【帰ってきた】ガチ議論
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「文科省お役人からの回答」にネット上でコメントをくださった皆さんへ

ツイッターまとめ
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    文科省お役人からの回答」と「文科省お役人との会合・議事録」に対して、Twitter、はてなブックマーク上などでいろいろと反響をいただきました。批判的なコメントも少なからずいただきました。ご批判は大きく二つの内容についてのものが多いように見受けられました。

    一つは、差し障りのない内容しか引き出せていないのでは、というものでした。コメントは以下の通りです。

    「役所に問い合わせるとどうなるか、聞いてた通りの内容」
    「完膚無きまでに丸め込まれとる(^^;)」
    「どっかで聞いたような答弁にしか見えない」
    「「被弾」という単語が私の頭をよぎった。昨日の復興庁役人のツイートに影響されてんなあ。」

    二つ目は、文科省サイドとの距離・関わり方に問題があるのでは、というニュアンスものでした。そもそも意思疎通が取れていないというご意見をはじめ、近づきすぎてしまっているとするもの、敵対してしまっているというものなどです。以下に実際のコメントの一部を引用します。

    「ピントの外れ具合がなんとも…」
    「ざっと読んだ感想は「ああすれちがい」。」
    「官僚と仲良くなって意見を通そう、というやり方は効率的に見えて、結局は官僚の描いた絵の上でしか動けなくなるという。 」
    「総じて問題の押し付け合いにしか見えないが…」
    「相手を「お役人」と小馬鹿にし、共に問題を解決する同志ではなく、敵として認識するという、研究者の視点が変わらない限り、問題は一切、解決しないだろう。役人側も、自分を嫌ってる者のために働く気になどなれん。」

    これらについて、ガチ議論スタッフ側の考えを述べさせていただきます。

    行われたプレ企画での議論自体は、文字通り忌憚のない本音ベースのものでした(この点については、こちらの議事録のほうをご参照ください)。官僚と研究者の視点や考え方の違いに感心(?!)しつつも、相互理解は深まりました。ガチ議論スタッフ4名は間違いなくそう感じましたし、おそらくほぼすべての参加者の共通認識ではないかと思われます。研究者や官僚その他が協力して今後よい仕組みを作っていきたいというエネルギーにあふれた会でした。もし参加者の中にお知り合いがいたら、このあたり本当かどうか、ぜひ、聞いてみてください。
    しかしながら、公開すると差し支えがありそうなところを公開版から削りましたので、無難な「答弁」のようなものになってしまったのは事実です。核心的な部分についての意見は、概してそういうものになりがちであったので、それらを削ってしまったことによりピントが外れた印象になってしまったということもあるかと思われます。これらの点については、お役所側の方々も実名で発言をされており、失言がもしあればたいへんなことになりかねないので、仕方がない部分があります。昨今のネットでの発言の取り上げられ方を見ますと、実名での発言の公開には慎重にならざるを得ない部分があることは、ご理解いただけるのではないでしょうか。

    いただいたコメントを見ながら、先ほどガチ議論スタッフ4名で議論しました。今回の企画を通じて見えてきたことについて、ガチ議論スタッフが皆さまに対して発したいメッセージがいくつかあるので、それをもう少し明確化してお伝えすべきでしょうということになりました。

