2013.12.02 トピックス
留学経験者は、海外日本人研究者のネットワークと、留学後のキャリアパスの整備を渇望している!
近年の日本ではグローバル化への危機感などとして留学を促進しようとする向きがあります。しかし、現在どれだけの日本人がどのような形で留学しているのか、その後のキャリアパスはうまくいっているのかなど、その実態を包括的に把握できてはおりません。留学経験者などからのフィードバックも十分に得ないままに日本国内での印象論もしくは少数の個人の経験談だけで留学促進の話をしている現状です。多くの留学経験者が留学を通して貴重な経験をしたと感じているのは事実でしょう。しかし留学での経験がステップアップまたキャリアアップに直結して生かされているかは個人次第であるのが実情と思われ、国としては、留学者数をただやみくもに増やそうとするのではなく留学でより実質的な成果を達成できる体制、そして帰国して活躍できる場を設けて、その成果を最大限に社会に還元してもらえるようなキャリアパスを整備することこそが、戦略的に重要かつ効率的であり、より豊富でち密な情報をもとに将来が見通せる留学を設計する事ができるように支援すべきではないでしょうか。
研究留学の実態を大規模に把握すること、また研究留学の問題点とその改善方法を探る為に、私達United Japanese researchers Abroad(UJA)は大規模アンケートを行いました。以下が膨大なアンケート結果をまとめたエッセンスです。
海外には自由な雰囲気、共同研究や人的交流の機会があり、雑用が少なく、そして有能なボスがいる。留学先から給料を貰うのはもはや主流。語学力向上、留学先ラボの情報収集に力を入れるべきだったと反省。3年程度を見込んだ留学は更に長くずれ込みがちであるが、留学を長すぎたとは感じず、もっと居たいと思うのが多数派であった。研究成果は期待ほど出ない場合が多いが、それでも得るものは大きく、留学について後悔したのは1%以下であった。留学後の将来展望は柔軟に考えているものの、日本に帰れなくなる可能性や情報不足の危機感が強い。海外日本人研究者のネットワークと、留学後のキャリアパスの整備は渇望されている。
詳しいアンケート結果は以下をご覧下さい。
「研究留学に関するアンケート2013」結果のダイジェスト(PDF, 0.6MB)
「研究留学に関するアンケート2013」結果発表(PDF, 2.2MB)
更にUJAは、2013年分子生物学会年会用の4つの特別イベントを通じて、本年会をモリモリ盛り上げていきます。本イベントの詳細はこちらから!
▽ Finding the Way !
海外留学を考えている方へ、世界の研究者を結ぶ架け橋:12月3日(火)~5日(木)16:00~17:00@第11・12・14会場(神戸国際展示場2号館2階•3階)
▽ 「生命科学研究を考えるガチ議論」にて大規模アンケート結果発表!:12月5日(木)18:00~20:00@第6会場(神戸国際会議場1階メインホール)
▽ 世界を結ぶソーシャルネットワークのご案内!UJAブース:12月3日(火)~5日(木)16:00~18:00@ポスター会場3・ポスター番号1055付近(神戸国際展示場2号館2階奥)
▽ Unite the World!(飲み会):12月6日(金)18:00~20:00@理研CDB C棟 1F
ご質問などございましたら、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
uja.mbsj2013@gmail.com
会場にてお会いできますこと楽しみにしております。
UJA運営一同
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Faculty of Medicine is one of the faculties of the University of Banha established on 25.01.1976 to contribute with its sister medical schools in other renaissance of Egypt. Faculty of Medicine, is the ninth in terms of the date of inception.
The college has made great strides in all areas to keep pace with the evolving modern era, thanks to God Almighty, and the great men.
