の宮川です。日本の科学を考えるというこの企画は、ネットと密接に連動する企画でありまして、ガチ議論サイトというのを今年(2013年)の一月から運営しております。このサイトでは日本の科学にまつわるいろいろな問題を指摘していただいて、かつ何らかの提案を出していただき、それについて議論が行われるというかたちになっています。まずこのサイトで指摘された問題点となされた提案のいくつかをピックアップして紹介し、それらについてサイトを訪れた方々がどのように感じたかをざっと説明させていただきます。時間の関係上詳しいことは御示しできませんので、詳細はそれぞれのURLにアクセスしてご覧いただければと思います(スライド[pdf]のダウンロードはこちらから; 外部サイト[包括脳プラットフォーム - XooNIps for CBSN]に移行します)。 トピックスの1です。課題は、諸悪の根源、単年度予算制度です。単年度予算制度によって、年度末駆け込みによる無駄な使用、残券ゼロ化の無駄な努力、そして預かり金という不正、などの諸問題が発生しております。これに対しまして、全ての公的研究費の複数年度予算化をお願いしたいという提案です。これによりまして、研究費の有効活用ができます。そして、預かり金をするモチベーションも激減します。この提案についてですね、サイトを訪れた方々にアンケートを行いました。 「研究費の基金化を全ての種目について進めるべきだと思いますか?」 こういう質問で、結果は、「はい」が88%で、約9割が基金化を希望している、というものでした。 トピックスの2です。課題は、研究者には雑用が多すぎる。諸々の雑用のため、研究時間がとれません。他のプロの方が行うべきような業務もやっております。提案です。研究者の雑用の軽減をお願いします。これについてのアンケートです。 「一ヶ月にどれぐらいの時間を雑用に使われていますか?」 という質問に対しまして、無駄な雑用にかける時間は一ヶ月に10時間以上である、という人が約7割、 「研究者の雑用は減らすことができると思いますか?」 という質問に対しましては、大学研究機関の努力で減らせるか、あるいは行政の強力もあれば減らせると、いうのを合わせて9割が減らせる、というふうに考えております。 トピックスのその3です。研究者のポスト問題です。ポスドク1万人計画後、ポスト競争が加熱しております。研究適性の高い若手でも参入を敬遠し、競争過多で研究にマイナスになっております。さらに常勤と非常勤の待遇の差が大きすぎでありまして、5年、あるいは10年の雇い止め問題も現在大問題になっています。これに対しまして、安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラックのようなものができないかと、いう提案です。この提案では、身分そのものは安定させるけれども、基本報酬は低く抑え、競争的なアドオン給与をつけます。よほどのことがない限りテニュアが取得できるようにします。テニュアはPIだけでなくポスドクや技術補佐員、リサーチアドミニストレーター等多様な方々が取得できるようにします。ノーベル賞の山中先生のご意見なども反映された提案になっております。これにつきまして、 「このようなテニュアトラック制度、導入してほしいですか?」 という提案に対しまして、約9割が導入を希望。 「使える人件費の総額は全体で変わらない、そういう前提でこのような制度を導入すると、国全体として研究成果が増えると思いますか?」 という質問に対しまして、7割以上が増えると、予測しております。 次。現状の競争的研究費には様々な問題があります。ハイリスク研究に打ち込めません。当たるか外れるかのall or noneですので、ギャンブル性が高すぎます。ですので、たくさん申請せねばならず、それだけで疲弊してしまうわけであります。そこで、安定した基盤的研究費の導入を提案したいと。この研究費は、研究者の過去の実績の評価に主に基づきまして、額が緩やかに変動するようなものです。突然ゼロになったり極端に増える、ということはありません。アンケートでは、9割以上がこのような研究費を導入してほしいと希望しておりまして、またこの導入によって、8割以上が国全体で見た時に研究成果のアウトプットが増えるというふうに予測しております。 次。日本人研究者の海外留学離れ、内向き思考がいわれております。これはポスドク問題とリンクしているわけなんですけれども、海外に留学するのは不安、日本に戻れなくなってしまうのではという危惧があり、海外留学離れが進んでしまい、日本の研究力が低下するというわけであります。そこで、海外日本人研究者ネットワークに公的な支援を、という提案です。ネットワークで情報を共有し、日本人留学者、留学を検討している人の不安が解消できないかということであります。 「このようなネットワークに国が何らかの形で公的にサポートすることについてどう思いますか?」 という質問に対しまして、7割以上が賛成、ということです。 