    メッセージとしては、以下のようなものがあります。

    ・官僚の方々も、日本の科学を良くしたいと真剣に思っているのは間違いなく、そのためにいろいろなアイデアを欲している。文科省、国という「お上」が、はっきりした独自の意思の下に動いていると思ってしまいがちであるが、実際は必ずしもそうではなく、外部からの意見に依存して物事が決まって行くことが多い。匿名でもいいので、こういう場にどんどんアイデアを出していくべきである。彼らはこういうものも一応見ていて何らかの参考にする場合もある。
    ・とは言っても、やはり、個人がアイデアを出すだけでなくそれらをコミュニティで十分揉んで集約し、国に発信していくような仕組みが必要である。国は、そういう集約された意見しか実現しようとしてくれないし、仮に官僚個人が実現したいと思ってくれても、何らかの裏付け(コミュニティとしてまとめられたものであるという裏付けとか、アンケートの数値とか)がないと正式な参考資料として用いたり、それらの意見をもとに何かを進めるのは困難である。
    ・現状では、若手も含めた一般研究者の意見を集約して国に対して発信する仕組みが無い。結果、霞ヶ関に日常的に出入りされている一部の高名な先生方や国会議員さんの思いつきのようなものだけで、十分な議論を踏まえないまま、いろいろなことが進んでしまうのが問題(例えば、ポスドク1万人計画、大型国家プロジェクト、日本版NIH、(今の)ポスドク倍増計画など)。
    ・一般研究者がアイデアや意見を出して、それらを集約していくことができるような仕組みが必要。ネット時代では、バーチャルな仕組みでも十分機能するはずで(例えばこのサイトのようなもの)、そういうものをぜひ作りましょう。
    ・現在の大学の運営や改革は、大学の裁量にまかされている部分が大きい。一方で、大学の運営を担っている層の多くの方々、現状維持で十分満足という環境・待遇をお持ちの方々にとっては、20年、30年先のことまで考えた改革をしようというモチベーションを持つことは容易ではないのではないか。従って、20年、30年後の日本の科学や日本そのもののことを真剣に考えることのできる人々、そのような未来に利害関係を持ちうる人々が中心になって、グランドデザイン、理想像のようなものをゼロベースで考えてみるようなことも重要なのではないか。


    ということで、皆さんからの忌憚のないご意見、アイデアなど今後もぜひよろしくお願いします!


    ガチ議論スタッフ一同

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“「文科省お役人からの回答」にネット上でコメントをくださった皆さんへ” への4件のフィードバック

  1. Miwako Ozaki より:

    細かいことは別として、政界は、イノベーションや科学技術推進を奨励しているわけだから、あとは、官界と学界が、日本の将来や科学技術のために実働すればよいだけのように思う。。。

    個人的には、『現在の大学の運営や改革は、大学の裁量にまかされている部分が大きい』とは思わない。予算を配分する側がやはり強いはず。今の環境下でも学内(教育の質や研究環境)をよくする方法はいくらでもあるが、それを実行しないのは大学側の責任と思う。が、責任を回避しつつ、教員や研究者を利用して、動かしたい方向に誘導しているのが官界ではないだろうか。よって、下記のような意見がでるのだと思う。

    意見から引用:概算要求などを通す時の暗黙の縛り(「そういう方向はちょっと…」的な)、認証評価等の政府の意向を汲んだ(「空気を読んだ」)外圧等々、実際には制約が多過ぎます。

    この雰囲気による制約は、政策(事業)目的とそれを達成するための項目をすべて文書化し、殆どの部分をYesかNo或は、チェックをいれるだけのシステムにのせてしまえば、かなり取り除ける。

  2. ニコ動テープ起こし より:

    ニコ動で、「科学技術イノベーション総合戦略」に関する山本大臣の記者会見がありました。少し長いですが引用します。議論のネタにしていただければ幸いです。

    ーー

    科学技術イノベーション総合戦略、これは安部総理につけていただいたのですが、新次元日本創造への挑戦、これ副題、が、6月7日に閣議決定されました。これは総理からの指示という事なのですが、「研究開発法人の制度の見直しは、研究開発の現場の目線に立って、関係府庁が連携し早急に検討せよ」と、こういう指示を総理から頂きました。

    この科学技術イノベーション総合戦略の哲学は、”INNOVATE OR DIE”と書きましたけれども、これ、やっぱり、科学技術イノベーションなくしては日本は浮上しないと。イノベーションやるか、それとも、このまま衰退してしまうかと。そのぐらい、実は、科学技術イノベーションが重要だという事で、ここからが実行の正念場です。報告書といいますか、総合戦略をまとめるところまでは良いのですけれども、それをどうやって実現するかという事が、最も重要だと考えています。

