【帰ってきた】ガチ議論
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その他の問題 -文科省お役人への質問のまとめIII-

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    今回、『ガチ議論企画その1:「文科省お役人への質問大募集」』にはご質問が沢山寄せられましたが、その内容は多義にわたりました。日本の科学は国際的に不平等な状況におかれているのではないか?研究リソースを効率的に活用するための拠点整備が必要ではないか?日本の研究者は雑用が多すぎるのではないか?などです。これらはそれぞれ大きく重要な問題ですが、こちらではスペースの都合上「その他の質問」として、ひとつの記事上でまとめさせていただきました。会合では、これらの問題についても戦略室の官僚の方と議論を行う予定です。頂いた回答については後日、独立した記事としてアップいたします。これと平行して、こちらでは頂いたご質問(下記参照)について皆様からのご意見を募集します。質問にはそれぞれ番号をつけておりますので、コメントを投稿いただく際には「II-3」など、質問の番号をお示しいただきますようお願いいたします。

    以下に皆様からの質問を紹介します。

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    III-1 日本の科学がおかれている国際的に不平等な状況
    ある米国の有名PI(バイオ系)が言っていたことです。「日本から留学してきたポスドク(特に女性)にはCNSクラスの仕事を任せる。CNSに論文が載ればそのポスドクは帰国してアカポス取れる可能性が高まる。日本のポストでも引き続き留学中のテーマを持ち帰らせて実験させる。日本ではCNS持ちに研究費をたくさん出してくれるから、日本の研究費にフリーライドして研究成果を出せる。もちろんコレスポは渡さない。」本当にそういう事例があるか不明で、この米国PIの「個人的戦略」かもしれませんが、気になったのであえてここで紹介しました。MEXTとしての見解をお願いしたいです。(ATSUSHI TOYODA さん)
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    これはある頻度であると思います。特にCNSに関しては。日本女性研究者は便利な存在と思われていることも。仮にコレスポを渡したとしても。女性というより日本人がこの戦略対象として使えると思われているように思います。いつも失礼な話と思いながら聞いていますが。(Miwako Ozaki さん)
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    こちらの見解は重要です。日本に有力学術誌がなく、実質カネと情報を吸い取られている状況になっている点もあわせてみると、科学の植民地化が進んでいるとみるべきではないでしょうか。ぜひ政府で議論してください。(Akiyama さん)
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    III-2 研究リソースの効率化
    次世代シーケンサーなどの「ハイスループット」機器は現在、初期投資と維持のコストの構造はひとつの研究室のような小集団で賄えません。少数台導入しても技術の進展が早くすぐに時代遅れになります。中国はBGI、米国はBroadと集約型の巨大研究所を立ちあげて牽引しています。全日本のハイスループット機器需要を一挙に引受ける「一個」の集約拠点を作り、十年のような長いスパンで人と機器を運営していくべきではないでしょうか?(Takashi Hamaji さん)
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    III-3 研究者の雑用問題
    日本の研究者は無駄な雑務や会議に追われています。ゴミ箱一つの設置場所すら教授が会議で議論するという話を聞きます。研究者が関わる事務書類や委員会をまずは半分を目標に減らすよう各大学および日本学術振興会に通達を出して頂けませんでしょうか。(Tak さん)
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    III-4 古い縦割りの分野をどうするか
    大学教員の公募をみてみると、非常に限定されたまた既存の分野に対する公募が多いです。新しい分野に対する間口が狭すぎないでしょうか? でも、これは大学の問題で、文科省の問題ではない?(YK さん)
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    III-5 大学の教養課程の必要性
    大学の教養教育をなくし、卒業研究の開始時期を1年前倒しすべき。3年春から卒業研究を始められれば、企業も、教員も、学生自身も3年冬には卒業研究の進捗状況から学生の能力・適性を客観的に判断して進路を検討できる。学生の卒業研究に対する熱意も高まる。何より、技術立国の礎となる大学生の専門能力を確実に今以上に高めることができる。大学からは変えられません。文科省の強いリーダーシップに期待しています。(kaz さん)
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    III-6 科研費の応募資格
    科研費の応募資格のことなのですが、任期付の場合、任期が応募を予定している研究期間に満たない場合は応募できないのですが、これってなんとかなりませんか? 例えば、科研費を獲得できた場合には任期を延長できるように人件費も支給することはできないものでしょうか。(Shigeru さん)
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    III-7 文部科学省の意図と、受け取る側のずれ
    文部科学省で議されている政策が、JSTや大学に落ちると、ネジ曲がってしまうのはなぜでしょう?(橋本 昌隆 さん)
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    III-8 研究に関わる研究者以外の人材の育成や雇用について
    コメントにも多々あるように研究に伴う事務作業を研究者は無駄、雑用と切り捨てますが、本来公的予算の執行や資材の管理はプロフェッショナルが行うべき重要業務です。そういった分野のプロを育ててこなかったのは大学や大学院の責任でもあり、他人事ではないと思います。このような研究に関わる研究者以外の育成や雇用についてどのような展望があるのか、大学院政策の観点から伺いたいと思います。(Kouno さん)
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    III-9 研究への寄付
    海外と日本で大きく違うのはドネーションベースの研究費の額です。アメリカにはHoward Hughes Medical Insitituteを始め、大きいものから小さいものまで多種多様な私的グラントが存在します。これは一般の国民が研究をサポートする事で社会に貢献するという、成熟した国の一つのかたちだと思います。日本でもこれをもっと導入すれば、研究費のほとんどが国家予算という現状を改善でき、研究費の使いやすさが格段に向上することでしょう。文科省は財務省と協力して、(小額であっても)研究費への寄付には大幅な税制控除を与えるような法整備を検討できませんでしょうか?(TK さん)
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    III-10 公正な科学技術のあり方
    論文の不正事件が起こった時は大学や研究者の自浄作用に任せるのが文科省の方針のようですが、大学を解雇されて研究者コミュニティーから追放された人物が実在しない組織名を使って、不正が疑われる論文を発表していた場合はどの組織が対応すべきなのでしょうか?
    もしこの論文の内容が事実ならば、遺伝子組み換え人間を誕生させた組織が千葉県内に存在していることになります。
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23605829(reprogramming さん)
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    *なお、このテーマでは、これまでにトピックとして、『監査局や研究公正局の設立の必要性』というご意見もいただいております。今後また「捏造特集」の際にさらに議論を行う予定です。
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    III-11 もんじゅプロジェクトについて
    もんじゅプロジェクトは文科省が行っているということですが、もんじゅにはこれまで2兆円が投じられ、現在も維持のみに「一日当たり」5500万円相当のコストがかかっていると聞きます。高速増殖炉は米、英、仏、独いずれも撤退する中、一度たりとも成功せず不祥事だらけのもんじゅに巨額を投じ続けるのはまさに無駄ではないですか。このお金を多様な研究や学生に投じれば多くの問題が改善するでしょう。もんじゅの無駄についてご意見をうかがいたいと思います。(Yoshimura さん)
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