最後の課題。学会が多すぎ。日本の科学にマイナス、という課題です。たくさん参加せねばならず研究時間が減りますし、莫大なコストがかかってしまっております。これに対しまして、我らが大会等のご提案は、学会なんかいらない!!です。ITの活用等で学会の役割は代替可能ですし、人の集まらない学会は速やかに解散、他と合併したらどうかというものです。で、これについてのアンケート、日本分子生物学会要りますか?というアンケート、白黒ちょっとつけましょうというアンケートは、怖くて採っておりません。 ともかく、これらが現場の研究者達の、ほぼ、コヒーレントボイス。研究者コミュニティーの声、といって良いのではないかと思います。なんとか実現していただけないものでしょうか、ということです。よろしくお願いします。 宮野 宮川先生ありがとうございました。宮川先生、笑いも取っていただいてほんとありがとうございます。ちょっと暖まって。このあと早速今からぶっ続けでですね、2時間ほどいろいろ話していきたいと思います。ルール説明の前にまずは自己紹介から。まずは簡単にパネリストの方の紹介を僕の方からさせていただきます。まず、近藤先生。先ほど話された宮川先生。元文部科学省副大臣、鈴木寛先生、すずかん先生です。よろしくお願いします。内閣総科の原山先生です。よろしくお願いします。そしてこちら、川上審議官です。文科省です。次、ヤフーの安宅さんです。そして、トリが、文科省の科学技術タスクフォース室の斉藤さんです。そして僕は今日、司会といいますか、ファシリテーターを仰せつかりました、京都大学の宮野と申します。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 このメンバーで、途中休憩もあるのかな?2時間ほどダーッと話していきたいと思います。思った以上に、お客様入っているんでね、ちょっと困ったなというか、想定外だったんですけれども、誰もいなかったらこのステージ上に客席上げてここだけで話しようかと思っていたぐらいだったんですけれども。あんま行くとこなかったんかな、という気もするんですけれども。今日はUstreamでも流しておりまして、このパネリストの前にですね、パソコンがありまして、ここでTwitterかUstreamでのコメントも全部見れるようになっております。もしUst見ておられる方がおられましたら、そちらの方に質問とかしてもらったらね、適宜、これ面白いなとかおもったら拾わせていただきます。決して、俺のは拾っていないとか、そういう文句は言わないでくださいね。ばーっと流れていますんで。で、まず今日の設えですけれども、ルールを説明します。まず大前提はですね、後で説明しますけど、ちっちゃくて見えませんよね。皆さんお手元にビラがあるんですかね。あ、ありがとうございます。結構協力的な観客で。もういいです。皆様ありますね。これが一つ基盤になっています。 *PDFファイルが開きます で、何を言いたいかといいますと、さきほど宮川先生からもお話しいただいたように、言葉は悪いですけれども、ここにおられる分子生物学会、分生の研究者の皆様のね、ご不満、思いとかはね、もう十分聞いております。もう、だいたいこう分かっていると。で、それを踏まえて、それこそ近藤先生言っておられたように、飲み会の場を越えるために、とりあえず飲み会の場での議論はまとめていただいた、と、ちょっと言葉悪いですけれども。で、それを踏まえてここに各ステークホルダー、文部科学省、総科、ステークホルダーの皆様を交えて次の議論をしようと。その時にすごく大事なのが、決して全ての問題は個別じゃないよね、ということを言いわけです。全部つながっている。一つにね。こうしてシナリオに。つまり、我々の問題というのは今のシステムが生み出した問題なわけですよ。従って、個別問題を扱うよりも、システムの議論で、ちょっとメタな目で議論しないと何も変わらないよね、という思いからこのマップを配っております。で、これに従って、議論をしていければなと思っています。これは事前にネットでも出しまして、いろんなご意見もいただいてそれも今日拾って、随意みなさんで議論していただきたいと思っております。 まず今日はですね、このいただいたシナリオに関して僕の方からおさらい的に一回説明いたします。その後、各パネリストの皆さんに、ここが一番ボトルネック、というかここが気になるという点をこのフリップに書いていただいて、どんとね、ま、テレビチックなね、よくあるパターンで。鈴木先生とか慣れてるかも知らんけど他の先生慣れてないからうまく行くかどうかは分からんけど。で、書いてもらって、そこからおもろいなというものを僕が拾って、議論を展開していけば良いと。ぶっちゃけ、何にもシナリオも決まっていなくって、こういうメッセージを発したいというのすら決まっていません。ここである意味、参加者の人たち無視してここでワイワイ盛り上がったらいいなと。無視してって…、すいません。ちょっとカチンとしたかな?