【帰ってきた】ガチ議論
このエントリーをはてなブックマークに追加

20130731a

研究不正問題2 まっとうなデータと不正の境界はどこに?

ツイッターまとめ
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
48

コピペは言語道断ですが、世の中にはグレー領域のデータも存在します。このスレッドでは、どこからが許されない捏造になるのかを議論します。

コメントを新着順に表示させるため
コメントはできるだけ下のボックスからご入力ください

“研究不正問題2 まっとうなデータと不正の境界はどこに?” への48件のフィードバック

  1. Shinichi Nakagawa より:

    <管理者より>
    Disqusの仕様ではReplyを含めたコメントを新着順に表示する事ができないので、議論の流れが見えにくくなっていますが、公式Twitterアカウント
    https://twitter.com/ScienceInJapan
    の方で、サイトに寄せられた新着コメントを随時紹介しています。手動なのでリアルタイムなアップデートではありませんが、ぜひご活用ください。

    ーー

  2. SH より:

    >「有意の一歩手前」のデータと「有意には程遠い」データは,有意ではないという意味では同じですが,意味合いは違うように思います。

    研究分野によってかなり考え方の違いはあると思いますが、検定時のpの値は’本当は差がないのに差があると誤認してしまう確率’なので、最低限p=0.05程度の閾値はクリアして欲しいなということではないでしょうか。
    ‘有為でない’のは’差があるとは言えない’という意味で、’有為’だからといって’必ず差がある(生物学的に差に意味がある)’というわけではありません。

    「有為の一歩手前」というのであればデータが増えるほどp値は小さくなるので、n数が少ないのであれば増やすのが簡単な方法です(例えば、元のデータがn=3だった場合、n=10にするなど)。
    ただし、データ数が増えれば増えるほど検定の基準を厳しくしないと、生物学的に意味のない差までも有為と検定してしまうリスクがあります。

    検定手法はいろいろ新しい方法が開発されているので、目的にあった手法を選ぶのはありだと思いますが、自分ならより精密にデータを測定できるような実験系を検討すると思います。

  3. 近藤滋 より:

    >私は、近藤先生は理事でいらっしゃるので、近藤先生は理事会に届けるべきだと考えます。

    「捏造問題にもっと怒りを」の記事に、理事会の動きは非常に遅いから、それを補完するためにこの議論を立ち上げた、と書きました。そもそも、このガチ議論サイトと分生年会の企画自体が、理事会は意見集約が出来ない(それが必ずしも悪いわけではないが)ので、年会としてこれをやっているわけです。それこそ、理事会に意見を届けるとかよりも、何百倍かの労力を使ってます。私が、当該の書き込みの意見と同じ主張を理事会でしていないと、本当に思っているのですか?

  4. ST 改めモンスタークレーマー より:

    私は、近藤先生は理事でいらっしゃるので、近藤先生は理事会に届けるべきだと考えます。その上で、「援護射撃のメールを理事会宛てにおくってもらえると助かる!」ということなら、納得できたのですけども。
    hayashi様、ご返信ありがとうございます。

  5. 非バイオ1 より:

    いろいろ教えていただいた皆様にお礼を申し上げます。
    (お礼が遅くなりまして申し訳ありません)

    以下は全体的な感想です。
    「有意の一歩手前」のデータと「有意には程遠い」データは,有意ではないという意味では同じですが,意味合いは違うように思います。未知の分野の先端的な研究としては,その違いをうまく評価できるような統計手法があるといいのではないかと思いました。

    もちろん,有意かどうかは厳密に区別しなければいけない場面も多いのだろうと思います。

  6. Shigeo Hayashi より:

    事務局に確認しましたがアンケート公開はもうじき行われるそうです.

