【帰ってきた】ガチ議論
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「ガチ議論」シンポ・テープ起こし (4/6)

ツイッターまとめ
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宮野
よっし、分かりました。ありがとうございます。なるほど。そしたらいったん仕切り直しますけれども、おそらく…、またここでだらだらしゃべりません。一つは、理念の不在という問題が一つ。つまり、僕らどっち向くの、っていう話ね。あ、ごめんね。宮川先生、しゃべろうとしていた?

宮川
Tweetを読み、一部…。

宮野
流し読み、僕これ言った後流して読むよ。まず一つは理念の不在。方向性っていうことね。僕らどうしたいのって話。もう一つは方法論の話がなされました。で、割と高所、高いとこからの話だなとか、上ついているなつかあったけど、僕はやっぱこれ、すごい大事だと思うんですよ。密接に関係していますからね。それと。やっぱりこれまでむしろ個別論しかしてこなかった結果が、今あるとも思っています。だからいいなと思っています。後もう一つは、安宅さんがいうような健全なバトルフィールドって思うんですよ。そのバトルフィールドの関係を、原山さん、おっしゃっていたような問題。ただね、ここで皆さんと、皆さんのtweetとも接続するんですけれども、研究で評価されていない。そこがやっぱ一つボトルネックかなと思った。研究者が研究で評価されていないような気がする。たとえば雑用が多いとかさあ。その、競争的資金とかね。ピュアに健全なバトルフィールドって書いたけど。で、つまりこのマップの上の議論っていうのが、いまなされたのかなあ、と思いました。なんとなくね。位置づけ的に。そういった、なんとなく言った後にtweetだーっと見ますけれども、確かに、そうですねえ、どう言ったらいいやろ。この、思った以上に内容も拡散しているんでねえ。皆さん「もっといろいろ」とか言わはるけど結構難しいですよ。どうしましょう?流し読みすら戸惑うぐらいの量なんですけれども。そうでしょう。どうする?たとえば、あえてまだ議論、ここで話してないというという視点でトピックを上げるとするならばその人材育成の話ですかね。あと、具体論も話して、っていうはなしもありましたけれどもね。なんですかね、あと?皆さんも見られているんですよね。コミュニティーのことを考えている人ってどれぐらいいるのかなあとか、そういう話?

鈴木
いい、口はさんで?研究者が研究で評価されていないって、本当にそうですかねえ。雑用が多いのは、予算が足らないので、リサーチアシスタントだとか、administration stuffが雇えないだけの話であって、研究は研究で評価されていると思いますよ。僕は。比較的。でね、これはちゃんと確認しておきたいんだけど、今の現状の特に、その生物学とかですね、理系の数字はどうなのかと。これは一つの物差しではあるけれども、論文のcitationで言えばですね、東大のPhysicsは2番だし、生化学も4番だし、京都のChemistryは4位だし、東北のMaterialsは5位だし、ということで、全然、competitiveなんですよ。我々は。

安宅 
そう思います。

鈴木
ダメなのは文科系で、東大の社会科学は283位ですよ。ええ。だから、まずそこは今はオッケーだと。ただ、ほっとくと、後5年10年しちゃうと安宅さんが言うようにプレーヤーが誰もいなくなった、という、だからそこをどう維持しますか、というふうなことにしておかないと、

安宅
すずかんさんのおっしゃる通りで、最初に少し言ったんですけれども、そもそも悪くないんですね。この国の研究レベルって。だから、これでいいんじゃないかっていうですね。この38、9℃でやりましょうと。という僕のさっきの話というのも、答え、っちゃあ答えなんですよ。なぜかっていうとアウトプットが出ているんで。それだけのことですね。だから、どうなんですか、ということを聞きたいと。私はむしろ。皆さんとして。そんな悪くないじゃないですか。かなり誇らしい国ですよ。この状態って。僕、別にアメリカ行っていて恥ずかしい思いしたことないですし…。