なんか静かになったかな?急に。ただ、結構、なんと言うんでしょう、専門的なというか、内容がコアな内容になった時に、いや、それは分かりませんということは、カンペの方でスタッフの方が僕にキュー出してくれますので、説明して下さい、というのがあれば、Twitterとかでつぶやいてもらったらいいなと思っています。 じゃあ今から早速行きますね。このシナリオに関してちょっと説明していきます。これはほんの3分程度で。この大きさで見えるかな。見えますね。スタートをどこにしましょうかね。スタートはですね、じゃあ、皆さんなじみのここにしましょうか。事業開始。たとえばですね、競争的資金開始、どういっていいんでしょう、科研費とかですね、CREST、さきがけとか、そういうある公募が出たとします。そうするとですね、いくつかの、3つに分かれます。新規の研究だけれどもある程度、成果がないと、実績がないと応募できませんよね。実績があるものってのは成果が見込めるもので申請書書くっていうことですよね。そうすると、真にオリジナリティーがあるものってなかなか書きにくいよねと。つまり、結果、優れた成果出てこないよね、と。別に研究資金は、次こっち行きますね。僕のマウスポインター見えてんのかな。マルとかやっていはる人とかおる。見えてるね。別に資金はそれほど必要ないけれど、獲得資金=研究能力という傾向が強いんで出すと。で、ちょっと多い目の研究費で申請すると。その結果、なかなか優れた提案が出てこないんじゃないかと。あとここに、先ほど宮川先生の方からもあった、申請書に膨大な量力がかかりますよねと。こういうとこに分かれていって、この膨大な資料作成による研究時間の減少にリンクされております。で、優れた提案が出てこない、次、ざっと行きますね、で、採択か不採択かが決まります。で、不採択になっても、研究者へのフィードバックなし。これほんとに残念な話で科研費もらっていてもちっちゃいはがきでBとかね、5点だったかな、とかきてね、どこ悪かったんやと。ほんと(フィードバックが)ないから、結局よく我々言いますよね。当たった、外れたとかね。結局クジ引きと同じ。当たったか外れたかってなってる。これはちょっとおかしいなと。フィードバックないってことは成長がないってことですからね。で、そういう問題がある。で、採択の場合、例えば、間接経費。一般的に間接経費っていうのはこれは皆さん大体ご承知ですかね。研究に直接かかるお金と、別途、間接的に使ってもいいよというお金。例えば事務員さん雇用するとか、そういうものに観察経費は使われる訳ですけれども、間接経費っていうのは減少傾向にあります。なぜ減少傾向にあるんですかね?齊藤さん。 斉藤  もともと30%間接経費をつけようということで国の方でもずっとやってきたはずですけれども、競争的資金にはつけようということでやってきましたが、競争的資金があんまり競争的になっていないとか、多すぎるんじゃないか、みたいな議論があってですね、それで減りつつあるということですね。 宮野  競争的資金が、多すぎる? 斉藤  端的にいいますと、鈴木先生がいらっしゃるんですけれども、事業仕分けの時にですね、競争的資金というのが対象になって、なんか競争的資金全体が悪いみたいな方向になってしまってですね、それのせいで競争的資金というその枠組みを縮小するという方向に全体としてはなっているという感じですね。 宮野 そういうことか。競争的資金そのものが減っている。なるほど。 と、こんな感じで、僕なんか突然ふったりとか、皆さんも思ったことあればもうぽんぽん言っていただいていいんで。 鈴木  いいですか? 宮野  もちろんです。 鈴木  間接経費っていう名前が悪いんですね。まずね。それで、仕分けの時も申し上げたんですけれども、皆さんの敵は実は隣にいる、ってことですね。隣っていうかですね、仕分け人の、3分の2は大学教授です。法学部だったり経済学部だったり、商学部だったりするわけですけれども、その人たちが、理科系の研究とか、間接経費の意義とかについて理解していないで、とつぜん30分ぐらい仕分け人に選ばれて、なんか言わなきゃいけない。それで、メディアが期待するステレオタイプ的なロールは、減らす、っていう、そういうことで選ばれてきているから。で、彼らがもう一回選ばれたいので、メディアに露出し続けたいので、その文脈にあったことを言った、ということなんですよ。だから間接経費が減ってる、っていうことなんです。 宮野 なるほど。 鈴木 で、一方で、間接経費という名前をちゃんと、例えばプロジェクトを円滑化する、プロジェクト支援費とかね、いろいろ新しい名前を、僕らは、文科省の人と一緒に考えていました。で、そこにはちゃんと、名誉のために言っておくと、いろいろな大学の副学長とか研究担当理事とかは真剣にそこに加わってくれて、そしてその名前を変えてもう一回いわゆる間接経費的な経費を確保するというイニシアティブはなかったわけではない。相当真面目に検討をしていた。 [...]

