【帰ってきた】ガチ議論
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ガチ議論企画2015、始動!

ツイッターまとめ
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ヘンに厳しい競争、不安定な研究費とポジション、研究への集中を妨げるムダな諸手続き、etc。研究者のみなさん、こういった問題に悩まされたことはないでしょうか?そして、もしあれがこうだったら、これがああだったら、もっと研究に没頭できて面白い成果を挙げることができるに違いないのに、などと思ったことはないでしょうか?学会に来て、旧知の仲間と酒を飲むと、こういった話題になることがきっとあるでしょう。しかし、単なる愚痴で終わらせてしまうなら、ストレス解消にこそなりますが、生産性はありません。ガチ議論企画では、そういった研究者のみなさんの不満や苦悩から生まれる「より良い仕組みの構築」についてのアイデアや提案をこのサイトに掲載し、徹底的に議論します。そして、議論で揉んだ提案を、実際の施策にむすびつけ、より良い研究環境の構築を実現するための活動を行います。

こういった発想とモチベーションのもと、2013年の分子生物学会年会で、第一回のガチ議論企画を開催しました。会場参加者400名とネット中継の視聴者2,800名の前で、サイトに集まった提案について、現役研究者と科学政策にかかわる人々が直接対話を行い、3時間以上にわたって熱い議論が繰り広げられました。
その後、総合科学技術会議有識者会議の意見交換会でのプレゼンをはじめ、サイエンストークスの「勝手に『第5期科学技術基本計画』みんなで作っちゃいました!」企画との連携とその提案書の総合科学技術・イノベーション会議での発表、などの形で、ガチ議論企画での提案を実際に実現する努力をしてきました。

こうした我々の熱意が文科省に届き…と思いたいのですが…、先日、文科省に新たに対話型政策形成室という部門が設置されたようです。これは、双方向のコミュニケーションを通じて文科省が吸い上げた現場(の研究者)の意見を、今後の日本の(科学)政策のデザインに反映していくためのセクションのように思われます。まさに、我々の声を実際の施策に結びつける、そのお膳立てが整ったと言えるかと思います。

そこで、今年もやります、ガチ議論企画!

今年は、前回の経験も踏まえ、1)研究者間で絞り込んだテーマを行政サイドと本番前からじっくり議論し、2) さらに厳選した1、2件の提案について、それを実際に施策化に結びつけることを目指します。これには、この種の活動の継続や普及のための基盤となるような成功例・モデルケースを提示するという意味合いもあります。この第二回の企画は、次のような段取りで進めていこうという話になっています(下図参照; 前回企画と同様に、サイエンストークスにもご協力をいただく予定です)。
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ガチ議論本番にさきがけて、まず「プレ企画」を実施します。この「プレ企画」では、

[i] まず、研究者の皆さんから募ったご意見(トピック)をガチ議論サイト上で議論を行います。

[ii] これをガチ議論委員が取りまとめ、前述の文科省・対話型政策形成室を窓口として科学政策決定に関わる方々と直接議論します。

[iii] そして、この議論内容について、実現へむけてポイントを整理し、ガチ議論サイト上において再度、議論を行います。

以上を1サイクルとし、これを本番までに3、4回(件)程度行う予定です。
12月のガチ議論本番では、プレ企画で検討されたテーマを中心に、現役研究者と科学政策にかかわる人で徹底討論を行います。今回もパワフルなパネリストにご登壇いただく予定です。本番での議論に基づき、施策化を見据えた具体的なアイデアを1、2件、取りまとめ、これについて提案を行っていきます。

ガチ議論企画2015でどんな提案を取り上げていくかは、現時点ではもちろん、まったくの白紙です。ということで、再び、みなさんから広くご意見を募集します!
これまでの提案・議論もご参照いただいた上で、日本の科学研究について、現状への批判だけでなく、望ましい仕組みや理想的なあり方についての前向きで具体的な提案を中心にしたご意見(詳細はご意見募集の要項をご参照ください)と、そのご意見に対する活発な議論をお願いします。

また、私たちと一緒にこの企画を創りあげていく、委員(スタッフ)メンバーを募集します。日本の科学の仕組みをより良いものにしようという意気込みをお持ちの方は奮って下記までご連絡を!
 admin[at]scienceinjapan.org
  *[at]と@と変えてください
  *件名は「ガチ議論スタッフ募集」としてください

ガチ議論2015委員会一同

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“ガチ議論企画2015、始動!” への2件のフィードバック

  1. Shob_ushi より:

    理想の話をします。

    かつて第3代理研所長の大河内さんは研究者に自由な研究環境をもたらし、成果を産業に展開することで、研究資金を稼ぎ、飛躍的に発展させました。おかげで当時の理研は多数の関連会社を抱える巨大財閥となったわけです。当時の理研関連企業はいまでも多数残っており、日本を支えています。

    しかし、戦争に突入した日本を科学技術の面から支えることにもつながってしまいました。このために敗戦後、財閥解体の憂き目にあい、他の財閥はうまくかいくぐったものの、理研は再生不能となったわけです。

    今の日本の科学に必要なのは、かつての大河内体制の理研ではないでしょうか。だれがその役割をはたせるのかという、高い高い高い壁がありますが。

    参考URLをおいておきますね。
    http://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/rireki/rikagakukenkyusyoco.html

    「かつて、少資源国日本を憂い、科学立国をめざして、科学者が、自らの手で作りあげた研究所が、あった」。財団法人「理化学研究所」(大正6年設立)

    理事1「つまりは、予算を縮小して健全財政とするか、それとも基金をさらに食いつぶしても積極的に研究を推進するか…」。長岡「金がなくなったら、自分は紙と鉛筆だけでも研究は続ける」。池田「物理の人はそれでいいかもしれんが、化学から実験をとったら何も残らん。それに所員に払う給料はどうするつもりだ」。鈴木。理事2「財界があまりに冷たすぎるんだ。日露戦争で日本が勝てたのも下瀬火薬の開発があったればこそなのに、今じゃ東郷元帥や乃木大将の武勇伝ばかりがもてはやされている。このままじゃ日本の将来は…」。理事3「ここでそんなことを言っても、しかたあるまい。問題は、この危機をどう乗り切るかだ」。理事1「所長はどうお考えです?」。見る一同。鈴木。大河内「私は長岡さんの意見に賛成です。基金のなくなるまで思いきって積極的にやる。いよいよお手上あげになっても、研究成果さえあがっていれば、政府も放ってはおくまい、そう考えています」。

  2. 下から目線 より:

    豊田長康先生の「運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究」が公表されました。
    http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/ddf55dd79ff9fd70e60f01d36d2495ea
    http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/51a2aacc30e82793bcbd09995863f92f
    http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/09eafadb0f256550f88f739fa65b9b45

    ピケティ張りのマクロ分析により、運営費交付金・研究費のピークアウトが大学の地盤沈下をもたらしたことが明快に示されましたが、あえてポジティブに解釈すれば、大学・研究者の生産性とパイを増やせば失われた日本の国際競争力を取り戻せるいうことです。

    できることなら、ガチ議論に財務省担当官(文部科学係担当官?麻生大臣??)をお招きして(Web会議でも)、文科省担当官や豊田先生とともに「科学技術イノベーション立国」日本の将来を憂う研究者の声を直接届けられないでしょうか。

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