    研究開発法人改革。今日取り上げる研究開発法人改革の目的はたった一つ。世界最高水準の新たな制度、研究開発法人の制度を作る、これだけだと思います。

    この検討の、研究開発法人制度検討の方向性について申し上げたいのですか、二つあります。一つは、世界で最も「イノベーションに適した国」を実現するために抜本的に機能強化すると。研究開発法人を。もう一つ。研究開発の特性ですね、長期性、不確実性、予見不可性および専門性、こういうものを十分に踏まえて、研究開発の成果を最大化してゆくと。あとで出てきますが、やはり評価の基準、いわゆる業務の効率化だけでなく、研究開発成果を中心に考えるべきだというふうに、やはり思います。

    世界最高水準の研究開発法人をどうやって実現していくのか。五つの観点から考えていきたいと。一つはインフラ、人材、ガバナンス、それから研究開発資金、研究開発期間、こういう事についてですね、いろいろ今の基準を少し見直してですね、こういう観点でしっかりと水準を達成して、この世界最高水準の研究開発法人の実現に結びつけていきたいと思います。

    この目指すべき姿。「新たな研究開発法人制度が目指すべき姿」、五つ挙げたいのですね。一つ目は、これ人材ですよね。頭脳獲得競争に勝ち残るためにトップレベルの研究者等の処遇を大幅に改善すると。今の制度のままだとなかなかトップレベルの人材は集まらない。国際競争力の高い人材の確保ですね。今もう、はっきり言って優秀な人材、世界で取り合いになっています。OISTに優秀な学長、ノーベル賞級の人たちを集める事が出来たのは、やはり待遇面で思い切った事が出来たからですから、まず、人材確保のためには研究者等の処遇改善が必要であると。

    インフラ。世界最高水中の成果を生み出すための研究設備の迅速な整備。これもちょっと、私、沖縄担当大臣だったので挙げさせていただきますが、最新の設備が入っているという事はやはり非常に大事だと思います。これ、ポイントなのですけれども、国際的な競争環境にある研究の実態に合わせた柔軟な調達。一般競争入札、この原則は大事なのですが、機器によってはですね、本当に世界最先端の機器はですね、やはり作っているところ、少ないですから、こういうところを、きちっと柔軟に対応できるような制度にしてほしいと思います。

    三つ目ですね。研究開発資金。情勢の変化に応じた機動的な研究開発の推進になります。今の制度だと、イノベーションを促進するための自己収入の扱いがですね、やはり個々の研究開発法人にインセンティブを与えるようになっていないんです。一生懸命頑張って収入を上げてもですね、それで国からのお金が減らされるという事ではインセンティブは与えられないと。やはり、経営努力認定基準の見直しをやってもらいたいと。一応あるんですけれども、実質的には極めて難しいという状況になっています。それから中期目標機関を越える予算の繰越しの柔軟化、これもやはり研究開発という事の性質から考えるとこういう柔軟性というのは必要だと。それから効率化目標の在り方の見直し。先ほど申し上げました、効率化で研究開発法人を見るのではなくて、どうやったら最大の研究成果を出せるかと。こういう視点からしっかり見れるような仕組みにしてほしいと思います。

    研究開発期間。研究開発の長期性を踏まえた目標機関の設定。たとえばビックプロジェクトだったら、大きな機材が入るまでに何年もかかりますから。今の原稿の独法制度では、中期目標は確か3年から5年となっています。大学法人だと確か6年だったと思うのですけれども、ここはやはり長期化をしてもらわなければいけないと思います。

    五つ目ですね。ガバナンス。国際水準を踏まえた、高い専門性に裏付けられた研究成果の適切な評価の実施。さっきの業務の効率化の視点とも関わりますが、やはり評価をちゃんとやってもらいたいと。ノーベル賞級の委員の参画による質の向上を促す評価への転換。外国人が入っていても良いと思うのですね。国際水準を踏まえた評価指針の下での研究開発成果の適切な評価を導入して参りたいと。新しい、例えば外国人が入った評価委員会を作るとか、こういう制度を立ち上げるべきだと思っています。それから国の科学技術戦略に沿った業務運営の確保。主務大臣による国益を最大化するための即応体制の整備。これはやっぱりいろいろなことが起きた時に柔軟に対応できなくてはいけないと。例えば、東日本大震災のような国難に直面した時とか、iPS細胞のような画期的な研究が出てきた時とか、そういう時に主務大臣がかなり即応的に対応すると。たとえば中期目標の中身を変えるとかですね、目的の方が少しチェンジするとか、そういうことが必要だと思います。