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アンテナの高い奴ら、横につながって一緒に未来を変えよう!-サイエンストークス・インタビュー WITH 斉藤卓也(文科省大臣官房政策課 評価室長)

20140308

文科省の「考えてる人」中堅代表、斉藤卓也氏のサイエンストークス・インタビュー!文科省の「なかのひと」が今、何を変えたいと思っているのか?そして東京オリンピック・パラリンピックに向けて文科省が発表した「文科省 夢ビジョン2020」の本当の意図とは?サイエンストークスとガチ議論ではすでにおなじみとなった斉藤氏の本音トーク、元気がわいて「自分も何かしなきゃ」と感じること間違いなしです。おたのしみください! 斉藤卓也氏 プロフィール 文部科学省 大臣官房 政策課 評価室長。科学技術改革タスクフォース戦略室長、科学技術・学術政策局 政策科学推進室次長を兼任。科学技術政策を専門に活躍。研究現場の声を政策に反映するためのさまざまな活動やネットワーク作りのために幅広く活動。 (1)科学技術改革タスクフォース戦略室とは? 【湯浅*】 斉藤さんは文部科学省 大臣官房 政策課、評価室長を勤められていますが、一方で「科学技術改革タスクフォース戦略室長」という肩書きもお持ちですよね。この戦略室はどういった活動をする組織なんですか? [*聞き手:湯浅誠, カクタス・コミュニケーションズ代表取締役, サイエンス・トークス代表] 【斉藤】 科学技術改革タスクフォース戦略室は、中堅がボトムアップで作った組織です。なので、そんなに(文部科学)省内でもものすごく知名度があって、権限を振るって…という感じの組織ではありません。文科省のある特定の事業を動かすための組織ではなくて、全体の戦略を見れる組織にしようと思っています。たとえば(文科省や科学技術政策を)全体としてこんな風に変えたいんですという意見を集めたときに、「文科省の中の誰に相談していいか分かりません」なんていう話を人からよく聞くんですよね。タスクフォース戦略室は、そういう時の窓口になれたらいいんじゃないかなあと。理想はそうですね(笑)。 【湯浅】 なるほど、そうですよね(笑)。いや、みなさんやっぱり、文科省は人が多すぎて問題があっても誰に言っていいのかわからないというのはよくありますから。こんな問題あるんだけどどうしよう?っていうときに最初の受け皿になるような方がいらっしゃると本当に判りやすいと思いますので。 (2)日本の研究に、「うねり」が必要な理由 【湯浅】 今、日本の研究力が世界のほかの国々と比べて停滞しているという話があります。先ごろ文科省が出した、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた「文科省 夢ビジョン2020」を拝見しました。あの中でも、「オリンピック・パラリンピック大会の成功と、それに付随する経済効果への期待にとどまらず、日本の将来に向けた変化の“大きなうねり”とすることが必要」という目的が掲げられています。 斉藤さんも夢ビジョンの政策にかかわられていますが、日本の研究に絞って言えば、文科省の立場から見て日本の研究に今「うねり」が必要な理由ってなんなんでしょうか? 【斉藤】 一昔前に比べると、日本の基礎科学の力って上がってきているんじゃないかと思うんですよ。ただ、最近の状況を見ると、論文の数については諸外国がどんどん伸びてきていることもあって日本の地位が相対的に下がっているという事実が明らかに出ています。 中堅でばりばり現場最前線で働いている日本の研究者に「研究者って魅力的な職業だと思いますか?」って聞くと、なんと90パーセント以上の研究者が「魅力的じゃないです!」と答えているんです。こんな現状を聞くと、このままいったら日本の研究は一体どうなっちゃうんだろう?っていう危機感がありますよね。それが最大の理由ですね。 解説しよう!「文科省 夢ビジョン2020」とは? 平成25年9月に下村文部科学大臣が東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に任命された際、下村大臣より「2020年を単に五輪開催の年とするのではなく、新たな成長に向かうターゲットイヤーとして位置づけ、東京だけでなく日本社会を元気にするための取組を『夢ビジョン』として打ち出し、社会総掛かりで実現していく」ことが表明されました。これを受けた文部科学省が他府省庁に先駆けて、省内の中堅・若手職員を中心として省内アイディア公募のほか、若手のアスリートやアーティスト、研究者らとの対話を実施しながらまとめたのが、2020年の日本の姿を描いた「夢ビジョン2020(文部科学省版)」。文科省職員の夢や想いが詰まった未来のビジョン。「いや、もっとこうしたほうがいい!」というみなさんからのアイディアも募集中だそうです。 「文科省 夢ビジョン2020」の詳細はこちら (3)文科省から変えて、好循環を作る 【湯浅】 「夢ビジョン2020」には、「夢ビジョン実現のための省内改革」という提案も含まれています。外部の人間から見ると、「省内改革」が必要とされているポイント、今の文科省の内部で変えるべきだと認識されている問題ってどんなものがあるんだろう?と非常に興味があるんですが。 【斉藤】 「夢に向けて省内改革」って、夢がないよな~って話に聞こえるかも知れないですね(笑)。確かにそういう見方もあるとは思うんですけれども、「夢ビジョン2020」のような新しいことをやっていこうと思ったときに、どうやったらできるだろう?というのを考えると、今の科学技術関係の政策立案のシステムとか、大学や研究機関で研究を行っているシステムというのは、どうもいろいろなところに問題があって、隘路があって、あんまりいい循環になってないんじゃないかという問題意識があるんですよ。 まずは文科省の中の仕組みとか、文科省自身の政策決定の仕組みっていうのを変えていかないと、ダメなんじゃないかと思っているんです。そのために現場の研究者のみなさんの生の声もお聞きします。また、実際に現場で生み出した研究成果をしっかり分析して、それをエビデンスとして示していき、それを元に政策を考えて、政策オプションを提示していくようなやり方が考えられます。そのように、政策立案過程をどう改革していくか?を考えるプロジェクトをすでに文科省内でやり始めていまして。「夢に向けて省内改革」は、それの延長線上の考え方でもあるんです。 (4)「文科省 夢ビジョン2020」にかける想い 【湯浅】 「夢ビジョン2020」は、名前も中身も明るく希望に満ちたヴィジョンに仕上がっていると思いますが、文科省がこういったソフトで明るい夢のある方向性を出してきたことが、当たり前のような、意外なような…。どんな経緯で、今回こういう形のヴィジョンにまとまったんでしょうか? 