宮川
それが違うという話が出てきていて、「あまりにも異常な論文数のカーブ」っていう資料(鈴鹿医療科学大学学長 豊田長康氏 資料)あります?この手元の資料の29番なんですけれども。あの30番(「人口あたりの高注目度論文数は先進国で最低!!」, 鈴鹿医療科学大学学長 豊田長康氏 資料)、そちら(サブスクリーン)に出せます?日本だけ論文数がどんどん減っていて、かつ、高注目度論文数も、減ってるんですね。研究費は、総額はどうも伸びてるようなんだけれども、生産性のアウトプットは減っているということがあって、これは、僕の実感としても、すごいあるというか、研究費は意外に結構あってもですね、それがちゃんと活かせるような仕組みになってなくて、なんかやたらと雑用が多くて忙しいし、研究費は年度末までに使い切らなければいけないし、ちゃんと増えている研究費を活用できない仕組みになっちゃっていると思うんですよね。

鈴木
ちょっと今かなり誤解があると思うんだけれども、物事にはインプットとアウトプット、そのratioがパフォーマンスなんですよ。で、アウトプットは減っている、その理由は、最大の理由はインプットが増えてないからですよ。それ絶対misleading。で、日本のパフォーマンスは世界一良い。インプット分のアウトプットで言うと。アメリカはアウトプットが良いのは、アメリカはパフォーマンス、決して良くない。なぜならばインプットが膨大にあるからあのアウトプットが出ている、んですよ。そこは。だから日本はね、こんなに安い研究費でこんなにスタッフつけてくれないにも関わらず、世界3番とか4番のアウトプットを出しているから、極めてパフォーマンスは良い。燃費はすごく良いんですよね。だからそこは良いんだけど、インプットが、ガソリンがゼロになっちゃったら走らないでしょ、っていう話で、だから、こんだけ燃費が良いんだから、ガソリン少なくとも維持してよねと。できれば、この良い燃費のところにあとガソリン2倍にすれば、アウトプット2倍出しますよ、ということなんですよ。だから日本だけですからこの20年間科学研究費増やしていないのは。もう中国とかなんとか4倍も増やしているし、アメリカだって2倍にしているんだから、そこの問題にフォーカスしなくちゃいけなくて、その、中の使い方なんて、概ねうまくいっている。いろいろあるかもしれないけれども。それは社会の理解とサポートを得られていないのでインプットが増えないんです、っていうことにちゃんとまず我々が正確な問題提起をしないと、だめなんじゃないでしょうか。

宮川
いや、そこのところは全くおっしゃる通りで、いやもう本当にインプットを倍にぜひしていただきたいし、本当に我々もしたいんですけれども、どうすればそうなるのかっていうのが…、インプットが倍だったら雑用の問題とかも…。

鈴木
解決しますよ。

宮川
するかもしれないですね。いろいろ解決しますね。はい。

原山
インプットと、経済学でいえば、大きくいうとcapitalとlaborなんです。それにtechnologyが入るわけなんで、今予算の話にフォーカスされていますけれども、それだけか。この、研究開発っていうのはlabor intensiveであって、しかも質の高いものが入れば入るほど効果が高くなるという話です。そこでさっきのアメリカとの比較、もちろん金銭的なウェイトとかいうものはかなり日本と比較にならないんですけれども、もう一つ、研究者層の質というものを考えると、量だけじゃなくてね、人数だけじゃなくて。先ほどおっしゃっていたdiversityの話がかなり効いてくるわけで、もちろんそのdiversity、いろんな人をまとめれば良いっていう話じゃなくて、もともと自分の確固たる物を持っている人を、分野が違っている人も集めながら、っていう色んな最前線にいけばいくほど、面白い組み合わせでもってチャレンジングなことをやっているって、それが背景にあるが故に、高くなっているし、それともうアメリカだって相当危機感持ってやっているわけですよ。アメリカの政府の人に聞くと、もう自分の今の状況じゃあ全く不十分だって言っているわけですね。政府の人たちが言っていると。何かっていうと、他の国も追いかけてきていてその中でこれまで自分の強みだったとこが完全に強みとしてキープできるかっていうその不安感があるわけ。逆に日本のことを考えれば、尚更のこと、質っていうものをどのように担保したら良いか。その色んな今の悪循環ってありましたよね、こん中で。逆にリバースして良い方の循環にまだどっかで進むそのスイッチ入れなくちゃいけないし、どっからスイッチを入れれば一番効果的か。その大学と企業体との違いっていうのは企業っていうのはある種の一つのindicatorでまとめられる目標を設定できるんだけれども、大学の場合multipleなんですよ。そのvectorで考えなくてはいけない。アウトプットが。研究成果であり人材育成でありその他諸々のファクターっていうのを背負いながらやっているわけですから、非常に苦しい、難しい、経営しなくちゃいけないわけ。それを理解した上でもって、大学に対してプレッシャーかけなくちゃいけないし、であるがゆえに、大学のトップの方はそれだけの思い、企業のトップより逆に難しい経営しなくちゃいけない状況にあって、なおその中にいて、大学の教授上がりの人がなるから、申し訳ないけどプロフェッショナルなマネージメントができない、できていないっていうのが現状なんですね。いかにそういう人を育てていくか、っていうかやはり若い人材が、研究者であり、同時にマネジメントも少しコミットする、それはその自分の大学に対する社会貢献ですね。それも少しずつやりながら、ま、そんなこと言うとまた尚更時間がなくなるんじゃないかって言われるんですけれども、もう一つは、私スイスに長いこと行ったんですけれども、あそこはイノベーションの、色んな指標からいくと、いつもトップの国なんですよ。人口もまあそんなに多くないし、多様性って意味ではもう必然的に多様なんだけれども、勤務時間考えると、大体朝早く来るけれども、大体夕方にはみんな帰っているわけですね。研究者。うちの主人なんか、土日に大学行って、お前何してるんだ、って馬鹿にされてたわけですよ。効率が悪いから土日にするんじゃないか、と言われて。そういうふうな形をしながらもcompetitiveであれる。研究環境があるわけですね。それはもちろん自分で全部やらなくていいからで、役割分担があって、プロフェッショナルなテクニシャンがいて、そういう事務のプロフェッショナルがいるわけですよ。それは一人一人の個人についているのではなくて、色々な、研究科とか、レベルでついてる。いわゆる効率化っていうのが良い意味で効率化なされている。でもそれしないと、単純に、どこにしわ寄せがくるかっていうと、若手の研究者に行っている。

