【帰ってきた】ガチ議論
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「文科省お役人からの回答」にネット上でコメントをくださった皆さんへ

ツイッターまとめ
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    文科省お役人からの回答」と「文科省お役人との会合・議事録」に対して、Twitter、はてなブックマーク上などでいろいろと反響をいただきました。批判的なコメントも少なからずいただきました。ご批判は大きく二つの内容についてのものが多いように見受けられました。

    一つは、差し障りのない内容しか引き出せていないのでは、というものでした。コメントは以下の通りです。

    「役所に問い合わせるとどうなるか、聞いてた通りの内容」
    「完膚無きまでに丸め込まれとる(^^;)」
    「どっかで聞いたような答弁にしか見えない」
    「「被弾」という単語が私の頭をよぎった。昨日の復興庁役人のツイートに影響されてんなあ。」

    二つ目は、文科省サイドとの距離・関わり方に問題があるのでは、というニュアンスものでした。そもそも意思疎通が取れていないというご意見をはじめ、近づきすぎてしまっているとするもの、敵対してしまっているというものなどです。以下に実際のコメントの一部を引用します。

    「ピントの外れ具合がなんとも…」
    「ざっと読んだ感想は「ああすれちがい」。」
    「官僚と仲良くなって意見を通そう、というやり方は効率的に見えて、結局は官僚の描いた絵の上でしか動けなくなるという。 」
    「総じて問題の押し付け合いにしか見えないが…」
    「相手を「お役人」と小馬鹿にし、共に問題を解決する同志ではなく、敵として認識するという、研究者の視点が変わらない限り、問題は一切、解決しないだろう。役人側も、自分を嫌ってる者のために働く気になどなれん。」

    これらについて、ガチ議論スタッフ側の考えを述べさせていただきます。

    行われたプレ企画での議論自体は、文字通り忌憚のない本音ベースのものでした(この点については、こちらの議事録のほうをご参照ください)。官僚と研究者の視点や考え方の違いに感心(?!)しつつも、相互理解は深まりました。ガチ議論スタッフ4名は間違いなくそう感じましたし、おそらくほぼすべての参加者の共通認識ではないかと思われます。研究者や官僚その他が協力して今後よい仕組みを作っていきたいというエネルギーにあふれた会でした。もし参加者の中にお知り合いがいたら、このあたり本当かどうか、ぜひ、聞いてみてください。
    しかしながら、公開すると差し支えがありそうなところを公開版から削りましたので、無難な「答弁」のようなものになってしまったのは事実です。核心的な部分についての意見は、概してそういうものになりがちであったので、それらを削ってしまったことによりピントが外れた印象になってしまったということもあるかと思われます。これらの点については、お役所側の方々も実名で発言をされており、失言がもしあればたいへんなことになりかねないので、仕方がない部分があります。昨今のネットでの発言の取り上げられ方を見ますと、実名での発言の公開には慎重にならざるを得ない部分があることは、ご理解いただけるのではないでしょうか。

    いただいたコメントを見ながら、先ほどガチ議論スタッフ4名で議論しました。今回の企画を通じて見えてきたことについて、ガチ議論スタッフが皆さまに対して発したいメッセージがいくつかあるので、それをもう少し明確化してお伝えすべきでしょうということになりました。

    メッセージとしては、以下のようなものがあります。

    ・官僚の方々も、日本の科学を良くしたいと真剣に思っているのは間違いなく、そのためにいろいろなアイデアを欲している。文科省、国という「お上」が、はっきりした独自の意思の下に動いていると思ってしまいがちであるが、実際は必ずしもそうではなく、外部からの意見に依存して物事が決まって行くことが多い。匿名でもいいので、こういう場にどんどんアイデアを出していくべきである。彼らはこういうものも一応見ていて何らかの参考にする場合もある。
    ・とは言っても、やはり、個人がアイデアを出すだけでなくそれらをコミュニティで十分揉んで集約し、国に発信していくような仕組みが必要である。国は、そういう集約された意見しか実現しようとしてくれないし、仮に官僚個人が実現したいと思ってくれても、何らかの裏付け(コミュニティとしてまとめられたものであるという裏付けとか、アンケートの数値とか)がないと正式な参考資料として用いたり、それらの意見をもとに何かを進めるのは困難である。
    ・現状では、若手も含めた一般研究者の意見を集約して国に対して発信する仕組みが無い。結果、霞ヶ関に日常的に出入りされている一部の高名な先生方や国会議員さんの思いつきのようなものだけで、十分な議論を踏まえないまま、いろいろなことが進んでしまうのが問題(例えば、ポスドク1万人計画、大型国家プロジェクト、日本版NIH、(今の)ポスドク倍増計画など)。
    ・一般研究者がアイデアや意見を出して、それらを集約していくことができるような仕組みが必要。ネット時代では、バーチャルな仕組みでも十分機能するはずで(例えばこのサイトのようなもの)、そういうものをぜひ作りましょう。
    ・現在の大学の運営や改革は、大学の裁量にまかされている部分が大きい。一方で、大学の運営を担っている層の多くの方々、現状維持で十分満足という環境・待遇をお持ちの方々にとっては、20年、30年先のことまで考えた改革をしようというモチベーションを持つことは容易ではないのではないか。従って、20年、30年後の日本の科学や日本そのもののことを真剣に考えることのできる人々、そのような未来に利害関係を持ちうる人々が中心になって、グランドデザイン、理想像のようなものをゼロベースで考えてみるようなことも重要なのではないか。


    ということで、皆さんからの忌憚のないご意見、アイデアなど今後もぜひよろしくお願いします!


    ガチ議論スタッフ一同

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