【斉藤】 下村文部科学大臣が東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に任命された際に、単なるオリンピックをスポーツイベントとして成功させるだけではなくて、これをきっかけに社会が変わるとかうねりを作るのが大事だと、その意味で「夢ビジョン2020が必要だ」、ということをおっしゃっていて。 高齢化社会とか国際社会の中競争が激しくなってるとか、日本国内でもなんだか暗い雰囲気が漂っている中で、オリンピックを契機に明るい話をするいいチャンスですよね!と。普段「夢ビジョン」なんていうと、そんなふわふわした話をして、といわれちゃうところがありますよね。普段仕事をしていると、役所ですらそうだということかもしれないですけれども、非常に近視眼的に、「来年の予算要求何出しましょうか?」とか、そういうところから議論が始まってそれに終始しちゃうみたいな面があるんですけれど、今ならなんか(夢を語ることが)正当化されるというか、チャンスというところがあるんじゃないかと思っていて。 (5)夢ビジョンを作った、本当のねらい 【湯浅】 かなり具体的なテーマや目標を掲げていますが、いろいろあるアイディアのなかから、これらのテーマを選んだ理由というのは。 【斉藤】 「夢ビジョン2020」に関しては、具体的な中身がどうこうというよりも、もっとこういう夢を語って、みんなでこういうふうに変えていきたいんだ!ということをもっと考えていきましょうよ!という社会の動き、ムーブメントを起こしましょうというのがこの資料の趣旨なんです。逆に文科省はこんなこと書いているけれど、もっとこんな夢もあるだろう、こんなアイディアもあるだろう、といろいろ言っていただきたいし、一緒に議論もしたいし。まさに議論のきっかけになる材料を提示できれば、という意図が強いです。 (6)Science Talksに期待すること 【湯浅】 斉藤さんのお話を普段から伺っていると、改革を起こすためには問題意識を持った人たちの横のつながりを作ることがまず必要で、さらに、そのみんなで徹底的に解決策を議論していく場が必要だと感じられているんですよね。そのための人材発掘やネットワーク作りに力を入れられています。 今回、サイエンストークスもまさにそういう場を作って、普段は科学技術や学術関係の政策に疎い方やまだ若手の研究者の方など、いろんな人の生の声を吸い上げて意見をまとめていきたいと思っているんですけれど、そういったムーブメントに対する斉藤さん個人としてのご意見をぜひ伺いたいです。 【斉藤】 科学技術にまつわる問題意識の調査を以前したことがあります。その結果を分析すると、全体のうちの3分の1は、憲法が、とか、財務省、総務省が、とか、要するに国のもっと上のほうのシステムを変えないとどうしようもないものが3分の1ぐらいあるんです。次の3分の1は文科省が予算を取るとか、文科省自身が持っている法律とかで変えることができるもの。残りの3分の1は大学とか研究現場でやれば何とかなるものだったんですね。 現場ではこんな問題があって、政策的にはこんな問題がある。それは分かったんだけれど、じゃあそれを解決するためには一体何をどうやって変えなきゃいけないの?という次のアクションにつながるところまでをちゃんと議論できるような仕組みというか、取り組みというものがないと何も変わらないのかなという気がしているんです。 そういう意味だと、サイエンストークスなり、ガチ議論なり、まさにそのさきがけとしてはじまったみたいなものなんだと思うので、引き続きこういう枠組みができて一緒にいろいろやっていければ、変わるんじゃないかなという期待は持っているんですけれどね。 (7)「変える」仕組みづくり 【湯浅】 変えるためには人の力と知恵が必要で、たくさんの人を巻き込まなければ動かないわけですが、ステークホルダーから意見やインプットを集めたり、活動への協力者やサポーターを増やすことは簡単じゃありません。 【斉藤】 組織は15%の人が変われば動き出す、みたいなところもあるので。タスクフォース室も、そういう意識を持っていて、現状にいろいろ問題があるから何かしなきゃいけないよねと思っている人たちが、じゃあどうしようか?一緒に考えましょうよ!ということになったときに窓口になれるような組織を一応目指しています。 【湯浅】 今はまさに、サイエンストークスでも政府に提案をしてく意見やアイディアのまとめ役をしてくれる方を積極的に募集をしようと思っているんです。ただ、それをこちらから誰か決まった人にお願いするというよりも、「そのアイディアいいよね。その問題を自分でもちょっと解決したいと思っていたから、僕がそれまとめるよ」と思っていただける方が自然と出てこないかなと思っているところなんですね。 (8)これさえ変えれば!まで落とし込め 【湯浅】 サイエンストークスで今回開催している「勝手に第5期科学技術計画みんなで作っちゃいました!」というムーブメントでは、研究者のみなさんなど、クラウドから集めた意見を総合科学技術会議さんや文科省さんに意見を頂きながらまとめて、最終的に提案まで持ち込もうと計画しているんですが、文科省の中の人の立場からみて、この企画、うまくいくコツはあると思いますか?また、「こういう提案なら使えるから、喜んで聞くよ」という要望はありますか? 【斉藤】 こういうムーブメントって多分、まあちょっと大きい話なんで動くか分からないけれど、もし成功すればもっとよくなるかもしれない、っていう種類の活動に、人々がどれだけの労力をかけるのか?っていう話で、そこが課題なんですよ。 たとえばいい企画には自分で喜んで手を上げて参加して、忙しい中でも休暇をとって行くとか。あるいは、たとえば何か意見募集があれば、いろいろあって疲れて帰ってきたんだけれど、でもこれだけは言っておかなきゃ!といって書き込みをするとか。そういう自発的に動いている人のアクティヴィティをいかに高めるかっていうことですよね。 提案に関しては、わーっと意見やアイディアを集めて、ただそれをくっつけて整理するだけでは、それこそよく言われる「電話帳」みたいなものになってしまって。何でもかんでも全員分の意見が載ってますみたいになっちゃうと、電話帳があってもなかなかその中の誰に電話かけていいかわかりませんよ、という話になっちゃう。 だとすれば、全員分のデータの載った電話帳を作りましたけれど、自分たちなりに議論して精査した結果、この3人に電話かけるのがいいですよ、というメモを作って電話帳と一緒に出してもらえれば、受け取った人は多分「3人にかけるぐらいのことはやろうか」となりますよ。 「この3つだけ変えればとりあえず少なくとも今よりは劇的によくなります」という意見を具体的に提案するというか、その部分にもちゃんと時間をかけないと。それをなくして電話帳作りだけで終わっちゃうとたぶん何も変わらない。 【湯浅】 これから一年弱、ぜひご協力をいただければと思いますので。よろしくお願いいたします。 【斉藤】 はい、よろしくお願いします。 斉藤さん、ありがとうございました!みなさんぜひ感じたことをコメントでお寄せください。 (サイエンストークスの記事を許可を得て転載;サイトフォーマットに合わせるため画像等を一部改変)