医学部はエジプトの他のルネサンスにおける姉妹医学校に貢献することを1976年1月25日に設立されBanha大学の学部の一つである。医学部、当初の日付の面で第九です。
カレッジでは、進化する現代、全能の神に感謝し、偉大な人のペースを維持するためにすべての分野で大きな進歩を遂げました。
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/home
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/important-notices
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails/students-emails-year1
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails/students-emails-year2
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails/students-emails-year3
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails/students-emails-year4
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails/students-emails-year5
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/students-emails/students-emails-year6
http://www.fmed.bu.edu.eg/fmed/index.php/2013-05-12-11-36-31
僕自身の個人的な見解とは異なりますが、以下のような意見も根強くあります(以前のガチ議論プレ企画で似たような話がありました)。そのように打ち返された時に、どのように反論してゆくのか、そこが重要になってくるのではないでしょうか。ポスドク問題と共通する問題ですが。ガチ議論当日は、このような視点を含め、議論が進んでいくと思います。
理系の博士一人を育成するのに、現在、国は約一億円の税金を注ぎ込んでいる。その人達はもともと優秀な人で、自力でいろいろなことが出来るはず。なのに、その上、ポスドクとなった博士取得者に更なるサポートをする事が果たしてフェアと言えるかどうか。また、現在、大卒で就職できない人が約3分の1もいる状況であり、数からすればその方が遥かに大きな社会問題である。海外経験も積んで才能豊かな人が就職できないのは何か他に問題があるのではないか。新卒の大学生が行っているような必死な就職活動をその人達は行っているのだろうか。また、現在、バブルの時期に大量に一流企業に雇用された人たちは、壮絶な首切りにあっている。研究者だけ特別扱いする事は許されないのではないか。
同じくUJAの世話人の一人です。
留学後のキャリアパスの整備と言うと過度な優遇あるいはトップダウンのお仕着せから変な歪みを生じることを懸念してしまうのはもっともです。しかし個々の教育研究機関として国際化に繋げたいというニーズがあるのであれば、その障害を取り除き、後押しするということは健全なことではないでしょうか。例えば現状では面接で海外からの旅費を出すところはほとんどありませんし、面接日程また着任日の決め方も配慮を欠いているケースが多々あると聞きます。逆にそういう事情から海外から人を呼ぶのはためらわれる、という変な配慮が働いている可能性も否定できません。これらは一例にすぎませんが、そういった各種の障害を回避する制度の整備、またあるいは今回の分子生物学会のような一時帰国の際に効果的に就職活動・ネットワーキングが出来るような(個々人で頑張っている人もあるかと思いますが)より開かれた効率的なやり方を提案することに反対する理由はありますでしょうか。
雇う側としても優れた国際経験のある人を取りたいという潜在的ニーズはあっても、果たしてどんな人がいるのかいないのか、どうやってアプローチ・コンタクトすればいいのか分からない、ということはあるはずです。知らない人を公募書類と短い面接で取るリスクの高さは当然あります。その慣行ももちろん正されるべきでしょうが、現場側からは簡単に変えられない諸事情から続いている。ならば別の処方箋として問題を軽減できて、国内勢にとってもメリットのある、国益にも叶う情報網の充実・ネットワークの整備・活用を提案することは現状批判よりも建設的でより現実的だと考えます。
もちろんボトムアップ型、草の根の理念は大切にしたいと思いますが、この活動は現状として完全に、自身のキャリアも不安定な現役若手研究者の犠牲の上に成り立っています。それが果たして健全なことか、持続可能かどうか、ぜひそこまで想像力を働かして議論していただければありがたいと思います。
UJAの世話人の一人です。
日本の科学にとって優秀な若手研究者は必要である、しかし現在の若手研究者をめぐる労働環境の問題は個々人が意見を述べた所で解決しない。ならばもっと公的な形で解決策を見出さなくてはいけないのではないのではないでしょうか。どの組織がそれを担当するのに最も相応しいのかはまだわかりませんが、ガチ議論から何か学べるのではないかと期待しております。
>海外日本人研究者のネットワークについては、やはり予算的・人的な補助が文科省から得られたほうがよいのではないでしょうか。
実際、私たちUJAはその問題に直面しています。有志のボランテャベースで、手弁当で行うにしては事が大きすぎます。Funding agencyにしても、曖昧な私的団体に予算を付ける訳にはいかないとも伺っております。そのため私たちUJAは法人格の取得に向けて動き出した所です。
上のほうにも記載しましたが、人事や研究費について社会関係(コネ)でかなりきまってしまう日本の研究社会の仕組みを、実績や適性重視で決まる透明性・オープン性・公正性の高いものに変えていく、ということが、「留学後のキャリアパスの整備」に最も有効な方法だと思います。この意味で山形さんのおっしゃることに賛成です。透明性・オープン性・公正性さえあれば、留学後の研究者のほうが有利に(ほぼ)きまっているので、ありがちな小手先の留学した人への優遇策のようなものは不要でしょう。中川さんのおっしゃるアファーマティブ・アクション的なものは少しはあってもよいかもしれませんが、そのようなもので満足してしまうのではなく、海外からどんどん声をあげて、日本の研究社会のヘンな仕組みをどんどん指摘して変える力に結びつけていただくことが大事なのではないかと思います。