    今後の対応ですが、新たな研究開発法人制度が目指すべき姿や具体的な対応方針等について、総合科学技術会議の下で、もう議論をスタートいたしました。その際は、研究開発の現場の目線に立って、文科省を始めとする関係府省と連携し早急に検討をしたいという風に思っています。

    これはいろいろな関係府省と議論していかなければいけないと思います。もちろん、行革本部、行革推進会議、ともやらなければいけないし、おそらく総務省とか財務当局ともしっかり議論していかなくてはいけないと思うのですね。おそらく選挙が終わるとかなり早いペースでこの話が俎上に登ってきて、大きな、特に科学技術分野においては大きな議論の一つになってくるのですね。所定の、自民党内のきちっとした手続き。あるいは政府内のいろいろな手続きを踏まえて、オープンに、徹底的に議論して、いろんな角度から議論して結論を出せば良いと思っています。

    現時点では決まっていません。結論が出たら、やはりそこは政府も一体、党も一体となって、その政策を推し進めていくと。これが自民党であり、安部政権、だという風に思います。

    これについては下村大臣とは完全に連携が出来ていまして、これ、がっちり握手しているのですが、下村文科大臣と山本一太科学技術担当大臣と全く同じ目的の元に、新しい研究開発法人を作るためにスクラムを組んでいきたいと。これが何かというと、これは内閣府の職員。こちらは文部科学省の職員という事で、いろんな方がいるという事で、特に説明する必要もなかったかもしれません。

    科学技術イノベーション総合戦略、新次元日本創造への挑戦、総理に着けていただいた副題。ここに、すっかり書かせていただきました。この、科学技術イノベーションに適した環境創出の中野重点的取り組みですね。大学・研究開発法人をイノベーションハブとして強化する。この主な政策の中にいろいろ書いてありますが、世界最高水準の新たな制度を創設すると、はっきりここに書かせていただきました。閣議決定の文書です。

    日本再興戦略。JAPAN IS BACK。これももちろん閣議決定されている訳ですが、ここに実は2つの事を並べて、、、いや並べてじゃないか、これは成長戦略ですかね、ここにも、世界最高水準の法人運営を可能とする新たな制度を創設すると、この閣議決定文書にも書かせていただいて、具体的な改善事項への対応という事で、法的措置が必要なものと運用によって十分に改善が可能なものを早急に峻別するということも、承らせていただきました。

    次。これが例の骨太の方針というやつでございますが、これが6月14日に閣議決定されました。そのなかの第2章の強い日本、強い経済、豊かで安全・安心な生活の実現という中でですね、研究開発法人については、二つの事を並べて、というか、同じところに書いてあります。一つは、研究開発法人については、関係府省が一体となって、独立行政法人全体の制度見直しを踏まえつつ、研究開発の特性を踏まえた、世界最高水準の法人運営を可能とする新たな制度を創設する。というのが入りました。そこで、同じページかどうか分かりませんが、ここの第2章の6にですね、独法改革については、行政改革推進会議における中間的整理を踏まえ、各法人の共通の規律を前提としつつ、とみたいに、書いてありますね。二つとも、こっち(後者)は行革の観点から書かれたものなのですが、まあ、なんとなくこの、こうこの二つの問題はこれから整理が必要な問題と思っていますが、ここに、共通の、各法人の共通の規律を前提としつつ、と書かれていてもですね、これあくまでも独法改革、いわゆる独法についてであってですね、こちらの総理の指示による「世界最高水準の法人運営を可能とする新たな制度を創設する」というところについては、縛られないと、私はそう思っています。