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総合科学技術会議・有識者議員との意見交換会でのプレゼン資料

20140214

総合科学技術会議・有識者議員の方々に、2013年日本分子生物学会年会「ガチ議論」企画の説明を行い、 1) ネットを活用した現場の研究者との継続的対話の場を設けること、 2) 行政側の方々もそのような場にご参加いただきたいこと、 3) そのような対話はオープンに公開で行なっていただきたいこと、 をお願いしました(2014/2/13)。 詳細はまた追ってご報告いたしますが、さしあたって、プレゼンに使用したファイルを公開します。以下からダウンロードいただけます(外部サイト[包括脳プラットフォーム - XooNIps for CBSN]に移行します)。 ・オリジナル・Keynote版(zip形式に圧縮しています; 20MB)ダウンロード ・Powerpoint版(30 MB)ダウンロード ・pdf版(8 MB)ダウンロード .

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留学経験者は、海外日本人研究者のネットワークと、留学後のキャリアパスの整備を渇望している!

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近年の日本ではグローバル化への危機感などとして留学を促進しようとする向きがあります。しかし、現在どれだけの日本人がどのような形で留学しているのか、その後のキャリアパスはうまくいっているのかなど、その実態を包括的に把握できてはおりません。留学経験者などからのフィードバックも十分に得ないままに日本国内での印象論もしくは少数の個人の経験談だけで留学促進の話をしている現状です。多くの留学経験者が留学を通して貴重な経験をしたと感じているのは事実でしょう。しかし留学での経験がステップアップまたキャリアアップに直結して生かされているかは個人次第であるのが実情と思われ、国としては、留学者数をただやみくもに増やそうとするのではなく留学でより実質的な成果を達成できる体制、そして帰国して活躍できる場を設けて、その成果を最大限に社会に還元してもらえるようなキャリアパスを整備することこそが、戦略的に重要かつ効率的であり、より豊富でち密な情報をもとに将来が見通せる留学を設計する事ができるように支援すべきではないでしょうか。 研究留学の実態を大規模に把握すること、また研究留学の問題点とその改善方法を探る為に、私達United Japanese researchers Abroad(UJA)は大規模アンケートを行いました。以下が膨大なアンケート結果をまとめたエッセンスです。 海外には自由な雰囲気、共同研究や人的交流の機会があり、雑用が少なく、そして有能なボスがいる。留学先から給料を貰うのはもはや主流。語学力向上、留学先ラボの情報収集に力を入れるべきだったと反省。3年程度を見込んだ留学は更に長くずれ込みがちであるが、留学を長すぎたとは感じず、もっと居たいと思うのが多数派であった。研究成果は期待ほど出ない場合が多いが、それでも得るものは大きく、留学について後悔したのは1%以下であった。留学後の将来展望は柔軟に考えているものの、日本に帰れなくなる可能性や情報不足の危機感が強い。海外日本人研究者のネットワークと、留学後のキャリアパスの整備は渇望されている。 詳しいアンケート結果は以下をご覧下さい。 「研究留学に関するアンケート2013」結果のダイジェスト(PDF, 0.6MB) 「研究留学に関するアンケート2013」結果発表(PDF, 2.2MB) 更にUJAは、2013年分子生物学会年会用の4つの特別イベントを通じて、本年会をモリモリ盛り上げていきます。本イベントの詳細はこちらから! ▽ Finding the Way ! 海外留学を考えている方へ、世界の研究者を結ぶ架け橋:12月3日(火)~5日(木)16:00~17:00@第11・12・14会場(神戸国際展示場2号館2階•3階) ▽ 「生命科学研究を考えるガチ議論」にて大規模アンケート結果発表!:12月5日(木)18:00~20:00@第6会場(神戸国際会議場1階メインホール) ▽ 世界を結ぶソーシャルネットワークのご案内!UJAブース:12月3日(火)~5日(木)16:00~18:00@ポスター会場3・ポスター番号1055付近(神戸国際展示場2号館2階奥) ▽ Unite the World!(飲み会):12月6日(金)18:00~20:00@理研CDB C棟 1F ご質問などございましたら、下記メールアドレスまでお問い合わせください。 uja.mbsj2013@gmail.com 会場にてお会いできますこと楽しみにしております。 UJA運営一同

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12月5日「ガチ議論」企画詳細 (Ustream配信あります)!!