  7. 片瀬久美子 より:

    「学会は研究発表の場であり、このような問題にかかわるべきではない」という意見に関してですが、論文不正の調査などに学会が関わった例というのはあります。

    過去の例としては、
    ・東北大歯学研究科の助教による論文不正について2008年に日本細菌学会が緊急調査委員会を設置して調査し、論文16本に改竄が見つかったことで文科省と東北大学に報告
    ・東邦大医学部教授の論文不正について、2012年に日本麻酔科学会が特別委員会を設置して調査し、論文172本に不正があると報告。(こうした調査は本来、所属する大学などが実施するが、捏造が長期間にわたり、所属施設が複数にまたがることから、学会が実施したと説明)日本麻酔科学会は、検討していた「除名処分」前に自主退会したこの人物の再入会を認めない「永久追放」を決定。

    などがあります。これらの様に、学会において臨時に調査委員会を設置して論文不正の調査するという前例はあります。各学会の方針というものがありますので一概には言えませんが、日本分子生物学会でもその気になれば何らかの対応は可能ではないかとも思います。

  8. Tak より:

    近藤先生は捏造さんに何かを要請されたわけではないので、丸投げという言葉を使うのはあまりにモンスタークレーマーだと思いますが。むしろ親切に案内をされたのではないですか。数百件以上の書き込みがこのガチ議論サイトにある中、なんでこれだけは理事会に直接近藤先生が届けないことに失望されるんですか。そんなに特別扱いされるべき内容ですか?

  9. Shinichi Nakagawa より:

    「せめてアンケート結果だけでも早めに公開してください」

    「学会は研究発表の場であり、このような問題にかかわるべきではない」というのは、僕自身ついこの間までそう思っていましたし、今もできれば自分の仕事だけに集中していたいという考えの方が強いのですが、ここできちんと正面から向き合わないと、近い将来に基礎研究は全く国から(向こう三軒両隣のおじちゃんおばちゃんから)サポートされなくなってしまうのではないかという
    、強い危機感があります。文科省ではタスクフォースが立ち上がったり、研究不正対応の人数を増やしたりしているとかいう報道がなされています。その実効性はともかくとして、外から見て、なんとかしなければいけないと考えているという事は見えています。しかるに、一番の当事者である研究者の側は、動いている事が外から見えるようになっているか、というと、公式には見えていないのではないでしょうか。アンケートをとりました。回答率は1割でした(もっと多い?)。その内容はこれこれでした。ということを速やかに公開する事は当然でしょう。公開するには差し支えがある部分がある、、、のかもしれませんが、インターネットがこれだけ普及した今日び、そういうところを隠していて何とかなる時代はとっくの昔に終わっているような気もします。負の面は全くないとシラを切るより、これこれの負の面があるので、今後はこう改善していきたいと表明する方が建設的です。一斉メールで送れば理事の方々の承認を取る事も難しくないとおもいます。学会は本来研究発表だけするところ、というのはまさに正論なのですが、そのような純粋な姿勢を多くの人が微笑みながら見守ってくれるほど事態はゆるくないような気もします。

    匿名掲示板ではボランティアの方々によって次々と画像の不自然な重複が指摘されています。それらは何を物語っているのでしょうか。個人的には、自分とは無関係の問題と思っていた事が、実はすごく身近な問題である、ということを強く感じました。具体的に制度設計としてどうしたら良いか、とか、それぞれのケースでどう対処するべきか、ということに関しては全く分かりませんし、そういうことを考える立場ではありませんが、せめて我々現場の研究者が最近の事案に関してどのような思いでいるのかというアンケート結果だけでも、ウェブ上に広く一般の方々に見える形で公開していただければ、ということは強く思っています。

    このサイトとか、理事の方々とか、見ておられるのでしょうか?「そんな下らんサイト見ている時間があったらベンチに行って実験しろ!!!」とか、数年前の僕だったら、間違いなく言っていたような気がします、が。。。