宮野
よし、分かった。おっしゃる通り。で、ネットでも…。

宮川
そうそう。ネットで、「効率がいいのは業界全体がブラック体質だから」とか。

宮野
そう、そうなんですよ。そこに共感するのいっぱいあるけども、例えば今、やっぱ配分の問題って大事ですね。文科省からも是非言ってほしい。苦い顔してるけど。大学も削れるとこいっぱい削れるでしょ、とか。それこそ原山さんおっしゃったような大学の経営の問題とかね。これもあったよ。今増えても、やっぱり雑用増えるだけちゃう、みたいな。それこそやっぱり、単に、もちろん皆さん考えておられるように、単に何かをなんかしたらなんか変わるっていう問題じゃないから、ちゃんと一斉に考えないといけない。はい、どうぞ。たとえば…、審議官。

川上
だからですね、一番最初から言っているんですけれども、2倍にしてくれって、実現しないですよ。だって財政がこれだけ厳しい状況にある。だからさっきから言っているように、11足したいんだったら10引くっていう議論をやってかないと実現しないんです。だから、宮川さんの研究費を2倍にする、ことはできます。だけど、別の人の研究費をゼロにすることになる。そういうことだったらできるわけですね。皆さん方の研究費全部を倍にしてくれと、それは叶わないことなんですよね。現実的な議論をすべきなんです。

宮川
僕の研究費を2倍にしていただくのは良くて、で、その後なんですけど、異常にいっぱいありすぎて、もう使い切れないってとこから、引いていただきたい。他の誰かのをゼロにして僕にくれるっていうのは、ちょっと…。

宮野
配分の問題ね。

宮川
すごいもう使い切れなくて、みたいなの。年度末に使い切るってとこから持ってくるっていうのが良いのでは…。

宮野
そう。その通りだ。だから単発にこうポンってやっても、解決しないよね、ってそういう話ね。

川上
まずその、年度末問題っていうのはまたちょっと別の問題だから。置いといた方が良いと思うんですね。もし年度末問題をやるんだったらまたそれはそれで良いんですけれどもね。今、もう年度末に使い切らなきゃいけないなんてことを求めているつもりは全然ないんですよ。それは使い切ってゼロにした方が会計はやりやすいから、現場でそういうことを求める人はいるかもしれませんけれども、そんなことに従う必要はないです。本当に研究の進度に合わせてお金を使ってくれればいいです。それでそれは残してもらえばちゃんと来年度使えるようになっているし、成果が上がれば、科研費の場合は違うかもしれませんけれどもね、私はJSTに3年間いて理事やっていましたんで、JSTのCRESTとかそういうものでいけば、成果があったらちゃんと増やすし、成果が上がらなければ減らすと。いうことをちゃんとやりますから、思い切って使えるものを使うべき時に使っていただければ良いと思います。そういうものだと思っています。

