【帰ってきた】ガチ議論
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20140620b

STAP問題を受けて②:CDB解体を考える

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54

理研の「研究不正再発防止のための改革委員会」(以下、改革委)は「研究不正再発防止のための提言書」をまとめたが、これにより真の研究不正防止が果たされるのであろうか。
本コメントでは、改革委の提言の問題点と、日本の科学界全体への影響を検討したい。
尚、本コメントには充分な裏付け調査がなされていない点が含まれていると思われる。誤りはすべて率直にご指摘いただければと願う。

1.STAP問題発生の直接的原因、個人に帰する問題の解明
改革委は、STAP問題発生の原因分析の問いとして、「問題は、研究不正行為の発生が、誘惑に負けた一人が引き起こした、偶然の不幸な出来事にすぎないのか、それとも、研究不正行為を誘発する、あるいは研究不正行為を抑止できない、組織の構造的な欠陥が背景にあったのか」を設定し、組織の構造的な欠陥が背景にあったと結論づけた。個人の問題か組織の問題かを天秤にかけ、組織の責任が重いとする判断である。
しかしながら、この両者を比較考量するには、今回改革委が分析した組織の問題と同様に、個人の問題についてもさらなる分析が必要と思われる。
改革委は小保方氏の研究データの記録・管理のずさんさとそれを許容したCDB理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター)の問題点を指摘し、実験データの記録・管理を実行する具体的なシステムの構築・普及、CDB解体を含む理研によるガバナンス強化等をもって研究不正の再発を防止することを提言している。これは、STAP問題における個人的要因が、データ管理の問題であり、つまりは小保方氏のデータ取り違えは単純ミスであるとする主張にある程度沿ったものであるとも言える。しかしながら、細胞の由来が違うといった複数の疑義は、生データや実験記録の管理システムの構築やガバナンスの強化で防げる問題なのであろうか。論文のデータ作成・編集が人の手を経て行われる以上、その人がある意図をもってデータを入れ替える、加工する、あるいは細胞そのものを入れ替える可能性はデータ管理システムの構築をもって防げるものとは思えない。
STAP論文に対して、信じられるデータはひとつもないのではないかと言われるまでに至っている。研究データの記録・管理の徹底は疑義が生じた際の検証を容易にさせるであろうし、ねつ造や改ざんへの抑止力とはなり得るであろう。しかし、STAP問題における直接的問題、つまりは小保方氏によって何がなされたのかが明らかにならない限りにおいては、個人の問題と組織の問題を天秤にかけることはできないのではないか。

2.CDB解体への疑問
 CDBの自己点検報告書では、CDBの採用システムによる若手PIの抜擢・育成、を一定評価した上で、ガバナンスや人事制度の改善策等を提案している。一方で、改革委の改革案では、硬直化したガバナンスの問題を理由にCDBそのものを解体し、「理研が最も必要とする分野を構築すべき」としている。その理由のひとつとして、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の設立をあげ、発生・再生科学分野の状況の変化を説明している。極端な見方をすれば、iPS細胞の開発でもって、発生・再生科学分野の終焉を告げているともとれる内容である。
理研の中期目標ではCDBについて「発生生物学は、生命の基本原理を明らかにすることを目的とした基礎科学的側面と、その成果が再生医療等の先進医療の進展や、疾患メカニズムの特定等に直結するという応用的側面を併せ持つ学問分野であり、社会からも大きな期待が寄せられている」とし、CDB HPでも同様のミッションの説明がなされている。
小保方氏のPI登用や、疑義発覚後の対応の遅れ、情報開示の不適切さは、改革委やCDB報告書が指摘したCDBのガバナンスの硬直化、つまりは相互批判による経営判断がなされなかった結果であることを示している。客観的な見解が取り入れられない、あるいは強い主張が押し通されるような歪んだ経営を生んでいる可能性もある。ガバナンスの問題は明らかであり、それはこれまで定期的に経営体制を見直さなかったことに大きな原因がある。提言を受けた組織体制の見直しは不可欠であり、速やかに実行に移されるべきである。
しかしながら、CDBそのものの解体を求めるのであれば、STAP問題とミッションの直接的因果関係が示され、ミッションそのものにSTAP問題を引き起こす原因があり、ミッション設定そのものに誤りがあるとの説明がなされた上でなければならないはずである。しかし、提言書ではSTAP問題とCDBのミッションとの因果関係はもとより、発生・再生科学分野の果たしている役割の検討や、CDBのこれまでの業績の検討はなされず、CDBのミッション再定義を求める合理的な説明は、iPS細胞研究所の設置のみでしか示されていない。このように合理的な説明がなされないまま解体を求めるのであれば、「見せしめ」との批判は免れない。
尚、CDBではここ数年、センター長交代に向けた議論が進められており、具体的な候補について理事会に打診するものの承認されないということが複数回あり、理事長もしくは理事会の依頼によりセンター長留任を竹市氏が引き受けたと聞く。「理研が最も必要とする分野を構築すべきである」とする改革委の提言にこれまでの理事会の意図が反映されているのではないか、これまでのセンター長候補打診を理事会が拒否した理由とともに、気になるところである。また、改革委が理研理事長により設置されたものであることも、忘れてはならない。

3.基礎科学への理解と自由な研究環境の必要性
改革委は、「仮に理研がCDB解体後に、新たに発生・再生科学分野を含む新組織を立ち上げる場合は、(中略)、真に国益に合致する組織とすべきである」とした。この“国益”と表現されるとき、それは直接的な応用に結びつくイノベーション、つまりは産業界に利益をもたらすものであることが政策の立案過程や予算編成でも示されている。
しかしながら、生物学のこれまでの偉大な発見において、研究者の知的好奇心を動機としてなされた研究が、予想外の応用に結びついた例は少なくないのではないか。GFPの研究によりノーベル化学賞を受賞した生物学者である下村氏は、応用には興味がなかったと聞く。現在の政府による公的研究費(競争的資金)はそのほとんどが応用を直接的なテーマとしている。基礎研究が軽視されがちな我が国において、CDBは応用への基礎的な知見を提供することをその任務として認められた貴重な存在であったが、一方で短期的な応用の成果を求められすぎた側面も推測される。運営費交付金は、センター設立時から半減しており、予算面での締め付けは大きい。改革委の提言書にて「STAP研究は、そのインパクトの大きさから、新しいプロジェクト予算、それも巨額な予算の獲得につながる研究と期待された可能性があり、笹井GD自身も当然、そのような期待の下に行動した、と推測される」としたが、例え予算要求担当GDである笹井氏がそのような考えによって行動していたとして、その背景にある、基礎科学の軽視と応用の偏重、応用分野における短期的な成果の過剰な期待という、日本の科学分野をとりまく根源的な問題が笹井氏の行動の背景にあったのではないかと検討されなかったことは残念である。
 生物学の知見の多くは、応用を前提に得られているものではない。自由な発想の下進められた研究に応用への可能性が内在しているのである。生命の基本原理を明らかにするというCDBの基礎科学の側面を軽視して応用を偏重するのであれば、我が国における生命科学研究の根幹にダメージを与える事態になりかねない。

4.細胞の初期化メカニズム、もしくは分化細胞における多能性細胞内包の可能性への期待
改革委の提言書では、「iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したいとの強い動機に導かれて小保方氏を採用した可能性が極めて高い」としたが、この説明は、STAP細胞の報道発表において強調されたiPS細胞との比較と小保方氏採用時におけるCDBの推薦理由を根拠にしているものと思われる。しかし、報道発表資料が笹井氏の独断で作成・配布されたことは確認されており、iPS細胞との比較をCDBが組織的に行った根拠とはならない。小保方氏採用時における推薦理由「iPSの技術が遺伝子導入によるゲノムの改変を伴うことから癌化などのリスクを排除できないことをあげ、ヒトの体細胞を用いて、卵子の提供やゲノムの改変を伴わない新規の手法の開発が急務である」としたものは、iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したいという思惑というよりも、iPS細胞研究があれば多能性細胞の研究は充分とされがちな見方に警鐘を鳴らすものであり、ゲノム改変によらない体細胞の多能性獲得の可能性が否定できない学問の積み重ねを背景にしているものと思われる。
iPS細胞の開発が大きな驚きとともに受け止められたことと同様に、STAP細胞研究も大きな驚きを研究者にもたらした。それは、細胞の初期化メカニズム、もしくは分化細胞と多能性の関係にもまだまだ解明されていないことがあり、STAP現象で説明される事柄があると多くの研究者が思ったからではないか。
STAP細胞がNature誌掲載によって一度はアカデミィアに受け入れられた。これは、細胞の初期化メカニズムはiPS細胞でもってしても未だ解明されてはいないことの裏返しでもあり、発生・再生科学分野において探求されなくてはならない生命の基本原理がまだまだあることを示している。

