【帰ってきた】ガチ議論
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未来の科学のルールを決めるのは若手研究者だ!「第5期科学技術基本計画」にコメントしよう

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今年12月に完成が予定されている、2016年から2020年までの日本の科学技術の方針を定める政府の「第5期科学技術基本計画」。5月にその完成に向けた中間とりまとめが総合科学技術・イノベーション会議から発表されました。そこでは向こう5カ年の三本柱を以下まとめています。

第5期基本計画の3本柱
① 未来の産業創造・社会変革に向けた取組
② 経済・社会的な課題への対応
③ 基盤的な力の育成・強化

特に①については、若手の意見をもっと取り入れるとのこんな記述も。

「我が国が時代を先取りし、果敢に挑戦することを可能にするため、未来の社会に向けた取組のアイディアを、様々なステークホルダー、特に次世代をリードしていく若手が提案し挑戦できるよう支援を行(う)」

また、
 「… 流動性と若手が自立して研究活動に専念できる安定性とを両立できる研究者雇用システム(卓越研究員制度)を構築するなどにより、アカデミアにおけるキャリア・パースペクティブを明確化する。…」
というようなの記述もあって、これはガチ議論からの こんな意見 も参考に設計されているようなのですが、これ、「卓越」した研究員だけでいいんですかね?

「…安定的に研究の多様性を支える基盤的経費と優れた研究や特定の目的に資する研究を推進する公募型資金によるデュアルサポートシステムが機能不全に陥っている…」
とありますが、では、具体的にどうすれば機能回復できるでしょうか?

引用:第5期科学技術基本計画 中間とりまとめより

2020年を見据えた科学技術基本計画、そもそもお年を召した大御所の方々だけの、ひょっとしたら時代遅れの発想によって「未来」の計画を決められちゃったら困ったことになりそうです。まさに基本計画を作成中の内閣府 総合科学技術・イノベーション会議(以下CSTI)の原山優子議員も、「今の時代、5年ってスパンはかなり長い。大変革のこの時代に5年後の世界を見据えた取組は若い人たちに主役になって考えてもらいたい」と語っています。

今、ここで意見をいっておかないと、後戻りはできません(たぶん)。

…というわけで、ガチ議論とたびたび連携しているサイエンストークスが9月7日(月)に東京・上野で原山優子議員をゲストに招き、第5期科学技術基本計画の中間とりまとめに、普段はCSTIが直接声を聞くことのできない若手研究者の方々から、政府の方針にフィードバックし、未来の取組について一緒に考えるトーク&ディスカッションイベントを開催します。なんのしがらみもないカジュアルなイベントですので、若手の立場からコメントしたい、政府と直接意見交換したい!という方、ぜひご参加下さい。
また、どうしても参加できない、という方は、こちらでもいいので意見を書き込んでおいてください。

詳細と参加申し込みはこちらから

<日時・会場>
日時: 2015年9月7日(月)19:00〜21:00 (開場・受付開始 16:30〜)
会場: 東京上野 「いいオフィス」イベントスペース
    〒110-0015 東京都台東区東上野2-18-7 共同ビル 3F
    TEL 03-5812-4433
アクセス: 上野駅の地下3番出口を出て真っすぐ、
    昭和通り沿いの宝くじ売り場があるビルの3階です。[地図はこちらから]
参加費: 無料

<ゲストについて>
原山優子(はらやまゆうこ)議員
内閣府、総合科学技術・イノベーション会議

原山優子議員のガチ議論インタビュー

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“未来の科学のルールを決めるのは若手研究者だ!「第5期科学技術基本計画」にコメントしよう” への5件のフィードバック

  1. 田中智之 より:

    ご覧になった方も多いと思いますが、Natureのポスドク問題の記事と、その紹介記事(こちらは日本語)のリンクです。ではどうすれば改善することができるかについてもいくつか提言が行われており、ここでの議論とオーバーラップするところも大きいです。

    http://www.nature.com/news/harsh-reality-1.16465
    http://www.editage.jp/insights/challenges-faced-by-postdoctoral-researchers-in-the-us-and-the-uk

    上記のNature記事で引用されている米国のシンポジウムをきっかけとした論説です。日本とは異なる事情もありますが、共通点は多いです。参加者がこれを熟読してから議論を始めると有意義かも知れません。

    http://f1000research.com/articles/3-291/v2

  2. tsuyomiyakawa より:

    「若手って誰を指すのか」については、頭が柔軟で若い人、若々しいアイデアや成果を出す人を指す、と考えるのがいいのではないでしょうか。年齢が低い人でも若年寄りのような固い頭を持った人もいれば、高齢でもおそろしく柔軟な発想を持っている人もいますので。

    僕はいつもわりとあちこちで主張しているのですが、年齢による差別、ageismは好ましくないと思っています。なので、あまり若手若手といいすぎたり、年齢でバッサリ切って優遇しすぎたりするのはいかがなものか、という考え方です。40代、50代のポスドク、あるいはポスト・ポスドク(不安定な身分の特任教員など)が増えてきており、社会問題化しているというのもあります。行き過ぎた(年齢的)若手優遇策はよろしくないように思います。

    ただ、日本の現状では、常勤ポジションを持っている人とそうでない人の格差が激しく、後者に年齢的に若い方々が多く入ってしまっているという問題があり、そこは改善しないとまずいところであることは間違いないとは思います。また、年齢的に若い研究者が政策などには口を出さない、という文化があるのも確かなので、そこはどんどん意見を言うようになるほうがよいように思います。

  3. 近藤滋 より:

    若手かどうかは相対的な問題です。
    年齢で言った方が解りやすいですね。
    イメージ的には、
    若手:大学院生~PD~独立間もないPI
    中堅:独立して3年~10年
    シニア:独立して10年~定年
    老人:定年後

    どの階層にどの様な比率で投資するかを決めるのが、国の戦略になるのだと思います。
    現実の分配割合と、理想的な分配割合は、どんなもんでしょう。
    皆さんのご意見を伺いたいです。

  4. みんな自分を若手と言う業界 より:

    若手って誰を指すのでしょうか。

  5. Transperancy is the key! より:

    弱い方、弱い方へとしわ寄せが来るというのはいつの時代も真実だが、財政の不安定化というのは、現在、無給の博士学生を故意に長期的に研究室に留め置くという形で発現していると考えられる。ある程度の業績を上げてもさらに上を目指せとういう形で、論文の発表させてもらえない。学生は無給なので、財政面の不安定さをヘッジできる。単位認定退学で外に放り出すということは、これまでもよくあったが、最近は論文がなくても博士号を授与するという動きがあり、大学レベルでこうしたう動きが助長されている。企業を目指す学生は論文なしでもいいかもしれないが、アカデミアに残り、まして留学するとなれば論文は必須であり、アカデミアを目指す学生への負担がより増大することが予想される。こうして学生とその将来に対して冷酷で無慈悲であることが、業績をあるために必須のシステムとなっている。こうした環境下でのし上がった人物は、心理学における攻撃者への同一化の原理により、こうした不幸を再生産する。当然、研究に対しても不誠実であり、研究不正と再現性の欠如の温床を作る。こうしたことは引いては産業応用の段階での「死の谷」問題を悪化させることに繋がる。
    結局、研究室がPIを頂点とする独裁のシステムを取っていることが問題の根幹である。長期的には弱者への視点を持って、情報公開の推進と民主主義の導入によって、血の通ったシステムの構築することが、これらの問題を解決する手段であろうと思う。短期的には、期間内に博士号取得者を生み出す割合を数値化し業績として評価する事により、可視化を行い、論文のIFと同等のインセンティブを与えることができると思う。

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