  10. Shigeo Hayashi より:

    下記のSTさんのご質問に関してですが、info@mbsj.jpのアドレスへ理事長,もしくは理事会宛のメールを送れば事務局の方が回覧してくれます.その後の処理は案件次第になりますが,8月9日に出された理事長からの東京大学に対する要望書は東大分生研問題の調査結果の公式発表を行わない大学当局に対して強い非難の論調になっています.これも会員の憤りに背中を押されての事と思います.
    http://www.mbsj.jp/misc/20130807.pdf

  11. 匿名 より:

    コピーペーストの指摘(匿名掲示板より)

    ◎一報目
    Circulation. 2003;107(10):1411-7.
    http://circ.ahajournals.org/content/107/10/1411/F5.expansion.html
    Fig. 5. tubulin lane 1 & 2がlane 3 & 4とやや類似。一致はしない

    ◎二報目
    Hypertension. 2006; 48:628-636.
    Hypertension Accelerated Experimental Abdominal Aortic Aneurysm Through Upregulation of Nuclear Factor κB and Ets
    http://hyper.ahajournals.org/content/48/4/628.full
    Fig. 1のHTがFig. 5のHT-SDに図もグラフも全部類似
    Fig. 2のHTがICAMのWestern除きFig. 7のHT-SDに棒グラフ含め全部類似
    Fig. 2のNTのICAMのWesternがFig. 7のHT-SDのものの左右反転させたものに類似
    Fig. 2のNTのactinがFig. 7のHT-Chimeraのものに類似

    ◎三報目
    Stroke. 2007; 38: 3251-3258.
    http://stroke.ahajournals.org/content/38/12/3251/F1.expansion.html
    Fig. 1aの右上二つが類似。

    ーー
    別のグループ
    Mol Pharmacol. 2005;67(5):1666-73.
    Effect of Azelnidipine on Angiotensin II-Mediated Growth-Promoting Signaling in Vascular Smooth Muscle Cells
    http://molpharm.aspetjournals.org/content/67/5/1666.full
    Fig. 2A p-SrcとFig. 2A Ser-STAT3とFig. 2C Tyr-STAT3が類似
    Fig. 2A Src 左7レーンとFig. 2C Src 右7レーンが類似
    Fig. 2A ERK 右7レーンとFig. 6A ERK 左7レーンが類似
    Fig. 2A Jak2 右7レーンとFig. 2C Jak2 左7レーンが類似
    Fig. 2C p-Pyk2とFig. 2C Pyk2が類似
    Fig. 2C Ser-STAT1とFig. 2C Ser-STAT3が類似
    Fig. 2C Ser-STAT1 右5レーンを左右反転したものとFig. 4A siRNA-MKP-1 MKP-1が類似
    Fig. 4A siRNA-Lamin A/C alpha-SM actin 左2レーンとFig. 4A siRNA-MKP-1 alpha-SM actin 左2レーンが類似
    Fig. 4A siRNA-Lamin A/C alpha-SM actin 右端とFig. 4A siRNA-MKP-1 alpha-SM actin 右端が類似
    Fig. 4B siRNA-Lamin A/C ERK 左7レーンとFig. 4B siRNA-MKP-1 ERK 右7レーンが類似
    Fig. 6A Pyk2とFig. 6C Pyk2が類似
    Fig. 6A SrcとFig. 6A Jak2が類似
    Fig. 6A p-ERKとFig. 6C p-ERKが類似
    Fig. 6A p-Tyk2 左4レーンとFig. 6A Tyr-STAT1 左4レーンとFig. 6C Tyr-STAT3 左4レーンが類似
    Fig. 6A Tyr-STAT1 右4レーンとFig. 6A STAT3 右4レーンが類似
    Fig. 6A Tyr-STAT3 左7レーンとFig. 6C Tyr-STAT1 左7レーンが類似
    Fig. 6A Tyr-STAT3 右4レーンを左右反転させたものとFig. 6A STAT3 左4レーンが類似
    Fig. 6C p-SrcとFig. 6C p-Tyk2とFig. 6C Ser-STAT1が類似
    Fig. 6C SrcとFig. 6C Tyk2とFig. 6C STAT1が類似