CDBの解体を求める改革委の提言書は、発生・再生科学分野のみならず、多くの研究者にとって衝撃をもって受け止められたのではないだろうか。
理研は、日本で唯一の自然科学の総合研究所である。科学の研究は、個々の研究者の自由な発想から生み出されるものであり、それなくしては、偉大な研究成果は生まれない。これまで理研は、個人の研究を支えるための各研究センター、各研究センターを支えるための和光本部というボトムアップの組織として研究者を受け入れて来た。トップダウン型の組織への改組や経営層における過度の管理は、個人による自由な研究活動を阻害する組織へと理研を変貌させる危険を孕んでいる。
また、CDB解体は、これまでの基礎科学軽視の傾向を決定的にするものである。度々聞かれるSTAP細胞があったらいいのではないかという見解は、生命科学研究の発展を阻害するものでしかない。STAP問題をCDB解体で終わらせることなく、我が国における生命科学研究の発展という視点にたった真摯な議論を期待したい。

匿名M

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“STAP問題を受けて②:CDB解体を考える” への54件のフィードバック

  1. 匿名T より:

    捏造の科学者 STAP細胞事件 須田 桃子(著)
    を拝読しました。

    あまり報道されていない事実も多くありましたが、山梨大の若山教授が小保方氏に渡した
    マウスに関して、小保方氏から戻ってきた細胞が全て別のマウスの細胞だったという事実
    には衝撃を受けました。
    当時、STAP研究のためのサンプルのやり取り、あるいは実験結果に関する議論は、
    若山教授⇔小保方氏、笹井氏(故人)⇔小保方氏
    と閉じた状態でなされており、他の第3者が関与できる状況になかったと須田氏の著書には書かれています。

    従ってこれは、小保方氏が明確な意図を持って実験結果を操作して、STAP現象があるかのごとく
    周囲の研究者をミスリードしたことを示しているとかなり高い確信を持って言えます。

    従って、本件は組織犯罪ではなく小保方氏が明確な意図のもとで行った研究不正ということではないでしょうか。
    しかし、結果として小保方氏の不正を見抜くどころか、踊らされて優秀な研究者を自殺者にまで
    追い込んでしたった組織ですので、解体はやむなしではないでしょうか。

    須田氏の著書の内容から、小保方氏の論文が世に出てしまったのには様々な不運があるように思いました。
    小保方氏には全く同情はしないのと、分子生物学について素人であることを前提に小職が想像するに、
    氏は細胞が死滅する際に発光する現象をSTAP現象と思いこんだことが不正の根幹にあるような気がしました。
    当の小保方氏はSTAP現象があると未だに思っているのかもしれないですね。

    故笹井氏の小保方氏に対する遺書には「STAP細胞を必ず再現してください」という内容が書かれていたそうですが、
    この一文は小保方氏が二度と分子生物学研究に関わることが無いように(STAP現象は無いので研究を続けても一生何も出てこないので)
    ある意味小保方氏に足かせをはめたということではないでしょうか。邪推かもしれないですがそう感じます。

  2. 匿名A より:

    改革委の提言は優良可不可なら不可です。

  3. 匿名A より:

    STAP細胞問題は組織犯罪では明らかにありません。東大分生研や早稲田大学博士号の問題は明らかに組織犯罪です。解体提言で自殺が起きてしまいましたが、良い提言であれば解体提言は何も問題ありません。東大や早大については解体を今回のことで躊躇して欲しくはありません。

  4. 匿名A より:

    STAP細胞論文のリトラクションの文言は二週間前に修正されましたが、その修正ページのアクセスは未だに二百回程度です。私は何度もアクセスしていますから、見た人はもっと少ないのでしょう。生の情報をろくに見ずに語る人がほとんどだということです。解体提言もじっくり読んだ人などほとんどいないのでしょう。私は三回じっくり読み、論理的飛躍、曖昧な根拠、推測を含む部分をマークしました。

  5. 匿名A より:

    笹井先生の自殺の原因である解体提言を作った改革委を人殺しとは私は思いません。この解体提言がおかしいことは読めば分かるからです。

  6. 匿名A より:

    私は再現の取れない実験に何年も苦しんだ経験があり、その過程で、結局どういう人が事態を救うのかを知り、また、必要な正論は何か、不要な正論は何かを経験として大量に学習しました。CDBの解体提言は、そもそも論理性と根拠に欠けた提言でしたが、明らかに不要な正論サイドのものでした。しかも近視眼的なものでした。解体の言葉に喜んで思考停止して提言を支持した人がたくさんいて残念でした。私が2ちゃんねるを卒業していなかったら、2ちゃんねるには提言批判が溢れていたはずです。少しは流れを変えられたかもしれません。2ちゃんねるを卒業したことを悔いています。

  7. 匿名A より:

    笹井先生の自殺はCDB解体提言が原因とNHKで報道されています。私はもっと遠慮せずに解体提言を批判すべきだったかもしれません。

  8. 匿名A より:

    2011年の大晦日に、総合スレ5の347で分生研を解体した方が良いと書いた私が、理研改革委の解体提言は論理性がないとここで主張しているんですから不思議です。

  9. 匿名A より:

    改革委の提言は無視すべきです。論理性の欠片も感じられない推測だらけの提言を少しでも真に受けるのは日本の科学や行政の汚点になります。
    ただ、それとは別個に、組織再編はやってもいいかもしれません。

  10. Satoshi Tanaka より:

    CDBは素晴らしい研究所という話はよく耳にしますが、科学研究全体を考えた場合、論者の意見はCDB近辺に関心が向きすぎているように思います。いつ役に立つのか分からない研究が基礎研究だと定義すると、基礎研究の間に優先順位を付けることは極めて困難です。下村先生のGFPの話題が取り上げられていますが、当時この研究の価値を予想できた方は少ないでしょうし、現行の日本のシステムであれば、支援者がいない限りは早晩資金的に行き詰まっていたことでしょう。

    テーマに対する価値判断が難しいという基礎研究の特性にあった資金配分は、可能性を増やすと言う意味でのバラマキが適当であり、強くメリハリをつけようとすれば勢い無理な理屈をこねざるを得ません。素粒子物理や宇宙開発ならばいざしらず、生命科学において、巨額の予算をごく一部の基礎研究に付けるという発想自体、再考が必要だと思います。もちろん、何か社会的に有用な芽が見えてきたときに大きな支援をすることは良いことだとは思いますが、STAP論文のような初期の段階で巨額の予算が約束されるのはどう考えても不健全です。

    CDBは輝かしい研究業績があったことは事実でしょうが、当該領域に集中した極めて大きな資金投下を正当化するところまでは、なかなか難しいのではないかと推察します。もしも正当化するために事件が起こったのであれば、それは本末転倒で残念なことです。

  11. 匿名A より:

    いろいろありすぎて、一ヶ月前のあの時点での改革委提言の価値はもはや賞味期限切れかもしれません。実質的には実害も少ない空虚な一つの空騒ぎなんですが、マスコミ的には連日の大事件です。

    私はまだ騒ぎの元となった二つのNature論文を一行も読んでいません。図は眺めましたが。真剣に読んだら新しい不備を発見してしまいそうで怖くて読めませんでした。リトラクトされたので安心して読めそうです。不備を見付けても報告義務を感じる必要がありませんからね。

  12. 匿名A より:

    検証実験をやるのは科学の作法に反しているという意見は100%間違っていると思います。論文はリトラクトされましたから、今やっていることを科学の枠組みで捉えること自体が既におかしいです。論文雑誌を介さないホームページや記者会見での情報発信など暇人が付き合うべきものです。そんなものに真面目に反論すること自体が科学的におかしいです。もう科学の世界にSTAPはありませんから、未来に向けて自由にやらせてあげましょう。税金の無駄遣いですが、国民の大半が支持するならやってもいいでしょう。