宮野
そんときに、例えばすっごい儲かっている人、儲かっているというか取っている人から分配する時に、それこそ安宅さんのおっしゃる理念がいるんです。どういう研究がいいの、っていう話です。それはやっぱり僕らどうなりたいの、っていうのが定まっていないと、当然評価できませんよね。誰が良いとかどうかって。しかも難しいのは研究なんてなかなか評価できないってとこですよ。やっぱし。よし。静かになったからいったんここで、休憩します?(休憩はもう良いような気がします)あ、やっぱり。海外、日本人の話を、っていうことなんですけれども。海外日本人ってなんだ。海外で研究している日本人の研究者の話。人材育成っていうのは教育って意味なのかなあ、それとも研究者のっていみなのかなあ。人材育成って。多少ぶつっと切られた感がありますけどどうしよう。

宮野
はい、じゃあちょっとお願いします。

佐々木
ありがとうございます。今ちょうど話題になった、その、留学においての、我々のパフォーマンスを、いかに高めていくのか。ちょっとお時間頂いて、お話しさせていただきたいと思います。我々は、海外日本人研究者ネットワークUJAを立ち上げました。これは、日本、そして全世界の日本人研究者がさらにお互いを高め合う、史上初のネットワーキング、世界を結ぶ、プラットフォームです。私は、アメリカの大学でプロフェッサーシップを取り、自分自身の研究室を主催しています。現在、アメリカのポジション一つに対し、約300名から500名のアプリカント、応募者がいます。ジョブハントは激戦です。私の所属しているボストン「いざよい(の夕べ勉強)会」は100名のコミュニティーですが、数多くのメンバーがアメリカで独立し、活躍しています。このような、アメリカで成功した先輩方と知り合い、その経験談や情報を共有させていただくことにより私の道は大きく開きました。海外では強いネットワークを持つこと自身、それが我々自身の大きな力となります。こうしたネットワークを世界規模で広げ、そして、個々人の留学のパフォーマンスを高め、日本のサイエンスを加速し、日本が世界のサイエンスを牽引していく未来へ貢献したい。そうした思いから海外日本人研究者ネットワークは生まれました。世界各地には日本人研究者が集まるコミュニティーがたくさん存在しています。現在、次々に、コミュニティーの方々が参加していただいています。そして大事なのはこのコミュニティーを結ぶ、というのは、コミュニティー同士ではなくて、我々個々人と世界を結ぶことです。我々、そのために、システム作りに取り組んでいます。UJAには、全世界どこにいても、今この瞬間も参加することができます。ぜひ、我々のホームページを訪ねてみてください。そしてUJAを立ち上げるにあたって、我々はまず、日本人研究者がどれくらいの数海外に出ているのか。そして、どのような思いを持っているのか。知りたいと思いました。そして大規模アンケートを実施しました。多くの意見では、まず留学して、そのあとどうすれば良いかわからない。また、留学にあたって、どのように生活をセットアップして良いのか分からない。電話はどうやって引くんだ?子供の学校はどこが良いのか?家を決めること。まずライフラインから、我々の留学生活の第一日目は始まります。そして多くの方々は、海外日本人とのつながりを求めています。我々はこの問題に取り組み、解決します。そうすることで、まず、留学する際の不安と負担を軽減し、より多くの方々がすぐに留学していける。そして、キャリアパスを整備することによって、日本への、優秀な方々がより多くの方が帰り、また世界の舞台へ打って出るようなシステムを作り、この結果、研究留学の最大の効果、そして国内外の研究者の交流を高めたい。そして、日本の国際的なプレゼンスとイニシアチブを強化したいと考えています。以上です。ありがとうございます。

宮野
ありがとうございます。
分かった。インプットとアウトプットの話のところで、Tweetであと拾いたいなと思っていたのは、やっぱりインプットを増やして、cで掲載されるような論文を出すことが価値なのか、企業の競争力を高めるタネを出すのが価値なのか、それをやっぱり決めないと話できないよね、っていうまさにこれ、理念の話ですよね。僕らはどっち行くのか。これ、1パネラーとして言うとするならば、大事なところで、現在の大学論というか傾向でいうと、それこそ文科省の答申であったように個性輝く大学とかいったように、各大学で考えてくださいみたいな方向になっていますよね…、というフリで誰かに頼むという…。