    次、これはですね、事務方の方からですね、今日の記者会見では使うのはどうかといわれたのですが、事務方のアドバイスを無視して私が使わせていただきますけれども、これは、この文章をですね、健全ないろいろな議論をして、行革本部等々とも詰める中でですね、事務的に確認したものです。これは、この「各法人の共通の規律を前提としつつ」というところが、当然問題になりました。これから議論していく上での一つのベースになりますから。この意味は何かという事を、正式に、内閣府科技部局に問い合わせいたしまして、行革推進本部事務局からこういう回答が帰ってきました。何度も言いますが、総合科学技術会議の事務局の方はですね、これは使わないでくれって言っていましたので、私がそれを無視してこれを使うという事です。

    一つ。本表現は独立行政法人制度における一般論・原則論を述べたものであり、独立行政法人について共通の規律を前提とするのは当然だ。

    二番の方に行きます。研究開発法人も含めた個別法人の在り方については、今後の検討結果によっては、民営化、特殊会社化、国戻し等といった独立行政法人以外の組織になる事も考えられ、こうした取り扱いとなる法人については独立行政法人通則法に基づく共通の規律が課せられる訳ではない。と書いてありまして、と、この文章で、取ってあります。何度も言いますがこれは事務方は今日は出さない方がいいと言ったのですが、私が、それをオーバーライドしてここに出させていただきました。

    なお、ここについてはですね、先ほど申し上げた骨太の方針に二つの事が並べられてありまして、少なくとも「共通の規律を前提としつつ」ということと、「新しい法人を作る」という議論、これは、前者は後者を縛るものではないという事は、甘利大臣にもきちっと発言をしていただけると、言う風に思っていますし、大臣もそういう解釈だとおっしゃっていましたし、先ほど握手をしていた私と下村文部科学大臣も、全く同じ見方をしております。

    次。。。という事で終わったのですが、もう一回言いますが、議論はこれから本格化します。今のところどっちの方向に行くかというのは決まっていません。皆さんご承知の通り二つの考え方があって、一つは通則法の下で制度を作ろうという考え方と、もう一つはやはり今の通則法に縛られない形で新しい研究開発法人を作るべきだと言う、この二つの考え方がありますから、関係部局といろいろな議論をして、結論を出していきたい。今のところ、さっき申し上げた通り二つの文章がありますけれども、新しい、世界最高水準の研究開発法人の設立については特に縛られているものはありませんので、こっからしっかり議論をしていきたいと思います。もう一回言いますが、健全に、オープンに議論をして方向性を出していければ良いと。科学技術担当大臣と、大文科省の下村文科大臣は、全く同じ方向性で、やはり成長戦略の中心に科学技術イノベーションというものを位置づけるのであれば、これはやはり通則法を飛び越えた、通則法に縛られない、やはりこの「スーパー研究開発法人」というもの作るべきだと、これはやはり成長戦略科学技術イノベーションの要だと、ということを立証する事にもなるのではないかと。

    ご質問があればお受けしたいと思います。

    「具体的な検討の場というのは総合科学技術会議の下に何か会議を設けるという事ですか?」

    「いや、あの、総合科学技術会議の下に会議を設けるというか、これからきちんと、今の総合科学技術会議でも議論をしていただかなければいけないと思いますし、下村大臣とは、場合によっては、研究開発法人に関する大臣当時の懇談、この間宇宙と安全保障の懇談を作りましたけれども、ああいうものをちょっと作ってもいいかなという話をしています。まだ、決まっていませんけれども、いろいろな場で議論をしていきたいと思います。総合科学技術会議では、今の枠組みの中でしっかりと議論をしていただきたいと思います。」

    「今XXと本会議の方で議論すると。あと、大臣の懇談会でと。」

    「これまだ決まっていませんけれども。出来れば下村大臣と、ちょっと研究開発法人については、閣僚間の勉強会を作りたいと思います。」

    「それはもうオープンで?」

    「それはオープンというのはちょっとあれですけれども、ちゃんとその時はブリーフィングをしたいと思います。まだ、これは私自身のアイデアで、がっちりスクラムを組んだ下村大臣とはまだ相談していませんから。でも、それくらいやっぱりきちんと我々も議論していかなくてはいけないと思いますし、まあ、これはもちろん与党の中でもいろいろな議論があると思うので、全体としてしっかり方向性を出していくと。先ほど申し上げた通り、総理からの指示ですから。世界最高水準の研究開発法人を作っていくという方針性は閣議決定された指針ですから。それをどういう風に実現していくという事は政府としてもしっかり結論を出していきたいと思います。出していかなければいけないという事です。」