  13. 匿名A より:

    理研が検証実験をやらざる得ない理由は、たぶん有力政治家や文科省の圧力があるからでしょう。少なくとも、先日の記者会見を聞く限り理研が心から検証実験したいと考えているとは思えません。分生の理事が理研に検証実験するなと言うのは、上司の命令に従っているだけの部下をいじめているだけのようにも感じます。いじめは良くありません。文科大臣は検証実験に意義があると発言しているわけですから、分子生物学会は文科大臣に対して声明を出す方が適切かもしれません。

    世の中に存在するほとんどの捏造論文にはコピペは含まれていないでしょうから、実験検証のシステムは今後当然導入すべきです。今回は明らかに実験検証が不要ですが、こうなった以上はそこには目をつぶり、実験検証をさせるとどういうことが起こるかを学習する機会にしてはどうでしょうか。ここまでしぶとい方はなかなかいませんから、良い勉強になるはずです。

    私は再現が本当にあれば不正論文は許してよいと100%思っています。そんなことが出来る神のような人材が本当にいるのであれば、スポイルする必要は全くありません。無処分や無修正という訳にはいきませんが、懲戒解雇や永久追放の必要はないと思います。税金を使っている以上、十分な内容が伴うなら形式には可能な限り目をつぶるべきです。

    文科省がパブコメを始めていますが、もう各大学任せにせず、研究公正局のようなものを作った方が良いと思います。大量の内部告発や裁判に対応する能力がある大学はそんなにないと思います。専門家を作り、淡々と処理することを始めるべきです。東大からして既にフリーズしている現状は踏まえるべきです。

  14. 匿名L より:

    近藤滋先生のTwitterによると、今後は有志理事のコメントが掲載されるらしいです。
    https://twitter.com/turingpattern/status/484967800151109632

    個人的には、阿形清和理事のコメントが気になります。有志に入っておられるでしょうか。

    CDBのGDをお辞めになられた時には、業界では大きなニュースとして広まっていったと記憶しております。
    ぜひ御見解を伺いたいです。

  15. 匿名A より:

    私は論理的根拠がなく情緒的だと言っているのです。情緒的だから論理的根拠がないとは言っていません。並列と論理的帰結を混ぜてはなりません。匿名Lさんの読解における論理性はだいぶ怪しいです。ただ、私の文章など真面目に読む方が間違いかもしれません。

    CDBに何人か知り合いはいて、前から不満を聞くことはありました。今回に関しては、疲れた、もう騒ぎ止めてくれという声しか聞こえてきません。改革委の文章は、解体が何を意味するものかなどについて曖昧ですから、リアリティーを感じるというのは、曖昧なものにリアリティーを感じるということになりますが、、、。しかし、竹市先生にしか直接ヒアリングせずにリアリティーがある提言が作れたのだとしたら神様ですね。

    話は変わりますが、分子生物学会から今日でた声明は私はピンときません。最初の不正認定はそもそも無理がありますので、不正認定されたから検証実験するなというのは少なくとも今回は言ってはいけないと思います。不正認定なるものがどれだけいい加減なものかは、昨今の大学の対応やNature誌の多数のメガコレクションを見れば自明です。
    ただ、実験の前にトリソミーやGFP挿入部位や塩基多型についてどう考えるかの説明は必要でしょうけど。それらの革命的遺伝現象も再現できると考えるべきか否かをまず表明して欲しいです。STAP細胞が真実なら遠藤先生はノーベル賞間違いない発見をされています。酸浴でトリソミーになったり、塩基多型が大規模に何かに類似するというのは本当なら凄いことです。STAP細胞を信じる人は遠藤先生の話を聞いて間違いなく興奮しているはずです。小保方さんは興奮しているのでしょうか。

  16. 匿名L より:

    今回の事でガバナンスが壊れたわけではなくて、壊れてたと匿名Aさんが初めて認識できたというだけの話です。
    CDB内に知己を持つ研究者であれば、改革委のコメントにどれだけリアリティがあるのかくらい分かるのですよ。

    インプレッシブな文章であれば論理的根拠を欠くという貴方の理屈はおかしい。

  17. 匿名A より:

    インターネットでは高橋先生を非難している人たくさんいますよ。私も100%適切とまでは思えません。民間企業の感覚ではトップが動いている状況なのに次から次へといろんな人がメディアに出ることはあり得ないはずです。

    私が考えを変えたのは、CDBは既に壊れたなと高橋先生の一連のコメントで判断したからです。ガバナンスは明確に壊れました。既に壊れた以上、看板だけでも変えた方がいい。

    改革委の文書は今でも論理的根拠に著しく欠ける情緒的な文書だと思ってます。

    話が変わりますが、検証実験はやる意味が無くなったと今騒ぎ出す人は、捏造問題における検証実験を甘く考え過ぎです。STAP現象が染色体数やGFP挿入部位や塩基多型を変えるという解釈ぐらい悪魔の立場に立てば十分可能です。ちなみに、私はかつて前任者のデータ検証を二年やらされましたが、不備を大量に突き止めて、前任者が捏造だと一旦自白してもからもさらに半年間以上その検証実験はやらされました。「捏造だという自白が真実だとは限らないし、そもそも人間の自白の有無は科学的真実に何の影響も与えない。自白を気にするなら、それはお前が科学に誠実でない証拠だ。自白など気にせず検証実験を続けなさい。お前はそのテーマに興味を持っていたはずだ。」こんな感じのことを当時のボスには密室で言われました。

  18. 匿名L より:

    誰が高橋先生を非難しているんですか?そんな人見たことないですが。

    「理研の倫理観にもう耐えられない」という言葉、匿名Aさんのような一般の方にも影響力を与える重い言葉ですね。

    http://mainichi.jp/feature/news/20140704mog00m040001000c.html

    上記の一問一答に私は100%アグリーです。CDB内部の「エース研究者」と呼ばれる方からこのような発信がなされるのは、とても意味のあることだと思います。

  19. 匿名A より:

    出勤報道や高橋先生の発言を見て、CDBは可能な限り早急に解体した方がいいかもしれないと思い始めました。このままではCDBの若手は仕事にならないでしょう。前言撤回してすみません。基礎の発生学部門と再生医療部門を別々の組織に分けてはどうかと思います。

    高橋先生を一方的に非難するのはおかしいと思います。組織解体を提言した人たちも、患者さんへ不安を与えた責は負うべきです。

  20. 匿名A より:

    若山さんに撤回を促した人が二人いたという過去の報道を調べました。その二人は、理研とは書いてありましたがCDBとは書いてありません。当時、それはCDBのGDあたりだという情報を見たような記憶があるのですが、私の記憶違いか、ガセネタを信じたのでしょうか。まだ調査は続けますが、間違いでしたらすみません。

    ただ、私はCDBに事後対応の責任があるとはやはり感じません。明らかに理研本体です。理研本体が、わずかな経験に基づいて、全貌解明より裁判戦略を優先し、自白がとれたFig.1iで押し切ろうとした成れの果てが現状に感じます。

  21. 匿名A より:

    小保方さんは正真正銘のリーダーです。PIです。トカゲのシッポにたとえるのは全国のPIに失礼です。
    私は事後処理については文科省や理研本体の責任がCDBに押し付けられていると思っています。CDB解体には反対ですが、理研解体なら私は賛成です。研究内容も人事制度もバラバラな組織の集まりになってますし、解体しても何もマイナス要素はなさそうです。

  22. 匿名A より:

    CDBの人が撤回を若山さんに促したのはマスコミに出ていた有名な話だと思いますが。私の記憶違いでしょうか。記憶違いなら謝らなくてはなりません。また、上層部の定義が私と匿名Sさんで違うような気がします。私としては小保方さんもCDBの中では十分上層部です。小保方さんはリーダーです。小保方さんには研究者としてだけでなく管理職としての責任もあることを忘れてはなりません。欠勤を当たり前のように許してよいのでしょうか。火元責任者とかにはなっていませんかね。研究者の楽園の理研ならそれはないですかね。

    自分の実験の再現検証をやられたら困る人というのは、どこにでもたくさんいますが。私は恐ろしいほどSTAPとは関係ありません。

  23. 匿名S より:

    もう1つ、自分の実験を再現されたら困る人って、誰ですか?
    小保方氏がSTAP細胞を作れたら困る人ってことですね。
    ようやく匿名Aさんの立場がわかりました。
    今後は私も沈黙いたします。

  24. 匿名S より:

    「私の所属機関では」
    匿名AさんはCDB以外の理研の方ですか?
    「若山さんに撤回を促したのはCDB上層部です」
    それは新事実ですね。詳しく話してください。
    私の聞いたところでは、若山氏は山梨大学に進退伺いを出した上で撤回を共著者に呼びかけたそうですが、筆頭著者でもないのに、CDB上層部が促したので進退伺いまで出して孤軍奮闘で撤回を呼びかける羽目になったとしたら、あまりにもひどい。おまけに小保方氏も笹井氏も若山さんを悪者扱いにするようなことを記者会見で言うし。CDBが促したのなら、あまりにもCDBが無責任だ。

  25. 匿名A より:

    発表された小保方氏の検証実験参加許可と懲戒手続き一時停止に落胆している人が多いようですが、これまでの悲しい経緯から最も予測された通りの展開であり、なぜ落胆するのか理解に苦しみます。これ以外を予想していたとしたらバカです。自分の実験を再現されたら困る人がパフォーマンスとして落胆しているのでしょうか。

    パソコンをまとめ買いしなかったことを報道で叩かれてますが、あれは叩く方が間違いです。まとめ買いへの努力をしていることを示すための購入計画書を研究者が毎月書く方がはるかにムダです。このレベルのまとめ買いではそんなに安くなりませんよ。

  26. 匿名A より:

    これをトカゲのシッポ切りだと思う人は本当のトカゲのシッポ切りを知らない人です。
    結論は揺らぎないってコメント、理研本体のものではなかったですか? 理事が3月14日の記者会見で理事長に伺いを立てた上で否定していたように記憶しています。
    Nature protocolはいろんな意味で意味が分かりませんので判断できません。あれは自己弁護のようでもあり自爆のようでもあります。
    若山さんに撤回を促したのはCDBの上層部です。
    週刊文春は読んでません。タクシー代は私の所属機関では僻地Spring8出張でもない限りは支払い不能ですが、タクシー業界のためには払える機関があっても良いと思います。

  27. 匿名L より:

    理研はトカゲの尻尾切りで小保方さん一人が悪者にされていると信じている人、とても多いですよ。

    疑義が指摘され出した後の「結論はゆるぎない」という論拠不明の主張や、結果も確認せずに出されたCDBの名義のNature protocol exchange等、後処理におけるCDBの逃げの態勢は大分印象悪いでしょう。
    もしね、CDBがいち早く若山先生のような対応を取っていれば、ここまでの事態にはならなかったでしょう。例えば、CDBは週刊文春に書かれた予算の使用状況についていずれ説明する責任が問われると思いますよ。初期消火が遅れたせいで傷口がどんどん広がっていきます。

    >科研費や学振研究員の予算まで過度に切り込んだので守らざるを得ず守られましたが、そこに切り込まなければたぶん他は全部仕分けられたでしょう。たらればですが。

    甘い認識だと思います。現に他業界では当然守られるべき予算すら削られました。
    科研費は守られるべきだという意見がひっくり返ることだって往々にしてありうる事態です。少なくとも想定して対策をするべき事案です。研究費の出資者が国民であり、彼らの理解を得る必要があるという認識は外してはならない。週刊文春の記事は読まれました??大分印象悪いですよあれ。CDBは研究費ではなくて運営費だからタクシー代とか簡単に出せるんですかね。研究業界全体があんなんだと思われると非常に困るのですが。

  28. 匿名A より:

    国民もそんなにバカではありません。彼女が容姿に恵まれていなければこんな騒ぎにはなっていないという不条理はみな理解しています。研究者へのイメージダウンはあまりないと見ます。むしろ捏造は必ずすぐバレるという誤解をした人が多そうで心配です。降圧剤騒動では研究者へのイメージダウンはあったでしょう。

    事業仕分けは、蓮舫議員の失言に救われただけでしょう。科研費や学振研究員の予算まで過度に切り込んだので守らざるを得ず守られましたが、そこに切り込まなければたぶん他は全部仕分けられたでしょう。たらればですが。

    論文を出すまでの責任が理研の中ではほぼCDBのみであることは明確です。CDBは叩かれてもある程度は仕方がありません。しかし、CDB解体提言以降、理研本体を叩く声が少なくなったような気がして不思議です。再現実験も、やるのはCDBのせいのようになっています。竹市先生は最初の記者会見で理研での再現実験には明らかに否定的だったわけで、上部組織からの関与があることは想像に難くないと思いますが。日経新聞には文科省経由での関与が推測される政治家の名前が書いてあったような気がします。

  29. 匿名L より:

    国民は研究費の出資者、加害者は理研と早稲田、被害者は日本の研究者コミュニティ全体だ。今回の件で研究者コミュニティ全体が評判を下げた。信頼を失った。

    事業仕分けで「二位ではだめなのか」と問われた時に、国民世論が日本の科学技術の味方をしてくれたおかげで最低限の損失で免れた経緯がある。これは長年にわたり研究者たちが国民からの信頼を得るべく積み重ねてきた努力の結果だ。それを今回の事件が完全に崩したのだ。CDBはこの点について理解してるのか。

  30. 匿名A より:

    匿名L様

    理研本体が無くならないのであれば、任期無しの雇用解除は必要ないと思いますが、違うんですか。私は部局解体の例をいくつも深く知っていますが、雇用解除された話など聞いたことがありません。
    任期付きの人の任期は、厳正な審査の下に延長されるべきです。この理由で雇用確保されて優遇されるのはおかしいと思います。理研に行きたい人はたくさんいるんですよ。

    改革委は、任期付きの組織の解体は易しいと表現したことを謝罪するべきです。提言を読むべきは謝罪の後です。当たり前のことです。これを笑うのは人間性を疑います。もう改革委は解散して存在しないので謝罪は無理でしょう。

    私は今回の提言が本当に改革委の考えなのか疑っているところがあります。共著者の責任を問いたいとしていた発言からなぜ最終提言でここまで変わってしまったのか不思議でなりません。圧力はなかったのでしょうか。

    ヒアリングの対象者が少ないのが事実であれば、詭弁という批判はよく分かりません。

    匿名Lさんに話をしても仕方がないのはその通りです。しかし、それはこのサイトの存在意義はないということになります。

    私の中では、今回の騒動は、加害者が早稲田大学、被害者が理研、観客が国民、警察が文科省です。実害は小さいので、国民は被害者とは呼べないと思っています。大多数は明らかにネタとして楽しんでいます。しっかりしていません。

  31. 匿名L より:

    匿名Aさん
    任期無しであれば雇用解除の手続きが必要になることはお分かりいただけませんか?
    雇用契約の内容にもよりますが、もしかしたらこのステップが非常に煩雑になる可能性もあります。
    一方で任期ありだと「雇用確保したうえで」とありますので、任期満了を待つ形にできます。ワンステップで済みます。易しいです。丁寧に説明しました。そして人権侵害という貴方の感じ方、その思いはしっかりと受け止めました。しかしながらこれを理由に「無視しないといけない」となる理屈は笑ってしまうくらい意味不明です。

    そして、あなたはまるで改革委がセンター長へのインタビューのみを根拠にして提言を出したかのような言い方だが、それは事実と異なるのではないか。意識か無意識かは存じ上げないが、それは詭弁だ。

    また、人事異動では無理と判断したのは改革委なので、私にただ「思いますが」と嘆願されても困るわけです。まるで「STAP細胞はありまぁす」と言われた時と同じ気分です。あながたそう判断するなら、改革委の提言に反論する形で理由を提示することが大事です。

    また、早稲田の責任の話はこの場の議論のテーマとは全く関係のない話なので、別のスレッドを立てられたら良いかと思います。

  32. 匿名A より:

    匿名Lさん

    事実だとしてもあれだけ注目を集める公の場で言っていいことと悪いことがあります。差別や侮辱をされているような気持ちになる人は当然いるはずです。ツイッターでも案の定、目にしました。その気持ちをわきまえない人の提言は、法的拘束力がない以上無視しないと日本のモラルが問われます。
    また、そもそも、任期無しの方が部局の解体が難しいということが私はあまりわかりません。任期無し主体の組織でも、部局の解体や改編など私の身近でも不祥事などなくてもよくあることですが、そうなんですか? 任期付きの人ほど仕事の一貫性を乱さず次に職に付けるよう配慮されることがほとんどです。すみませんが丁寧に解説していただければ幸いです。