海外日本人研究者のネットワークについては、やはり予算的・人的な補助が国から得られたほうがよいのではないでしょうか。海外日本人研究者個人ではそのような組織を継続的にサポートする予算や労力を十分に出すことができないだろうということが一点。また、今回行なっていただいたアンケートのように海外にいる方々の声を集約して、日本の研究の仕組みを改善したり、海外からの各種研究情報を様々なものに活用できるような道筋をつけたりすることのできるネットワークというのは国にとってプラスであろうということもあります。
「研究留学に関するアンケート2013」の結果を拝見して、興味深いと感じた点が3点あります。
一つ目は、「39. 帰国先の見つけ方」です。留学経験ありの方で「公募に応募」してみつけられた方は、わずか23.9%です。一方、「元の所属ないし関連する場所」、「留学中の知り合いのつて」、「留学前の知り合いのつて」の3種で約60%をしめます。つまりなんと約60%がコネクションで帰国先を見つけている、ということになります。コネ(知人の紹介)での採用のメリットはあると思いますが(実際、僕の研究室でもある種のコネでスタッフを採用することはあります;その場合公募はしないです)、この割合にはさすがに驚かされます。このコネ採用の高い割合というのは、日本の研究者コミュニティでありがちな大御所先生・文科省を頂点とした人事面、研究費配分面でのたこつぼ型ピラミッド構造を端的に反映しており、かつこの構造を保存する原動力の一つになってしまっていないでしょうか。
二つ目は、「26. 日本より良いと感じる点」です。留学中の方々、留学経験ありの方々の双方で、「自由な雰囲気」がトップにきています。「自由な雰囲気」はいろいろなことを含んでいるかとは思います。欧米では雑用も僅かで(これは日本より良い点の二位にきている)、ゆったり・じっくりと研究でき、かつ遊び心的なものをもつPIや大学も多く、単純に自由時間が多い、ということがあるでしょう。しかしやはり日本では、研究の内容そのものについても、研究周辺領域のことについても自由に考えや意見を述べるという雰囲気がたいへん足りない、という意味もかなり含まれているのではないでしょうか。このような「自由な雰囲気」なくして独創的な研究はなかなかできにくいのではと思うのですが、日本では大御所先生・文科省を頂点とした人事面、研究費配分面でのたこつぼ型ピラミッド構造があるためもあり、言いたいことが言えない雰囲気にあります。日本では「雑用が多い」というのも、当然、誰もがわかる事実なのですが、ほとんどの人は公的に指摘しないため、改善する気配がありません。なぜ指摘しないかというとおそらくそういう意見を言うと、上のほうから睨まれて、人事でも研究費でも不利なことになると、多くの人が思っているからだと思います。
上記二点については、たこつぼ型ピラミッド構造で人事や研究費のかなりの部分が決まってしまう構造を改善し、よりオープン性・透明性・公正性が高く、研究の実績そのものを重視するような仕組み(個人的・社会的な好き嫌いの好みをできるだけ反映しないような仕組み)を構築していくことが大事だと思います。その第一歩として、研究費の審査委員や評価委員、審議会の委員などを行う年間の上限回数を定める、というようなことをしばしば提案しているのですが、いかがでしょうか。
三つ目は、「5. 研究室主催者について」で、この結果によると、海外に留学している人、興味がある人の間ですら、「PIを目指さないが研究を仕事としたい」という人が3割近くもいらっしゃるということです。現在のポスドク制度、テニュア・トラック制度は、PIを目指すことを前提に組み立てられており、ポスドクやテクニカルスタッフのような立場で生涯研究にかかわりたい、という方々のキャリアパスが全く考慮されていないように思います。この意味でもこのサイトで提案させていただいたPI以外も対象とする日本版テニュアトラック制度はぜひご検討いただければと思っています。
海外日本人研究者のネットワークについては、やはり予算的・人的な補助が文科省から得られたほうがよいのではないでしょうか。海外日本人研究者個人ではそのような組織を継続的にサポートする予算や労力を十分に出すことができないのでは、と思うからです。
海外の日本人ネットワークやキャリアパス整備を公的にサポートするかどうかのガチ議論の前記事のアンケートでは、30%ぐらいの方が、山形さんのご意見と同じく、特にサポートするまでもない、と答えていました。これはこの手の反対意見が出にくいテーマに関するアンケートにしてはかなり高い数字です。山形さんのようなお考えの方がかなりの数いる、ということだと思います。
ただし、山形産のおっしゃるところの「ネガティブな要因」を除くというのは理想とはいえ、そういうものが存在するのは事実であり、一気に無くすことが出来ない過渡期においては、アファマティブアクションもそうですが、ある程度枠を作るというのは次善策として有効なのではないでしょうか。自由競争は、条件が同じでないと成り立ちません。海外に在住の方は、やはり顔を合わせる機会が相対的に少ないですし、明記しないまでも、ある程度そういう枠を作った方が良いという意識を共有することは必要なのではないでしょうか。ただ、それが公的な整備でやるべきなのか、各事業所レベルで自主的にやることなのか、というと、個人的には後者が好ましいと思います。海外の人を何%取ったら補助金を増やしますよ、そういう試みをするので予算をくれ、という構図は、美しくはありません。
私は、個人的な理由から日本への帰国を強く希望していますが、在米20年近くになります。しかし、個人的には、「海外日本人研究者のネットワークと、留学後のキャリアパスの整備」は、全く渇望していません。
もちろん、海外日本人研究者のネットワークという点について言えば、自然発生的にできるそういうネットワークはあってしかるべきですし、日本文化を理解し日本語を使用する人々(日本生まれでない人を含めて)は現在より強い絆を築いた方がよいという一般論には賛成です。しかし、これを公的に整備するというのは、希望しません。
また、「留学後のキャリアパスの整備」という点については、「日本国内でのキャリアパスの方がコネがあって有利になる」「海外研究経験を積極的に評価できない」というネガティブな体制に問題があるのであって、積極的に「留学後のキャリアパスの整備」を実施しなくても、これらのネガティブな要因を除去することが優先されるべきであると思います。そして、これは、外国人の雇用と活躍、男女共同参画など、研究者コミュニティに生きる人材の多様化を促進する上で、共通する問題であると思います。