    「独法改革の関係なのですけれども、稲田大臣はそのお、まあいわゆる改善の必要性は認めながらも一定の規律は必要だという事で、あの通則法のもとで、柔軟な運用で対応できるのではないか、とおっしゃっていますが、それに対して考えられることというか、どういう風にお考えかということと、これ、結論としては、行革推進本部と連絡を、、とりまとめというんですか、その、、(聞き取れず)、、結論は出てくる、ということでいいですか。」

    「あの、まず、稲田大臣には稲田大臣の考え方があって、これはやはり行革の立場から言うと、それなりに理由があると思うのですね。稲田大臣は大事な同士だし大変尊敬している仲間の閣僚ですから、稲田大臣の考え方は稲田大臣の考え方で、私と下村大臣の考え方とは違います。ですから、その違う考え方をどうやって調整していくのか、ということをきちんとやっていると。こういうことに尽きますね。それからスケジュール感は分かりません。やはり政治の流れなので。もしかすると選挙の後よりももっと早く結論が出るのかなあと思います。あと、行革推進本部が全て決める訳ではありませんから。行革推進本部って、全閣僚入っているでしょ。しかも。たしか。これはやはり総理の方から、世界最高水準の研究開発法人の創設を目指すという事が出てきたという訳ですから。それはもちろん政府の中できちんと議論していくという事で、行革推進本部の中には、私も、下村大臣も入っていますからね、その中で議論して結論を出していくと、そう思います。」

    「総合戦略が発布されてから今まで現場からの声というのは届いているのでしょうか。現場が、どうしたいか、ということなのですが。」

    「現場がどうしたいか。一応、総合戦略を作っていくという過程で、いろいろ現場の声も参考にして、いろいろなことを練り上げてきたという風に思います。たとえば研究開発法人の問題についてもですね、今始まった事ではなくて、いわゆる現場の、若手の研究者とか、そういう方々からのいろいろな意見も踏まえてですね、こういう方向性を打ち出しているという事だと思います。私自身も車座で京都に行って、やっぱり若手の研究者の方々と、いろいろと話をしてきましたけれども、やっぱりこういう若い人たちに活躍をしてもらう、本当に才能ある人たちに、やる気を持って研究をしてもらうというためにも、今のやはり、やや硬直的と言いますか、その、言葉を選ばなければいけないのですけれども、やはり今の独法の中でやる制度ではですね、なかなかそういう環境は生まれないのではないかと。つまりリーダー。レーダーからリーダーを作るという、野依先生の言葉ではないのですけれども、そういう環境を作るためにも新しい研究開発法人が必要ではないかと思います。」

    「(聞き取れず)」

    「はい。完全に一致しています。通則法のもとで柔軟に対応するというよりは新しい研究開発法人を作ると。これはなぜかといいますと、先ほど申し上げた通り、科学技術戦略は成長戦略の柱に位置づけられる訳ですから、たとえばどれぐらいの法人を出すのかとか、どのくらいの規模でやるとか、具体的なところについてはよくまた詳細を詰めなくてはいけませんし、議論の中でいろいろ出てくると思います。ただ、もう一回言いますが、今の通則法の下で、何となく柔軟な制度にすると。これは稲田大臣の考え方として一つあると思うのですけれども、私と下村大臣は、やはり、科学技術イノベーションの突破口を作るという意味でも、通則法にしばられない研究開発法人を作るべきだと思います。これはもう二人とも完全に一致しています。だから、あの絵を挿入いたしました。」