    人事異動では無理とのことですが、センター長と副センター長がCDBを去れば、それだけで十分に欠陥とやらの刷新はされると思いますが。竹市先生を失ったCDBが上手くいくかは疑問ですが、竹市先生は辞職は仕方がないのでしょう。

    そもそも、今日の神戸新聞を見ると、今回の改革委はGDのヒアリングをセンター長にしかしていないわけです。組織のトップ一人にだけ話を聞いて、弛緩した組織と判定するのは良いんでしょうか。これまでの様々なエピソードを個人的に聞く限り、弛緩というよりは、どちらかと言えば明らかに殺伐とした組織だったと思いますが。

    今回の騒ぎで事後のガバナンスが問われるべきはCDBより理研本体や文科省だと思っています。また、一番悪いのは明らかに早稲田大学ですので、現在の理研の主役ぶりに違和感を覚えます。発表直後、早稲田大学も派手に記者会見して派手に報道されていたような気がしますが。

  33. 匿名L より:

    匿名Aさん、
    提言では、「任期制の職員の雇用を確保したうえで早急にCDBを解体すること。」とあります。
    もし任期無しだとこのような措置が取れないので、解体作業が難しくなるのは自明であり、
    任期付なら契約の問題をクリアするハードルが下がるので易しいという理屈は、誰が考えても普通の理屈です。ヒトとしてどうかという問題ではないです。

    また提言の中には「組織トップ層による「責任の軽視」の前にはいかなる規程も無力である。義務の懈怠に
    対する組織上の責任を明確にすることなしには、いかなる規程や仕組みを作ってもその運用はおざなりにされる。」とあります。
    さらに、「CDB トップ層全体の弛緩したガバナンスの問題があり、人事異動などの通常の方法では、欠陥の除去は困難である。」と指摘しています。

    匿名Aさんは「ガバナンスを実行すれば十分可能」と言われますが、提言では「実行すれば」の点に疑問符が付けられています。ですので、「解体なしでもガバナンスが実行されるかどうか」を議論すべきではないでしょうか。

  34. 山形方人 より:

    自らの意見に追加ですが、「脳」の研究所ですと、オバマ大統領のBRAINイニシアティブに代表されるような米国や欧州の世界的な研究動向からも、日本国内におけるBSIのような拠点は消失させてはいけないという認識、まだまだこれから重要になっていく科学研究分野であるという認識は可能である。つまり、「恒常化」させる価値のある学術研究分野である。

    ところが、CDBという研究所が、改革委員会によって、気軽に躊躇なく「解体だ」という提言がなされてしまったところに、この問題がなかったとしても、学術的な観点から、「恒常化」させず、何らかの再考を要する時代になっているという見方はできるのかもしれないと思っています。これは、匿名Mさんの「4」の観点とはやや違う意見だと思います。それは、「再生研」と報道されるようになってしまったCDBと京大のiPS研究との関係とも関わってくる論点になると思います。

  35. 匿名A より:

    任期付なら解体は易しいと記者会見で言い放った委員の提言は、たとえ正しくても、無視しないと人としてまずいと思います。

    無視しなくても、人事異動で欠陥の除去が困難だとする部分の根拠がやはりよく分からないんですよね。2 (3)のガバナンスを実行すれば十分可能だと思いますけどね。

  36. 匿名C より:

    「普通の素人」さん

    『中堅企業・ヒノモト科学はこのところ赤字続きで慢性的な資金難に苦しんでいます。ところがある日、入社わずか数ヶ月の新入社員からビッグニュースが。なんと「100億円投資してくれる、スタップさんという人を見つけた」というのです。これで会社は安泰です。社内は万々歳。…ところが、いつまでたっても1円も振り込まれないのです。社内では、新入社員と直属の上司の処分が検討され始めた…。』

    STAP細胞をめぐる現状を例えるとこんな様子でしょうか。

    このたとえの世界では、「普通の素人」さんは、この会社の「株主」のお一人となるでしょう(研究は国民の税金で支えられているわけですから)。「100億円」というのは、STAP細胞なるものが(マウスにもヒトにも)存在して応用研究に成功した場合の社会的なインパクト(新規の医療技術や、新たな市場など)のことです。普通の素人さんの御意見は、いわば『株主から「100億円もの投資があればこの会社のたいていの問題がきっと解決するはずにちがいないから、その新入社員の処分なんかより、スタップさん探しを優先して続けろ」とお叱りを受けた』という感じでしょう。

    100億円でどれだけの問題が解決するのかはともかく、100億円あるに越したことはありません。それは確かです。

    しかし、現場はこんな状況なのです。

    『新入社員氏の持ってきた書類にある「スタップさん」の顔写真はどこかでみたTVタレントにそっくり。スタップさんの筆跡も、別の書類の他の人のものにそっくり。何より変なのは、書いてある連絡先に電話しても、誰も出ない。

    おかしいじゃないか?問いつめられた新入社員氏は涙ながらにこう言うのです。「私はこの電話番号で200回スタップさんと話しをしました。電話のかけ方にコツがあるんです。信じてほしい。」

    社員総出で朝から晩まで休日返上して電話攻勢。でも、やっぱり誰も出ない。調べると、その電話番号は、なんと山奥の廃村の公衆電話のものだった…。』

    山奥の公衆電話でも、仮にスタップさんなる人が妄想の産物でも、電話をかけつづけれさえすれば、いつの日か、たまたま偶然、気前のいいアラブの石油王が通りかかって電話に出て100億あげるよと言ってくれる可能性は(ゼロに近いものの)ゼロではないでしょう。

    そんな奇跡を信じて、この会社は山奥の廃村の公衆電話に電話をかけ続けるべきでしょうか?

  37. 企業研究者 より:

    通りがかりの素人さん

    私は基礎研究は応用研究と比べると役に立たないのでやめてしまえ、と主張したいわけではありません。基礎にせよ応用にせよ、研究をやっていると「本当にその研究は必要なのか」とスポンサーから問われることはごく当たり前に起こります。その際に「”エセ応用”研究よりはマシなのだから良いだろう」という言い方をしても通らないことはご理解いただけると思います。

    今、たまたまSTAP細胞事件をきっかけとして理研CDBの存続が問われる状況になっていますが、これに対して「一部の不届き者が起こした事件をきっかけに風当たりが強くなって迷惑している」というような対応の仕方しか出来ないのだとしたら、これは大変危険なことだと思うのです。そうではなく、理研CDBで実施されてきたような基礎研究は依然変わらず意味があり継続されるべきだということを、研究者の方々にはぜひ真正面から主張していただきたい。そのように期待しています。

  38. 通りがかりの素人 より:

    企業研究者様

    応用か基礎かだけでなく、ここに今一つ「エセ応用」というカテゴリーを入れて考えねばならないと思います。

    「エセ応用」とは、実現性のメドが非常に低いにもかかわらず、夢だけを煽り、大規模資金やベンチャー企業をたちあげ、国費の補助や一般の資金を食いつぶすものです。私は、税金の無駄ということであれば、この「エセ応用」が真っ先に血祭に挙げられるべきと考えます。それは、基礎研究よりもさらに役に立たない事が明白であるにもかかわらず、投入される資金量が多いからです。また、オオカミ少年を繰り返せば、科学技術への信頼によい影響はないでしょう。

    記憶に新しいところでは、人工赤血球などはメディアでも散々宣伝され、早稲田大学がらみでバイオベンチャーも作られましたが、箸にも棒にもかからぬものでありました。早稲田-Twins時代の小保方氏が第一著者の細胞シートの論文も、データ捏造疑惑、内容のレベルの低さ、そして利益相反事項の隠ぺい、と問題だらけです。最近、セルシード社のインサイダー疑惑が取りだたされるなど、偏見かもしれませんが、その辺りから生じたバイオ関係のベンチャーできちんと成功しているところは少ないのではないでしょうか。それにもかかわらず、国のコミットはかなりの額に上ると思います。