鈴木
各大学っていうか各個人で考えてくださいっていうことでしょう。そんなものを国がね、じゃあ企業でいきますとかね、Nature、Scienceですと、Nature、Scienceにすら載らない学術研究だって大事なものはいっぱいあるわけで、それがまさにポートフォリオなんですよ。その、どっちですか、その理念が決まらなければ次の議論にいけませんといっている限り、この議論は100年経っても200年経っても終わりませんから、次の議論にいきません。それは、両方大事ですよね、っていう議論しかなくて、それぞれの、大事だと思っている人が、社会から、もう同じことしか言わないけれど、どれだけソーシャルリソース、社会の応援を、応援っていうのはいろんな応援がありますよ、っていうことを取ってくるかという話です。だから僕が今日ずっと言いたかったことはね、今の、海外留学生ネットワーク、こういう具体的なプロジェクトをどんどんどんどんやりましょうっていうことなんですよ。うん。その方がよっぽど有益だと。で、もちろんやりながらね、ここが足らない、あそこが足らないっていったら、応援すると。

宮川
こういう具体的プロジェクトが、下からこう上がってくると思うんですね。海外の方から。こういうのが上がってきた時にどこに持って行ったら良いかよく分からないんです。文科省に持って行けば良いのか学会に持って行けば良いのか、大学に持って行けば良いのか、そういうのが全然分からないわけなんですね。で、こちらでご発表して、なんでここでこんな発表が出るんだみたいなことになっちゃうと思うんです。

鈴木
それは簡単です。まずコミュニティーの中でできることは全部やっておられますよね。まず、近いところに聞いてですね、なおできないことはその先なんです。文部省に頼むことは、予算に関わることと法律に関わること、この二つです。政府がやらなければいけないことは。それ以外のことは自分たちでやってください。

川上
全くその通り。どこに持って行ったら良いかって、何が必要なのかって思ったんですよね。今のコミュニティー作ったんだけれども、予算、お金がいるんだと、だったらそれは言ってきてくれれば、

宮川
それは文科省にお願いすれば良いんですか?

川上
だからその、うちなのか、うちでできなければ外務省なのか、それは分かりませんけれどもね。それは考えますよ。ですけど、ほんとおっしゃる通り。お墨付き、例えば文科省のお墨付きがなければ動けないというようなことは全然ないですから、まさにインターネット空間でこういうことを展開しておられるんだとおもうんですよね。

宮川
たぶんこういうのを下からどんどん出していく。この種のことですね。色々。単年度予算のことにせよ、いろいろな今日お示しした意見、色々あるのを、あの種のことをですね、ネットとかで盛り上げて、それを施策みたいなものに結びつけるルートみたいなものが欲しいんですよね、ルート的なものが。どこに持って行けば良いか分からないので、窓口なり、仕組みなり、そういったものがないのかなと。

鈴木
少なくともですね、研究担当理事っていうのは各大学に全ているはずです。その人は、所属している教授の絶対あの…、っていうかだから学部長に聞けば誰がその人であるかっていうことは分かるわけだし、そしてそういう人たちは常日頃毎日のように川上さんのところに行って、あれしろとかこれしろとか言っているわけなんで、このチャネルにつなぐだけの話なんですよ。あるいはね、文部科学省の審議会の委員、見てください。かならずここにいる大学の先生が入っていますから。そこにメール一発してください。

宮川
多分その流れが今の流れだと思うんですね。偉い先生方ですね。大学の学長先生とか学部長先生とか審議会の先生方がいらっしゃって、そういうところを通じて文科省なりどこなりに持って行くっていう、この流れがいいのかという部分があると…。