    「模造品、、、(聞き取れず)」

    「、、、(略)」

    「研究開発法人なのですが、(聞き取れず)、独法から外れると財政規律が緩むと、、、」

    「財政規律の話というのは大事だと思うのですね。やはり効率化だけの観点から研究開発法人は見てほしくないという考え方はある一方で、じゃあ、野放図 にやっていいのか、それはあり得ないですよね。たとえばスーパー研究開発法人、みたいなものを作る時には、効率化を担保する仕組みはもちろん必要だと思います。ただ、効率化の観点だけから、今の評価のやり方でやるということについては、やはりこれは変えていく必要があると、そう思いますから。財政規律の問題を外して、適当に何でもやってくれ、という事ではありません。でもやはり、さっき申し上げた通り、中期目標の話とかですね、あるいは資材の調達の話とか、こういうものをきちっと縛られないでやる事によって、世界最高水準の研究成果を出せるような環境を整えるという事です。」「あの、こっから攻めの記者会見に、十二分に、危険なのですが十二分に気をつけながら、真面目な政策議論を発信していきたいと思うので、またここで議論させていただければと思います。」

  3. twitterから寄せられた意見1 より:

    「メッセージ」の一番最後の部分ですが、各大学の裁量で決まる部分が増えたとはいえ、総予算の減少により「改革」で新機軸を打ち出そうとすれば削られてしまう部分がとても大きいことや、概算要求などを通す時の暗黙の縛り(「そういう方向はちょっと…」的な)、認証評価等の政府の意向を汲んだ(「空気を読んだ」)外圧等々、実際には制約が多過ぎます。全国で教養部が廃止されたのも(教養部自体が抱える問題があったとはいえ)、文科省的には「それぞれの大学がたまたま同時期に自発的におやりになったこと」となっていると聞いていますが実際は様々な誘導があったのではないでしょうか。つきつめれば文科省(や財務省)よりも政治レベルの話になってしまうのだろうとは思いますが、決められた枠組みの中で一所懸命にやる役人の立場と、枠組み自体への疑問を持つ研究者とは立場が異なることは認識すべきだと思いました。

  4. Miwako Ozaki より:

    研究者とは、その道に専念している研究者程、自分の視点からの発言が多くなりがちであり、全体を俯瞰してみることは難しく科学技術分野全体を考えた制度設計をすることは難しいのではと思っています。また、それは現役研究者の仕事でもないのではと思っています(夢を語ったり、一側面からの意見を述べたりすることはよいと思いますが。官学の意見交換ももちろ大切と思います)。

    しかし、各分野の研究者からの情報と意見をもとに、科学技術という全体の仕組みを具現化していくのは(具体的な政策と制度に落し込んで行くのは)、寧ろ官僚の方々のお仕事であり、そこが役人の仕事として最もやりがいのある部分と思っています。それを、高名な研究者が単発的に何か言ったからといって、それが直ぐに制度になり、多額の予算が動くことの方がおかしいと思います。

    直ぐにでも実現しなければならない制度の必要性を裏付ける数字は、文科省政策研究所やJSTが色々調べて沢山お持ちです(何度も何度も同じような調査ばかりするのではなく、問題点を改善するための具体策を考える必要があるのではないでしょうか)。

    役所が最もやらなければならない仕事を放棄しているようにみえます。もし、それが出来ない環境があるならば、そこを改善する必要があるのではないでしょうか。

    私は文科省職員全員の方に下記の質問に回答頂き、その回答をもとに、役所内に科学技術分野全体(大学教育も含め)の改革が実現できる実力をお持ちの先鋭を集めたチームを作ることかと思っています。
    (ちなみに改革は大学でないとできないとお考えの方は、下記の項目のうちのプロジェクトマネージメント、研究評価、公務員の役割のところで回答ができないのではと推測します。制度が比較的短期間で研究、教育分野に影響を及ぼすからこそ、今のような状況になっているのです。)

    質問項目:イノベーションとは何か、リスクマネージメントとは何か、プロジェクトマネージメントとは、研究評価、生命倫理、説明責任、費用対効果、安全と安心とは何か、最後に公務員の役割とは、です。

    実績が上げられたのならば、高給や高待遇をどんどん主張されてもよいと思います。どこの国も本省中枢にできるだけ優秀な人材を集めたいと考える理由は、高官の質が国の将来を左右すると考えるからです。また、それだけの仕事をされたのならば、給与が年間億単位までいってもよいと思います。無駄な予算付けを止めれば、それぐらいの額は捻出可能と思います。

    気概のある幹部の方がいらしたらお会いしたいものです。

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