  12. ST より:

    不正の境界とは全く関係ありませんが、末端のただの会員としては、理事会あるいは、理事長あてに送る方法がわかりません。そんな立場の方と話をする機会もありません。あるいは、事務局などにメールなどで送ったとして、きちんと目が通されるのかどうか。私なんぞの立場の人間(私立大・特任助教)からすると近藤先生は十分、理事会あるいは理事長と同格か、あるいは会話をする機会があるとおもうのです。その近藤先生が「理事・理事長宛に送ってください」と丸投げしてしまっていることにとても失望しました。

  13. 近藤滋 より:

    反応があるのかどうか解らない状態で投書する気になどならないのは当然です。本当に意見を求めるのであれば、アンケートなどという一方的で上から目線のものでは無く、同じ土俵に上がって議論しなくてはなりません。

    「学会が研究発表の場」と言うのは、それなりにまともな見識である事はたしかなのです。学会を「新薬の宣伝の場」「研究費確保のロビー活動の場」に使う事は十分に可能で、それに対する批判として使えるからです。しかし、その理屈を、捏造問題に対処しないことに使うのは違うと思います。

  14. FJ より:

    なかなか投書が面倒なうえ読んで頂いているか不明なので、ネット形式にした先生はすばらしいと思っております。ここに書き込んで、大会でアンケートでもとれば理事も目を通さずにはいられないのではないでしょうか。
    それにしても”学会は研究発表の場”との認識は困ったものですね。発表なら論文にすれば良いだけの話です。学会に限った話ではありませんが。名誉のためだけの人間には去ってもらわねばなりませんね。議事録公開してポジティブ票だけでなくネガティブ票も有りで理事を選出する仕組みが必要ですね。

  15. 近藤滋 より:

    このご意見を、理事会あるいは理事長あてに、是非送ってください。
    非常に強い危機感を持ち、何かしなければと考える理事は結構います。しかし、学会は研究発表の場であり、このような問題にかかわるべきではない、という意見の理事も居ます。会員からのメッセージが多数あれば、理事会の意志決定を大きく左右できます。

  16. 匿名A より:

    匿名掲示板には公衆の良俗に反する内容も多く含まれますので、覚悟のない方は見ないでください。

  17. 匿名A より:

    ネットの匿名掲示板で医学論文の類似画像を指摘している者です。匿名Aとしては6回目の書き込みです。

    現時刻から今週土曜日の間に、類似画像の組み合わせを含む論文3報を匿名掲示板の捏造論文を扱っているスレッドに報告したいと思います。おそらくインターネット上のどこにもまだ報告されていない類似画像の指摘になると思います。

    ◎一報目・・・2003年に出版された論文です。著者数は10名です。

    ◎二報目・・・2006年に出版された論文です。類似画像の組み合わせがたくさんあります。

    ◎三報目・・・2007年に出版された論文です。雑誌名の頭文字はSです。

    三報目は捏造ではないと確実に言えると思います。一報目は、もしこの部分を含め論文全体の再現がとれるのであれば、リトラクションも処分もしなくてよい(グレー)と私は思います。この私の見解を怒る人はかなりいらっしゃるのだろうと思います。二報目は、この論文を渡されて「コピペを探してください」と言われたら誰でも見つけられるようなレベルの論文です。気づいていた人は相当数いるのではないかと思います。

    私がガチ議論サイトによるヤラセや仕込みではないかと疑う書き込みが匿名掲示板にありますが、これで少しはそれが払拭されると思い、この書き込みをいたしました。このスレッドの趣旨に合わせて、私の考えるグレー、クロ、シロを選びました。

  18. 捏造 より:

    捏造問題フォーラムの当日の模様は後日文書で公開するといって公開しない。アンケートをとっても結果はなかなか公表しない。分子生物学会の理事会は何をやっているのだ。理事の中には部下がデータの改竄を行ったことがある人がいるのではないか。もしかしたらそういう人の方が多いのではないか。そう疑われても仕方がないだろう。いい加減真面目にこの問題に取り組んでほしい。あの人の業績は素晴らしい。この人は業績が足りないね。そういって捏造論文を量産した人間を次々と要職に就けた責任は誰が取るのか。未解決の研究不正事件はたくさんある。下の個人ブログに良くまとめられている。
    http://blog.goo.ne.jp/lemon-stoism/e/b837034532868f60f643b75eb47825c3

    これだけの人間が捏造に手を染めているのだ。知らずに部下がやったでは済ませられない。監督責任というものがある。何らかのアクションを取る事を強く望みたい。少なくともコピーペーストなど稚拙な改竄を行った論文の責任著者は全員分子生物学会を除名にすることぐらいできないのか。言い訳無用だ。グレート不正の境界等はない。少々の火の粉ぐらいかぶってもらわないと、業界全体がつぶされる。そういう危機感を持ってほしい。

  19. 近藤滋 より:

    >年会長、そういう発言をするのだったら、議論のベースになるアンケート結果をきちんと先に提示しましょうよ。

    それができるんだったら、とっくにしてますがな。

    アンケートは学会本体が行っており、その公開の方法・時期に関しても、学会本体が取り仕切っています。ご存知の通り、学会本体の意志・行動の決定はコンセンサスを取る手続きが面倒で、時間がかかるのです。(それでは何も話が進まないので、このガチ議論HPを立ち上げました。)アンケート結果発表は、近いうちに行われるはずですが、まだ期日は決まっていません。今回、フライング気味にちょっと内容を漏らしたのは、間違った仮定の下に議論が進む危険性を避けるためです。

    データの解釈はいろいろありうるので、それだけから何かを類推することは難しいですが、データはそれなりに貴重です。できるだけ早く公開するべきです。みなさんから、学会宛に「あのアンケートはどうなった?アンケートを取った以上、速やかに公開するのが当たり前だ!何をぐずぐずしとるんだ?」というメールを送っていただければ、大変ありがたいです。 よろしく。

  20. 境界以前の問題 より:

    年会長、そういう発言をするのだったら、議論のベースになるアンケート結果をきちんと先に提示しましょうよ。どこかに既に公開されてるのだったらURLを書きましょうよ。データに基づいて議論するのはサイエンスの基本じゃないですか。

    ついでに言えば、既に捏造に手を染めた人はアンケートをとれば確実に(1)と答えるはずなので、捏造に手を染めた人の割合が不明な場合は(1)と答えた人と(2)と答えた人の比率から何かを類推するのは非科学的な議論と言わざるを得ません。

    Nakagawaさんの仮説が正しいのだとすれば、学生さんやポスドクでの返答が(2)に偏っていなければ、それは捏造に手を染めた学生さんやポスドクの割合が非常に多いということを示すことになりますね。

  21. Tak より:

    この事案は末端のデータという言葉で括られる質量ではありません。

  22. 匿名 より:

    コントロールのバンドをコピペして図を作るような研究室のPIとはこんなもんという良い例ですね。研究者としても教育者としても失格。こういう例を見ると、末端のデータでもおかしな事をしているラボはやっぱりおかしいと思わざるを得ません。

  23. 匿名で より:

    これは琉球大の森直樹研究室の事例です。

  24. tsuyomiyakawa より:

    これ、いいですね。スペースのリミットがもはやないわけですし、そもそもこのようにあるべきではないでしょうか。
    ローデータを見ることのできるメリットは、不正防止以外にもいろいろと大きいと思います。

  25. reprogramming より:

    今年5月に Nature Cell Biology のオンラインに掲載されたiPS細胞に関する論文では、
    手書きの文字を含む加工前のデータがサプリメントに載っていました。
    Figure S8 The uncropped immunoblotting data for Figure 3 and 4.
    http://www.nature.com/ncb/journal/v15/n7/extref/ncb2765-s1.pdf

    abstract
    http://www.nature.com/ncb/journal/v15/n7/abs/ncb2765.html

    これが標準となっていくのでしょうか?