    一方、CDBの再生医療研究も、基礎研究もある一定のレベルをクリアしているように見えます。再生医療分野全体を見渡せば、メスを入れるべきところは別にあるのではないでしょうか。

    論文不正問題にしても、共著者であり、小保方氏の大学院時代の教育に責任のあった大和雅之氏は全く表にあらわれず、しかもTWinsの所長にこの春昇進しました。
    小保方氏の博士時代の研究はSTAPにつながるものですが、当然、これらは捏造でしょう。実際、D論やtissue eng. Aの論文には捏造疑惑が指摘されてきました。これらへの対処を早稲田もTWinsも明確にしておりません。消極的にせよ、とりあえずは対処をしてきたCDBや理研とは大きな差があります。

  39. 企業研究者 より:

    匿名Mさん

    組織のミッションが時代に沿うものになっているかどうかはいつどのようなタイミングであっても問われて当然のことですので、「STAP問題を機にテーマの方向性を変えようとしている」と言うのはいささか被害妄想的だと思います。CDBのミッションが今もかわらず有効だと考えるのであれば、それはCDB側が明確な根拠を示して主張すべきことです。

    改革委は「基礎研究を軽視」しているわけではなく、「応用研究をこれまで以上に重視」する必要があると考えているのだという風にはとらえられませんか。軽視されたと拗ねてみせるか、時代の流れと諦めるか、それ以外の対応が出来ないのであれば、基礎研究には価値がないと言われてしまっても仕方がないでしょう。しかし、CDBの基礎研究者の方々は本当にそれでいいのでしょうか。

  40. 匿名L より:

    「STAP細胞が実際にあるかないかは問題外という雰囲気があります」
    これは間違いです。「STAP細胞が実際にあるかないかは、すでに無いで決着済み」です。

    しかしながら、まだあってほしいという社会的な期待を過度に持たせてしまった研究業界の責任感から、きちっとした形で最大限「ない」ことを示す必要がある、だからこその検証実験であります。本来的にはこんなところです。世間を煽ったツケを払っているわけです。
    実験科学者はデータを以って議論します。「あってほしい、あったらいいな、だからある」とはなりません。

    次に匿名Mさんへの意見を述べます。
    まず前提として、理研解体の提言の中では、発生再生研を再度立ち上げる事について、否定していません。現に提言には

    「そして、仮に理研がCDB解体後に、新たに発生・再生科学分野を含む新組織を立ち上げ
    る場合は、次の事項を実行し、真に国益に合致する組織とすべきである。」

    とあります。まずその点をきっちり前提にする必要があります。確かに、『解体された後に』発生・再生学のセンターが再度立ち上がるか否かは確かにこれまでのCDBの研究成果の歩みを鑑みることが重要かもしれません。
    しかしながら『解体か否か』という点については、これまでの研究成果の歩みは関係なく、STAP騒動の対応と今後の再発防止の観点のみを論点とし、議論してゆくべきです。社会に対して自浄作用を示すことに失敗したCDBの後処理なのです。解体を提言された事に反発する前に、まずは己を恥じてください。そしてCDBの若手研究者は改革委を恨むのではなく、自分のところの上層部を恨んでください。

  41. 匿名M より:

    コメント投稿者です。
    改革委の提言書を読んで私が理解したのは、個人の問題より組織の問題が大きい、その理由は小保方氏の採用のずさんさとデータ管理等ガバナンスの不完全さだ、iPS細胞研究所もできたんだから、発生・再生研は不要でしょ、よってCDBそのものを解体して理研が最も必要とする再生医療分野に寄せたセンターに作り直しなさい、医工連携、iPS細胞研究所との協力関係の構築を忘れずに、という流れでした。

    CDBのミッションに誤りがあって、例えば、生命の基本原理の知見が再生医療や疾患メカニズムの特定等に直結するというミッションそのものが無謀なものであり、そんなミッションを設定するからSTAPの嘘を見抜けなかった、目がくらんだのだ、との説明であれば、ミッションは否定されてしかるべきでしょう。しかし、改革委の提言書ではそうは説明されていません。
    そこに飛躍を感じますし、STAP問題を機に理研本体の理想とする再生医療センターに衣替えする思惑があるのではないかという邪推さえしています。

    改めて理研のHPからそれぞれのセンターの説明を読みましたが、産業の発展に資するような説明ばかりで、例外は脳センターくらいでしょうか。

    http://www.riken.jp/about/map/

    理研の看板である”日本で唯一の自然科学の総合研究所”の挟持が感じられないと私には思えますが、こういった基礎研究軽視も時代の流れと諦めてしかるべきなのかもしれません。

    CDBのガバナンスには問題があると思っていますし、今すぐにでもCDB自己点検報告書が言ったように外からの意見を取り入れた意志決定がなされるようにし、幹部は全員責任をとるべきだと思います。ただ、STAP問題を機にCDBのテーマの方向性を変えようとすることはおかしなことだと思います。

    >冷蔵庫さん
    CDBの事後対応は、外から見ていておかしく思えるばかりというご意見には賛同します。ただ、事後対応の悪さはミッションを否定する理由にはならないと思いますし、事後対応については事実確認を経た検証がまだなされておりません。

    >普通の素人さん、匿名Aさん
    普通の素人さんの「STAP細胞が実際にあるかないかは問題外という雰囲気があります」、というご指摘、その通りだと思います。科学の世界では論文が取り下げられた段階でその成果はなかったことになります。論文が嘘だらけである以上、科学界には認められません。ただ、今回のSTAP問題は普通の素人さんが仰るように、社会の関心を大きく引いていて、新しい医療の期待も生んでしまっており、科学の世界ではSTAPは認められないものになったからSTAPを忘れて下さいという説明に社会の人が納得できない状況になっています。匿名Aさんは「それでも検証実験をやらせてあげようと考える人がなぜプロにもいるのか? きっと、一度だけ夢を叶えるチャンスを与えるのも悪くはないということなのでしょう。」と仰っていますが、私はそうは思っていません。STAPはあるのかないのか、という社会の問いに応えるためだと思っています。

  42. 匿名A より:

    普通の素人様

    ・途中の過程を表に出せないだけで、検証実験は数ヶ月前からかなり優先度高く進められていると思います。どのような実験をやるべきなのかについて雑音が多いですが、進行中です。本人の参加は、規程の問題や、監視体制の構築などの観点から少し難しいですが、近いうちに行われると思います。もっと早く再現実験を本人にやらせるようにするには、規程の整備が必要です。私は多分素人ではありませんが、整備して欲しいと前から強く願っています。ただ、捏造論文で偉くなっている人が業界に少なくない割合でいますので、激しい抵抗があるでしょう。

    ・内在的な刺激で多能性を持つようになる細胞はおそらく哺乳類でも生まれ得ると私は思います。しかし、小保方さんは作れなかったことは既に100%間違いありません。些細なミスで済むレベルではなく、全ておかしいというレベルです。捏造論文は数あれど、ここまであらゆる点でダメな論文は珍しいです。数学の問題で、答えだけ合っていても途中の計算過程がおかしければ意味がないのと同じことが起きています。答えの数値を書くだけでは意味がありません。夢を叶えず語るだけでは意味がありません。しかし、それでも検証実験をやらせてあげようと考える人がなぜプロにもいるのか? きっと、一度だけ夢を叶えるチャンスを与えるのも悪くはないということなのでしょう。本当は査読で却下されるべき論文でしたが、何度も何度も執拗に投稿すれば確率の問題で合格(受理)になってしまうのは受験と同じ自然の摂理です。

    ・CDB解体はどうでもいい、いつでもいいというのには賛同します。私は解体は看板の架け替えだけだとしても反対ですが、他のことに比べればどうでもいいです。それで満足するアホな人が本当にたくさんいるならそれでもいいでしょう。ただ、論文捏造問題は、再生医療の意義よりは実は重い問題です。再生医療で患部が治癒されても、毒飲まされたら意味ないでしょう。

  43. 普通の素人 より:

    ここの議論でもそうですが、STAP細胞が実際にあるかないかは問題外という雰囲気があります。研究倫理や組織のあり方といった重要な問題の前にはSTAP細胞の有無など二の次といった論調であり、凡人ののぞき見趣味、SF指向だなどと専門家が論じているサイトもあります。一人の素人である私は、そのような雰囲気に強く違和感を覚えます。おそらく、専門家でない普通の人々はほとんどそうではないでしょうか。
     