鈴木
使えるものは全部使うんですよそんなもん。で、ダイレクトに川上さんと名刺交換すれば良いわけだし。

宮川miyakawa
単年度予算のときにどうしたかと、事業仕分けの時に、単年度予算制度が非常にまずくて、非常にお金がむだになっているということを、我々ネット、神経科学者SNSっていうのでネットでそういう意見をまとめて、どこに持って行けば良いんだろうかということで困って、一応日本学術会議と、総合科学技術会議、のほうに提言を出したんですね。両方宛に。日本学術会議の方では、一応その我々の原稿をですね、日本学術会議の当時の会長の先生にご覧頂いて、一応文面とかも直してですね、なんとかしようとしたんだけれどもなんか、結局、取り上げられなかった。総合科学技術会議の方は、それをサポートしてくださる先生がいて、この場にも実はその先生がいらっしゃるんですけれども、その方が、その先生が総合科学技術会議に持って行っていただいて、そこでプレゼンをさせていただいて、それで当時の文部科学大臣の川端さんとか、当時の副大臣のすずかんさんとかに、それでちょっと、ちょっと実現したと。

鈴木
それはね、事実としてあんまり正確じゃない。それももちろん大事なルートだったけど、要するに僕らはメール見ていましたから。私自身も、研究者仲間から、毎日、しょっちゅう。私自身も年度末問題については悩んでいたこともあるし、僕らの友達はそんなこと毎日言っているわけですよ。そんな仰々しいルートでものが動いていると思っていたら大間違いで、あの時ね、なかなか科研費増やすの難しいなと。あの時は運営費交付金のV字回復をやろうとしていたから、それじゃあ予算制度改革療法っていうのを要するにやろうという話を私がしたんですよ。それで、このテーマでなんか面白いことをやっている人知らないかと言ったら、文部科学省の人はみんないっぱい知っていましたよ。こういうサイトがあります、こういうサイトがあります、こういうサイトでこういう議論をしています。その中で最も良い議論をしているのは宮川先生です、とこういうふうになって、だから文科省の役人は全然馬鹿じゃないので、ネットでどういう議論をしているのかなんていうのは全部チェックしています。まあ、全部とはいわないけど、検索エンジンの使い方はみんな知っているので。

斉藤
まさにその情報を鈴木副大臣にご紹介した立場だった者なんですけれども、誰に相談するかというのはとても重要だと思っていまして、さっき宮川さんがおっしゃっていたような、先ほどの取り組みのように、広く視野を持って、それこそビジョンがあって、前に進める素晴らしいものが上がってきて、幅広い視野を持った人にいってうまくいった場合は良いと思うんですけれども、さっきまさにご批判されていた、自分のところに使い切れないほどお金がくるみたいなそういうのもたぶん全く同じルートでつながって、実現しちゃっているというのもそうだと思うんですよね。そうならないようにするためにはもちろん持っていただく方の中身も、ちゃんと俯瞰的に見た、良いビジョンの詰まったものである必要があるし、受け取る側の人も、我々役所の方も、人によって、ポジションによって、いろいろ違いがあるので、そこがうまくつながった時にうまくいくのかなという感じもしています。まさにさっきご紹介いただいた、若手研究者と会っていろいろ進めたいっていう時も、ちょうどそういう問題意識を持った時にご相談できましたし、そういうものを進めて頂ける方が上にいたんでうまく進んだという。ちょうどその時に宮川さんや、宮野さんや、そういう活動されている方とちょうどうまくつながったっていうのもあるのかなと思います。

宮野
それやっぱ一つポイントだと思うんですよ。今、要は、少なくとも既存のシステムでどう変わったかの話ですよね。で、もっと言うと、今そんだけ情報あったのに、なぜ他のことは変わらないのっていう問いも生まれますよね。