  26. FJ より:

    先生のお示しの例は多いでしょう。アカデミックに進まない学生も研究室には配属されますからね。そう考えると論文で不正が見つかるラボの日常の研究なんて酷い物だと思います。学生やポスドクの見えないところで行われている不正を防止するには写真データの高解像度化、サプリメントで再現性を証明する複数の生データ公開が必要なのですかね。PIもそれでなければ生データを見る事は少ないと思います。真っ当な研究をしていればたいした労力では無いですが反対意見が多くでそうですね。有名雑誌でこのシステムを採用してもらい世界標準にならないと無理ですね。ネイチャーにでも日本の研究は自主的にそのようにしていく声明を出せば世界も変えられますかね。 PIかどうかにかかわらず全ての物が真っ当でなければ成り立たない気がしてきました。トップダウンでの不正は新参者にはわかりません。学会に学部生から顔を出すのは極一部だと思いますから分生でのセミナーも効果が引低いでしょう、研究教育機関で毎年啓蒙セミナーを開く必要がありますね。
    話は逸脱しますがアカデミックに進まない理由としてそのような場面に出くわした優秀な人間も多い事でしょう。狭き門で給料も少なく不正が横行してれば、趣味でない限り何の魅力もありませんからね。

  27. Tak より:

    再現性がとれるなら科学の進展に影響は与えません。
    濡れ衣でコピペ画像をねじ込まれる可能性がゼロでないことを考えれば、第三者による再現実験は善悪を考える上では必須と思います。

  28. ネガコン より:

    ポジコンの捏造の話が多いので、そういう流れになるのでしょうが、サイエンスの進展の妨げになるという点では、ネガコンを疎かにする方が問題です。実際の例では、かつて東北大のラボや九州大のラボの発表を追試しようとしたら、溶媒や生食で活性が出てしまったということもありました。ポジコンレーンのバンド云々も論文の信憑性の担保のためには大事でしょうが、メインデータの信憑性のためには、「きっとこうなる」と思ってネガコンを真面目に取らない態度や安易に捏造する態度の方が、実は大きな問題です。きちんとやってみたら、実際には必ずしもそうはならないこともあるのですから。

  29. 再現性 より:

    捏造って、「きっとこうなるだろう」ってのが元なんだから、きちんと実験したら結局はそういう結果が出ることの方が多いんじゃないでしょうか。それを「再現性」って言っていいなら、誰も真面目に実験しなくなるでしょうね。

  30. 近藤滋 より:

    元記事の内容と全然合っていないんですが。

  31. 問題点 より:

    タイトルにあるように、再掲の形で「このやり方で何か問題があるでしょうか?」にコメントしたものですね。

  32. 近藤滋 より:

    え~と、これは以前のコメントを再投稿したものですし、今回の私の投稿とは、内容的にあっていません。どう処置したもんでしょう。

  33. 再掲 より:

    年会長自らこういうことを言ってしまうことに衝撃を受けます。捏造問題はただ単にその論文の科学的価値の問題だけではありません。捏造論文とは不正競争そのものなんですよ。

    例えば、同じテーマで複数のグループが競合していたとします。もちろん最初に論文を出したグループは高く評価されるでしょう。しかし、その論文において、メインデータ以外の周辺のデータに捏造があったとしたら、あるいはエディターに連絡をとってピアレビュー抜きで論文を掲載してもらっていたとしたら、それは正しく論文を完成させるために隅々まできちんと研究を行った人が本来与えられるべき称賛を不正に横取りしたということです。でも、それはきちんと研究を行って遅れをとったということで非難されるべきことですか?そうではないでしょう。ずるをすることで先んじた人の不正こそがまず非難されるべきです。