    確かに、組織の枠組みや研究者としての倫理、そして日本の研究風土の中でまじめにやってきた研究者の方々にとっては、小保方氏の華々しい成果発表の後に論文不正という調査結果が出た事実は、許し難く感じられるものかもしれません。しかし、我々普通の人間にとっては、STAP細胞の存在の重要性に比べれば、組織の解体など優先度が低く、そんなことは、再現実験をやってからいつでもやればいいとしか思えません。
     
    一般人の私にとっては、研究組織の処分より、一刻も早く、この技術の実用化研究を進めてもらうことが重要です。そのためには、一番可能性が高い小保方氏自身に再現実験をやってもらう必要があると思います。IPS細胞の応用技術を見て思うのですが、おそらく今後10年間、細胞技術が70年代の半導体技術のような勢いで発展するのではないでしょうか。可能性は投資を呼び込み、生産量の増加が価格を低下させ、今はまだ実現していない高度な医療が広く普及するようになると思います。
      
    それが何のためか、考えてみてください。難病に苦しみ、一刻も早く治療法が見つかることを願って生きている人たちがいます。それが自分自信、または家族だったらと考えたらどうでしょう。そして海外で横行する臓器売買。STAP細胞がこれらを一挙に解決するとは言いません。しかし組織や論文の問題よりも、命の問題が重要ではないでしょうか。
     
    これから興るこの産業で、だれがどれだけ儲けようと、知ったことではありません。人類に安価で高度な医療がもたらされるメリットに比べれば、それは大したことではないと思います。専門家の方々には、今一度原点に立ち返っていただき、再現実験を最優先に進めていただきたいと願います。

  44. 企業研究者 より:

    匿名Mさんはこの文章を誰に向けて書かれたのでしょうか。「理研CDBを安易に解体することは日本の生命科学の発展にとってマイナスである」と主張したいのだろうということはわかりましたが、率直に言って説得力が少しも感じられませんでした。

    責任の所在についてあれこれ言い訳を並べてみたり、「基礎科学は重要だから重要である」というようなトートロジーを振りかざすのではなく、一般の方にもよく理解できるような表現で、CDBでこれまで行われてきた研究とこれから行われるはずの研究が如何に素晴らしく魅力あるものなのかを説明することはできませんか?それができないのであれば、解体やむなし、という流れに恐らく逆らえないと私は思います。

  45. 匿名A より:

    日経新聞がSTAPに関してかなり踏み込んだ連載を始めています。それを読んでも、事後対応の迷走はやはりCDBではなく理研本体、文科省、政治家に原因があるように感じます。感じますというか、素直に日経を読めばそうとしか思えません。

    次期センター長人事の話は、面白い話ではありますが、分けて考えるべき話に思います。

  46. 山形方人 より:

    それともう一点。理研CDBの問題は今回の問題で強く批判されましたが、理研の他のセンターについては、ほとんどといって議論がない。私の印象としては、理研BSIなどの方が更に根深い問題を抱えているのではないかと思うのです。では、そちらの「解体」が議論されないのはなぜなのか?という素朴な疑問があります。

    例えば、理研BSIのチームリーダーであったThomas Knopfel氏(現、Imperial College
    London)が、Science誌ウェッブサイトのコメント欄において、理研BSIでの経験を記述していました。その内容は以下です(その後、削除され
    たようで、現在はScienceのウェッブサイトには残っていません。以下は、4月10日に記録したWeb魚拓のものです。)

    http://megalodon.jp/2014-0410-0655-07/comments.sciencemag.org/content/10.1126/science.343.6177.1299

    ジャパンタイムズにもKnopfel氏のインタヴューの内容が掲載されています(後半の部分です)。

    http://www.japantimes.co.jp/news/2014/04/20/national/stapgate-shows-japan-must-get-back-to-basics-in-science/

    テレビインタヴュー:ドイツ人教授「理研は“STAP”以前も改ざんあった」(04/17)

    http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000025285.html

    理研は、Knopfel氏の理研BSIにおけるこのような体験についても、その真偽に関わらず、調査し報告するべきであると、私は思います。そして、理研CDBと同じように、構造的な問題を指摘し、CDBと同じように議論されるべきではないか、と思うのです。

    理研BSIに関して言えば、センター長が海外に在住しており、そのような形で十分な管理、運営に携われるのか。理研CDBのセンター長が、その管理責任を問われたのなら、こういう勤務状態であるのは、どう理解するのか、といった問題もあるかもしれません。

    つまり、理研CDBのことだけを議論するのではなく、理研全体のこと、他のセンターなどを含めて、まとめて議論する中で、CDBの問題についても、更に理解が深まり、建設的な議論が進むのではないか、と思います。

  47. 山形方人 より:

    匿名Mさんの文章の中で、CDBの新しいセンター長候補として具体的な名前が上がり、理研の理事会に諮ったものの、複数回、承認されなかった。という初見の情報がでています。その
    具体的な名前というのは、誰なのでしょうか?おそらく、私も含めて、多くの人の頭に浮かぶ名前ではないか、と思われます。

    つまり、理研の理事会、野依さんも含めて、この「CDBの新センター長の具体的な候補」が誰であるのか、知っていた。それを複数回、拒否していたというのでしょうか。これは、結構、重大な事実だと思うのですが。

    また、CDBのアドバイサリーカウンシルで、英文の次の3項目が翻訳されていなかったという問題が指摘されています。今週の「新潮45」では、本庶佑先生がこれについて言及されているということです。
    1)The AC recommends establishing a harmonious relationship with Dr Yamanaka and CiRA.

    2)The AC recommends that further recruitments should be deferred until the new Director is appointed.

    3)The AC recommends that the system of Director and two Deputy Directors,
    which has served CDB extremely well, should be retained under the new
    Director.

    「CDBの新センター長の具体的な候補」が理事会に諮られていたという事実と、この奇妙なこととの関係も大変気になります。一時は、理研改革委員会の関心も引いたそうですが、提言書では言及されませんでした。

    なぜ、報道関係者は、この問題を追及しようとしないのでしょうか。理事会で拒否された結果、引き起こされた「CDBの新センター長の具体的な候補」の行動とこのSTAP問題というのが何らかの関係があるのではないか、との憶測は間違っているのでしょうか。

  48. 匿名A より:

    冷蔵庫様

    論文を出した最終責任はCDBにあるかもしれません。しかし、最初に中途半端な調査で不正認定した責任は、CDBではなく100%理研本体の責任だと思います。違うのでしょうか。私は内部事情は知りません。理研本体に速攻あんな適当な不正認定され、ガバナンスしている文科大臣にガバナンスが大事なんて言われたら、CDBやましてその若手が独自に調査したり主張したりできるわけないと思いますが。

    論文撤回して出直せみたいなことは、文科大臣が発言していました。そうすれば事態の収拾ができるというニュアンスをあの発言に感じたのは私だけでしょうか。

    早稲田大学の責任が理研に責任転嫁され、理研本体の責任がCDBに責任転嫁されているように見えます。

  49. 冷蔵庫 より:

    改革委の提言がCDB解体にまで至った理由は、小保方が不適切な経緯で採用されたことや論文不正問題を引き起こしたことよりも、その後の評価に値しないCDBの対応こそが最大の原因でしょう。もし論文不正の発覚後に小保方がやってきたことの全容解明を徹底的に行い、十分な証拠をそろえたうえで発表して処分を行っていれば、ここまで事態がこじれることもなかったし、解体にまで踏み込んだ提言がなされることもなかったでしょう。

    しかし実際には小保方の処分は急ぎつつ、チェックは外部から指摘された論文不正の数点のみにとどめ、一方で笹井がSTAP現象があるかのような会見を行い、さらに無意味な検証を1年かけて行うとすることで研究全体としては価値があったと見せかけようとしたわけです。このような不誠実な態度が小保方に付け入る隙を与え、捏造常習犯に世論の支持が集まるなどという醜悪な事態を招いたのです。それでもそこから全容解明に動くならまだしも、徹底的にそれだけは回避しようとし続けた結果がこの改革委の提言でしょう。さらにその提言を受けた後に姿勢が変わるどころか、相変わらず全容解明には消極的で若山氏や遠藤氏の解析結果すら黙殺するような態度を貫き、挙句の果てには小保方への追い風を利用するような形で小保方を加えた再現実験に前のめりになり、解明を求めるフェーズを終わらせようとするような動きを見せているわけです。おまけに一部報道では5月末から小保方がCDBに出入りしてると出てますが、それについてもいまだ自ら明らかにしようとしていません。改革委の提言を最初の読んだ段階では私も少し行き過ぎかもしれないと思いましたが、事態の推移を見るにむしろ彼らは慧眼であったという結論に達しています。