原山
今のそのいろんなやり取りっていうのは、現場の方達の思っていること、意見っていうのをどういうふうな形でもって施策決定するところに意見を上げていくかっていう議論だと思うんですが、色んなチャンネルがあるっていうことは事実であって、でも、個別に知っている人を頼っていくチャンネルっていうのは、まあ、正面切っての話じゃなくて、ある種のlobbying的な話。また、その頼られた人は、ある種のパワーゲームの中で優位的なところに立つわけだから、あまり健全、健全じゃあないわけなんですね。そういうルートとかもありながらも、もっとダイレクトに出せる、誰でもが出せる場っていうのが欲しいなあっていうのが、たぶんここでの議論だと思うし、それはできると思うんですよ。そんな難しいことじゃない。もう一つこういう議論するっていうのは私の世代であれば、インターネットがない、通常こんなふうに使っていない時代であれば非常に大事だし、だからそれもフォーマルに作るのと、今本当に、今の議論もそうですけれどもTwitterなりなんでも出すことができるし、さきほど鈴木さんがおっしゃったように、こっちだって見ることもできるわけなんですね。正面切ってじゃないけれども。そういうチャンネルが増えてくると一つプラスな効果だけども、もう一つダイレクトのが欲しいのが一つあると思う。それからさきほどの海外の話、ひとつ戻させていただくんですが、また、スイスのケースで恐縮なんですけれども、スイスも、外からも人来るけれども、スイスからもどんどんどんどん人が出ているんですね。出た時にやはりちょっと不安になるところがやはり日本とスイス人近いところがあって、どうやったら戻れるのか。まあ、Destinationとしてはやはりアメリカなんですけれども、優秀な人がアメリカに行って、残る人もいれば、戻るってことも一つのオプションとして思いたい時に、やはり情報がアメリカに行っちゃうと欠けると。どういうオファーがあるのかなかなか掴めないっていうんで、その研究者達のリクエストをベースにして、スイスの一つの役に立った人なんですけれども非常に方便してあちこち歩き回ってお金を集めて、アメリカのボストンにスイスハウスっていうのを作ったんですよ。それは公的な方がやったんですけれども、インセンティブ取ったんだけれども、fundingはプライベートなところから持ってきたと。それが情報を共有するところ。そこに行けばスイスの国内でのオファーのリストもあるし、紹介もしてくれると。逆にそこの場っていうのはスイスのショーケースみたいな形でもってスイスの研究を省アップするところをボストンの中に作った。それが数年もうたって非常にうまくいっているんですけれども、今の所長の人に話を聞くと、100%自力で回していると。というやり方なんですね。ですからビジネスモデルっていうのはやはりそれぞれ考えなくちゃいけないし、sustainableに持っていくためには、相当知恵を絞らなくちゃいけない、という話です。そしてやり方色々あると思うんですけれども、必ずしも政府がかまないとうまくいかないというロジックじゃないと思います。

鈴木
あのね、lobbyingは不健全だっていう認識は間違えた方が良い、絶対間違えた方が良い。それはね、アメリカだってlobbyingの嵐だし、もっと、日本学術会議が取り上げてくれなかったら、なんでもっとちゃんとlobbyingをやらないんですか、っていうことなんですよ。それからフォーマルってどういう意味で使っているかっていうことなんだけど、僕はフォーマルに作るのはもうenoughだと思います。たとえば、分子生物学会が、自主的に、そういう年次提言をまとめていく、あるいはそれをいろんな物理学会、あるいは数学会、あるいは化学会と組んで、そういうのをどんどんどんどんあげていくというのをフォーマルと言っているのであればそれはそれで賛成なんだけど、それは政策の側からすれば別にフォーマルでなくて学会の自治の話なんですね。それをまたやれって法律で決めるのは僕は絶対反対。それは学会の自治でどんどんやってください。そういうことについて僕は全面的に、一学者の端くれとして、めちゃくちゃ応援します。だけど、元文部科学副大臣としては応援しません。それは、気持ちが悪いから。だけどそういうことをやって、且つね、今度、なんで学術会議が、学術会議は完全にシステムの話ですね。学術会議っていうのは法律上、提言、提案権ていうものを持っていて、そのことは非常に重く受け止められるっていう話があります。それから、もう一つは、分子生物学会がですね、年次の大会で、ある提案をまとめて、その分子生物学会長が斉藤さんなり川上さんにアポイントを取ったら絶対に会えますよ。それは。分子生物学会規模のものになれば。だって現に今日、東京からわざわざ来てるわけだし、言えば良いわけで。僕はなぜそういうこと言っているかっていうと、結局システムを置く畳句を重ねれば重ねるほど、ある目的にとってはそのことは良いことなんだけど、別の目的にとってはそれは足かせになるんです。システムは複雑になればなるほどそのための学習コストと、その運用コストが上がるので、そこはやっぱりシステムっていうのは、ほどほどに整備をとどめておかなければならなくて、むしろそれを運用する人材、あるいはそのネットワーク、ヒューマンネットワークを健全に作る。あるいは健全に育成する。そしてそういう能力のある人を分子生物学会長に選ぶのか、あるいは学術会議の会長に選ぶのか、という、そういう人事の話というのは実は大事だっていうことを申し上げたい。

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