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~12月5日(木)@神戸;科学技術にまつわる課題の議論は、この日、此所で完結する~ 第36回日本分子生物学学会年会企画「生命科学研究を考えるガチ議論」(協賛:Science Talks/カクタス・コミュニケーションズ)の内容の詳細です。 主催:第36回分子生物学会年会 生命科学研究を考えるガチ議論企画委員 日時:12月5日(木)18時~20時(*延長最大22時まで) 場所:神戸国際会議場 1階 メインホール(第6会場) 参加登録:年会参加者ならどなたでもご参加いただけます(分子生物学会の参加登録者以外の方で参加ご希望の方は、registration@scienceinjapan.org まで、お名前、ご所属、連絡先、参加動機をお送りください)。年会に参加できない方、分生会員でない方のネットからの参加大歓迎です。 内容:以下のパネリストの方達と共に、文部科学省科学技術タスクフォースが作成した「科学技術にまつわる一連の課題シナリオ(pdf)」を素材にして、現在の科学技術にまつわる問題の本質は何か、これからどのようにしてこれらの課題解決に向けた取り組みをすればよいかを話し合います。本企画は、日本分子生物学会年会による企画ですが、ライフ・サイエンスのみならず、日本の科学技術全般の問題について議論します。当日、参加者の方からのリアルタイムでのコメントは、時間短縮と論点整理のため、Twitter(「#ガチ議論」ハッシュタグがついた投稿を拾っていきます)とUstreamコメント欄 (ソーシャルストリーム)、専用e-mailアドレスに寄せられたメール、の3つの方法で受け付けます。TwitterとUstreamでのコメントは会場のサブスクリーン上で常時流し、パネリストや参加者にも見られるようにします。いくつかをピックアップして、議論の対象にすることも予定していますので、ご意見をどしどしお寄せください。なお、終了時間が遅くなる可能性もありますので、あらかじめ軽食を召し上がってからご来場いただくことをおすすめします。 ・Ustream配信URL:http://www.ustream.tv/channel/scienceinjapan ・Twitterコメント投稿用ハッシュタグ: #ガチ議論 ・e-mailコメント投稿用:comment@scienceinjapan.org スケジュール:  18:00 挨拶(大会会長,「ガチ議論」代表・近藤 滋)  18:03 振り返り動画上映  18:10 これまでのまとめ(「ガチ議論」スタッフ・宮川 剛)  18:15 第一部:パネルディスカッション「これまで」  19:00 休憩  19:10 第二部:パネルディスカッション「これから」  19:40 会場との質疑応答  19:55 閉会挨拶(大会会長,「ガチ議論」代表・ 近藤 滋)  *その後、リング外で議論継続??(最大22:00まで) 参加者: ・パネリスト(五十音順, 敬称略) 川上 伸昭(文部科学省政策評価審議官)1981年、北海道大学大学院工学研究科応用物理学専攻修士課程修了。1981年、科学技術庁振興局国際課に入庁。科学技術庁科学技術政策局調査課長(1999年)、(独)宇宙航空研究開発機構経営企画部長(2005年) 、文部科学省 大臣官房総務課長(2008年)、同 大臣官房審議官 (生涯学習政策局担当; 2009年)などを歴任、現職に至る。 斉藤 卓也(文部科学省タスクフォース戦略室長)東京大学工学部電気工学科卒後、文部科学省に入省。大臣官房会計課予算企画調整官、科学技術改革タスクフォース戦略室長などを歴任、現・大臣官房政策課評価室長。政策評価を担当。 鈴木 寛(元文部科学副大臣)1964年生まれ。東大法学部卒業後、1986年通産省に入省。山口県庁出向中に吉田松陰の松下村塾を何度も通い、人材育成の重要性に目覚め、通産省在任中から大学生などを集めた私塾「すずかんゼミ」を主宰した。省内きってのIT政策通であったが、「IT充実」予算案が旧来型の公共事業予算にすり替えられるなど、官僚の限界を痛感。霞が関から大学教員に転身し、その後の脱藩官僚の草分けとなる。慶応大助教授時代は、徹夜で学生たちの相談に乗るなど熱血ぶりを発揮。現在の日本を支えるIT業界の実業家や社会起業家などを多数輩出する。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。 原山 優子(内閣府総合科学技術会議常任議員)ジュネーブ大学にて教育学博士課程(1996年)と経済学博士課程(1997年)をそれぞれ修了後、ジュネーブ大学経済学部助教授、経済産業研究所研究員を経て、東北大学大学院工学研究科教授に就任(2002年)。さらに、科学技術政策研究所客員研究官、大学評価・学位授与機構特任教授、総合科学技術会議知的財産戦略専門調査会、評価専門調査会委員などを歴任。国および地方自治体の科学技術政策、また産学連携、大学改革などの教育・研究に従事してきた。2013年より総合科学技術会議議員(常勤) 。 安宅 和人(ヤフー株式会社・CSO)1968年富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学・脳神経科学プログラムに入学。平均7年弱かかるところ3年9カ月で学位取得(Ph.D.)。2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの1人として、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド建て直し、商品・事業開発に関わる。また、東京事務所における新人教育のメンバーとして「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当。2008年よりヤフー株式会社に移り、COO室室長として幅広い経営課題・提携案件の推進などに関わる。2012年より執行役員 CSO(チーフストラテジーオフィサー)。 ・ファシリテーター 宮野 公樹(京都大学学際融合教育研究推進センター准教授・総長学事補佐)京都大学学際融合教育研究推進センター准教授・総長学事補佐。1996年立命館大学理工学部機械工学科卒業後,2001年同大学大学院博士後期課程を修了。大学院在籍中の2000年カナダMcMaster大学にて訪問研究生として滞在。のち、立命館大学理工学部研究員,九州大学応用力学研究所助手、2005年京都大学ナノメディシン融合教育ユニット特任講師、2010年京都大学産官学連携本部特定研究員、2011年より現職。また、2011年より文部科学省研究振興局基礎基盤研究課ナノテクノロジー・材料開発推進室 学術調査官を兼任。博士(工学) 専門分野:金属組織学,医療用マイクロデバイス,研究室運営,コーチング,大学戦略,戦略的プレゼンテーション,コンセプトデザイン ・スタッフ  近藤 滋(阪大 教授; 年会大会長)  中川 真一(理研 准主任研究員)  宮川 剛(藤田保健衛生大学 教授;「ガチ議論のまとめ」プレゼン)  小清水 久嗣 (藤田保健衛生大学 助教;進行補佐) ・協賛  カクタス・コミュニケーションズ パネリストインタビュー&対談: ・文科省タスクフォース戦略室長 斉藤 卓也 氏 × 「ガチ議論」企画ファシリテーター・京都大学学際融合教育研究推進センター准教授 宮野 公樹  対談内容を書き起こしたテキストはこちら ・元文部科学副大臣・元参議院議員 鈴木 寛 氏  インタビュー内容のテキストはこちら ・内閣府 総合科学技術会議 常勤議員 原山 優子 氏  インタビュー内容のテキストはこちら ・年会大会長・「ガチ議論」企画委員長・大阪大学大学院教授 近藤 滋  インタビュー内容のテキストはこちら 動画制作:カクタス・コミュニケーションズ 関連リンク: ・分子生物学会年会サイト内ホームページ「生命科学研究を考えるガチ議論」 ・「ガチ議論」サイト上におけるこれまでの議論(一部)  科学技術にまつわる課題の議論は、この日、此所で完結する!  ガチ議論企画その1:「文科省お役人への質問大募集」  文科省お役人からの回答  安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度の提案  労働契約法改正は朗報か  研究者と雑用  しんがり研究  学会なんかいらない!  安定した基盤的研究費の導入を!  海外日本人研究者ネットワークを作りました [...]