    無論CDBの内部にも全容解明のために動いている人がいることは知ってますし、特に動きは見せないながらも竹市・笹井・相澤らの姿勢に疑問を持っている人達も多くいるでしょう。しかし解体を求められた最大の理由が組織の自浄能力の無さである以上、解体を防ぐために最も必要なのはこのような言い訳に力を注ぐことではなく、CDBに自浄能力があることを自ら示すことでしょう。この問題で日本の科学研究そのものに対する信頼性を日々傷つけているのに、行動の方向性がズレています。たとえば若手の研究者で集まって幹部の動きに対して持っている疑問点を全てまとめ、さらに「○○で発見された△△についても解析すべき」、「小保方を加えた再現実験をする際には□□のもと、☆☆の条件をつけて行うべき」など個別具体的な提言、ならびにまた明かされていないいくつかの事実も公に発表してはどうですか。3月14日に発表した何の中身もない声明などではなくて。小保方に奇妙な追い風がいつまでも吹き続けてるのはCDBの幹部のイメージがそのままCDB全体のイメージとしてとらえられていることも大きく、そうしてしまっている原因はCDB内の研究者にもあります。全容解明を求めるCDB内有志vs.解明に消極的な幹部という構図でも作ることに成功すれば、また違った可能性も生まれるのではないですか。

  50. 匿名A より:

    匿名細胞生物学者様

    小保方さんは、彼らにとっては明らかな外様であり、彼女の採用を大学閥の悪影響とする批判はいくらなんでも無理があると思います。上層部のメンバーが固定化したことによる相互批判の欠如が原因という邪推なら理解できなくもないですが、京大閥なんて言葉を突然持ち出したあなたは低俗です。
    人事の適切性については、結局、面接を見た人でないとわからないです。記者会見はある意味満点でしたが。

    ミッション変えても研究続けられればいいだろ、なんてことを若手に対して本気で思うなら、研究者の世界からは去った方がいいです。また、看板の付け替えは、一流の研究機関では重い意味を持ちます。

  51. 通りすがりの素人 より:

    改革委員会の提言は、そのまま受け入れるか否かは別として、検討に値する重要なポイントを含んでいると思います。しかし、このタイミングでこれが出たことのマイナスも間違いなくあると思います。
    特に、小保方氏に検証実験をさせる下りの提言は、本来の意図から外れ、おかしな方向に利用されようとしているように思います。
    また、CDBの解体のくだりも、大体、日本のような風土で看板の架け替え以上の「解体」など出来る筈がありません。せいぜい、政治介入のダシに使われるのがオチで、実際そういう流れになっていると思います。
    組織の改革も重要ですが、筆頭著者の明確な処分と研究内容の捏造の認定は、最低限果たさねばなりません。まずは、その速やかな実行に議論を集中すべきではないでしょうか。

  52. 匿名細胞生物学者 より:

    匿名A様
    議論が低俗になるので下らないレッテル貼りはやめてください。エスカレートさせないためにこれ以上は言いません。報告書をみて驚きましたが、退職したはずの研究者が顧問として月10万受け取っていたとか。そしてその顧問の推薦により小保方氏は異例の抜擢をされた。一部の学閥による組織の私物化といってもいい。「解体」して彼らを完全に排除しない限りは、同じような事をして看板の付け替えで終わるだけです。異論はありますか? 創立以来一部のお仲間でやってきたことがガバナンスの欠如を招いて、今回の事態を引きおこしたのです。その体制を批判し、それを改めるために解体せよということのどこが意味不明なのかもう少し詳しく説明していただけないでしょうか? それと「研究員の雇用は維持しろ」と提言には書いてありますし、これを前提に「今回問題を起こした連中の全員排除と新組織の立ち上げ」を「解体」と言ってるつもりなのですが、なぜ研究員たちが研究を続けられなくなるという話になっているのでしょう? あなたも含め「解体」という2文字を見て思考停止してしまった人が多いようですが、きちんと他人の主張と報告書をきちんと読んだ方がいいですよ。

    匿名M氏の話や「センターを拡充しろ」と言った神戸市長の話を聞くと「焼け太り」という言葉が頭をよぎります。基礎研究は大切なのもボトムアップが大切なのも誰も否定しない。基礎研究をやる研究所はもっとあってもいい。しかしそういう話は責任の所在を明らかにして辞めるべき人間が辞めてからするべきです。CDBを守る文脈でそれを持ち出したり、CDBを拡張する話をしても反感を買うだけです。

  53. 匿名A より:

    匿名細胞生物学者様

    たとえCDBが京大閥だとしても、CDBが京大閥だとこの文脈で非難するのはさすがに意味不明です。あなたは何か別のことを考えています。かなりイタいです。サークルの送別会の挨拶で突然学歴のことを語りだしたアホな先輩のことを思い出しました。

    論文受理は、アカデミアが受け入れ始めたと考える一つの大きな行事では間違いなくあります。

    私はCDBはそろそろ刷新しても良いとは前から思っていますが、こんなテロリストに屈するような解体の仕方には反対です。また、CDBより理研本体の方が事後処理の不手際は多いと感じます。

    CDBの若手はほぼ全員海外でもラボを持てるようなレベルです。解体するなら自由にさせてあげるべきです。去ることを許さずミッションを変えさせるようなことに巻き込んではなりません。

  54. 匿名細胞生物学者 より:

    CDB関係者でしょうか? 匿名相手なので匿名で厳しいことを言っても構わないでしょう。

    はっきり言いますがCDBの外の人間は「改革委員会の言うとおり。CDBはこれくらい言われて当然」と冷たい目で見ていますよ。それは多くの研究者が理研の欺瞞を知っているからです。CDBを創立以来牛耳っているのは京大閥です。これはみんな知っていることです。その中の一人の顧問が小保方氏を推薦し、仲間内でなあなあで採用を決めたという経緯はその体制が生み出した負の産物です(特定の学閥が幅をきかせているのは他のセンターも同じなので、同じことは他でも起こりうると思いますが)。これを変えるには創業以来牛耳ってきた連中を全員排除する以外にない。「彼らはセンター長や副センター長は辞めてもGDとして残ります」というのでは、CDBには彼らの息のかかった人間しかいないわけですから、バックで影響力を行使し続ける事になるだけ。そういう意味で、まさに解体しかない。また、これまでの成果を挙げて「失敗したのは今回だけだから存続させろ」と開き直る有志声明を準備しているとか、チェーンメールのようにあちこちの有名研究者に擁護のコメントを求めているとかいう噂を聞きますが、CDBの方々は「一握りの京大閥が指揮を執り、申し訳程度に外部から採用した優秀な人間は10年でサヨウナラ」という体制をそんなに維持したいのでしょうか? 

    >STAP細胞がNature誌掲載によって一度はアカデミィアに受け入れられた。これは、細胞の
    >初期化メカニズムはiPS細胞でもってしても未だ解明されてはいないことの裏返しでもあり、
    >発生・再生科学分野において探求されなくてはならない生命の基本原理がまだまだあること
    >を示している
    酷い屁理屈ばかりですが、このくだりには怒りすら感じます(他の屁理屈は他の方々が叩いてくれることでしょう)。一体何を言ってるのでしょうか? ほんの数人の査読者と編集者がokと言えばnatureには掲載されます。それをもって「アカデミアに受け入れられた」と考えるような人間をCDBは育てているのか? 
    また、基礎科学の重要性、ボトムアップの重要性は言うまでもありませんが、それを言い訳に使うのは卑怯です。基礎生物学は何もCDBでやらなくたっていい。それを言い訳にするのならば逆に問いたい。基礎生物学は重要なミッションだというなら、CDBを解体して笹井、竹市などを全員排除し、その上で基礎生命科学センターを立ち上げることに同意しますか?

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