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「ガチ議論」企画参加パネリストのインタビュー

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「ガチ議論」企画本番に先駆けて、参加パネリスト、ファシリテーターの方々にインタビュー・対談を行っています。 対談:文科省タスクフォース戦略室長 斉藤 卓也 氏 × 「ガチ議論」企画ファシリテーター・京都大学学際融合教育研究推進センター准教授 宮野 公樹 対談内容を書き起こしたテキストはこちら インタビュー:元文部科学副大臣・元参議院議員 鈴木 寛 氏 インタビュー内容のテキストはこちら インタビュー:内閣府 総合科学技術会議 常勤議員 原山 優子 氏 インタビュー内容のテキストはこちら インタビュー:年会大会長・「ガチ議論」企画委員長・大阪大学大学院教授 近藤 滋 インタビュー内容のテキストはこちら 動画制作:カクタス・コミュニケーションズ

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科学技術にまつわる課題の議論は、この日、此所で完結する!

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本記事は、企画当日までに皆さんの問題意識をできるだけ多彩に集めることを目的としています! 記載した資料(pdf)をご覧ください。これは文部科学省科学技術タスクフォースが作成した科学技術にまつわる一連の課題シナリオです。例えば、これ(下の画像クリックでpdfが別ウインドウで開きます)をご覧になって、 (同一内容をPrezi形式に変換したものです)  ・ここはまったくその通りだ! ・ここはこっちの方がしっくりくるのでは? ・あの要素が含まれてないよ ・ここの部分は削除してもいいんじゃないかな  などなど、ご意見をお寄せいただければ幸いです! これらの課題、いったい誰の責任で、誰がどう解決するのでしょうか!? 本番では、いただいたコメントを題材として、重厚なパネリストとともに議論を展開していきます! 京都大学学際融合教育研究推進センター准教授・総長学事補佐 宮野 公樹 (「日本の科学を考えるガチ議論」本番にファシリテータ役として参加予定;この意見は筆者が所属する組織の意見を反映しているものではありません)

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研究者と雑用

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研究費をどのように分配するかというのは非常に難しいテーマで、たとえば基礎研究と応用研究、どちらにどれぐらい予算を配分するのが最適かという問題はすぐに答えが出るものではないと思います。一方で、総額はそのままに、研究費を実質増加させる事が出来る素晴らしい方法があります。それは雑用の軽減です。 雑用のために研究の時間が取れないという話を良く聞きます。授業や広報活動や予算申請などが雑用かどうかは別途議論が必要かもしれませんが、あきらかに他のプロの方(たとえば事務の方)が行うべき業務を研究者が行っているという例も散見されるような気がします。 教授会では、教授が話し合わなくても良いのではないかという話題がよく議題に上るという話を聞きます。教授会でトイレのドアの扉を変えるかどうかを延々議論しているというのは本当の話でしょうか。また、各研究室の電気メーターのチェックを超一流大学の助教の方がされているという話も聞いたことがあります。このあたりは役割分担が必要なのにそれが欠如していて結果としてムダを生んでいる例ではないでしょうか。物品納品にかかる煩雑な書類や全ての物品購入についての使途目的の記載も問題です。もとはといえば研究者が引き起こした不祥事が原因となっているのは確かですが、各種の規定が高止まりで残ってしまっているという側面があるのは否めません。倫理的な問題はあるにせよ、ごく一部の人間が犯す間違いによって100万円が無駄になったとして、その対策に1億かけるのはどうかな、と思わざるを得ません。えっ、そんなにかかっていないでしょうという反論はあるかもしれませんが、 時は金なり。塵も積もれば山となる。国内に研究者がどれぐらいいるのか正確には把握していませんが、いわゆる「スタッフ研究員」は10万人の規模でいるのは間違いないでしょう。それらの人々が平均年収500万円だとして、人件費として「スタッフ研究員」には年間5000億円が使われている訳です。一方、それらの人々が働いている時間は、一日10時間働いているとして(実際はもっと働いておられると思いますが)、月に約200時間。つまり、個々の研究者の時間を一ヶ月に2時間奪う雑用があるとすれば、年間50億円のお金をドブに捨てているのと同じことということになります。 実態がどうなのか、それは分かりません。そこでまずお聞きしたいのは、 その上でお願いしたいのは、これって無駄なのでは、こんな事しているのはうちの大学・研究所だけなのではないか、という事例をコメントでいただけませんでしょうか。また、そういう無駄をなくすためにはどうすれば良いかという知恵もあればぜひお願いします。ガチ議論には、文科省の人も、総合科学技術会議の方も、政治家の方も、見えられています。分生年会当日は議論している時間の余裕はないかもしれませんが、実態を伝えるだけで、居酒屋で愚痴っているよりは少しは前に進めるかもしれません。もしかしたら各事業所のレベルで即刻やめる事の出来るローカルルールもあるかもしれません。 皆様の率直なご意見や愚痴(?)をお待ちしております。 理化学研究所 中川真一 (この意見は筆者が所属する組織の意見を反映しているものではありません)

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