    それだけではありません。その不正な論文が評価されることによって得られる競争的研究資金の獲得、研究ポジションへの採用。あらゆる場面で不正に高い評価を得た論文による業績は、誠実に研究してきた研究者が本来得るべきであったものを不正に横取りしたことになるのです。

    現代の研究がこの様な競争的な仕組みになっている以上、論文に不正があった場合、その論文の主たる結論が正しいかどうかが問題なだけではなく、必ずそこに競争における不正という側面があるのです。であるからこそ、建前として研究にはどんなささいなものであっても捏造が含まれてはいけないのです。メインデータの再現性に問題がなかったとしても、捏造が含まれているのであれば一度論文を撤回し、捏造を排除してから再び新しい論文として再投稿されるべきなのです。

    科学研究の経済性というのであれば、捏造に基づく不正な競争によって失われた金銭的資源(本来研究費が回るべきだった人の逸した研究機会など)、人的資源(競争によって落伍した研究者など)についても考えましょう。

  34. Shinichi Nakagawa より:

    Juuichijigenさんのtwitterで興味深い事例が挙げられていました。ちょっとこれおかしいんじゃない?という事例をとにかく匿名で良いから挙げてもらって、こういうところで見えるようにするだけで、かなり予防効果が出るような気がします。

    ーー
    某大学のフローサイトメーターを用いた実験の不正例:

    培養細胞表面タンパク質発現測定の際、論文には3回の独立した実験を行い平均・SDを算出したと書いているにもかかわらず、実際には同一のサンプルを連続して3回測定しその平均・SDを求めている。

    このような、不正な実験方法を行う理由は、正直に3回の独立した実験を行うとばらつきが大きくなりすぎて、思ったような有意差が得られないためとのことであった。

    某大学のルシフェラーゼアッセイにおける不正例:

    通常では、得られた発光強度を内部コントロールの値で補正をして測定値とするが、○○○教授は補正したデータと補正していないデータを用いてそれぞれグラフを作成させ、都合の良い方のデータを選択し使用するように指示している。

    ところが論文中にはすべて内部コントロールの値で補正したと書いている。

    (以上の事例は、某大学の不正調査の過程で証言されたが、報告書には反映されず、大学内で隠蔽されたとのこと・・・・。研究不正の調査は第三者によって行われるべきであろう。)

  35. 近藤滋 より:

    ところが、アンケート結果では、どんな項目に対しても、世代間や立場による差がなかったんです。むしろ、PIの方が厳しい意見が多かったくらい。

  36. 近藤滋 より:

    おそらく、一番簡単で手間のかからない方法。

    末端データだろうがなんだろうが、画像操作が見つかれば、即座にジャーナルが掲載の取り消しをして、その論文はなかったことにする。画像操作がある以上、文句は言えないから訴訟の懸念も無い。

    もし、メインデータに再現性が有り、そのデータがオリジナル性が高いものであれば、同じ雑誌とはいかなくても、別の雑誌に掲載される可能性は高い。その場合、その論文を根拠にして得たグラント、職、は維持できる。多年度にわたるグラントのばあい、訂正論文の掲載までは予算執行を見合わせる。調査委員会はいらない。

    データに再現性がなく、論文を出せない場合は、グラントは没収。悪質な場合は返還を求める。そのデータを主の要因として教授に採用した場合、その大学・研究所は、悪質性の度合いに基づいて、処分する。

    要するに、論文著者にデータの再現性への挙証責任を求め、処分も、その論文を掲載したジャーナル、グラント配分機関、雇用機関に求める。公正局?はそれぞれがちゃんとその役目を果たすように監視を行い、特に個々の内容には詳しく立ち入らない。

    このやり方で何か問題があるでしょうか?

  37. Shinichi Nakagawa より:

    「自発的な情報公開を」

    FJさんのコメントに従って、具体的なケースで考えてみます。現在、「不正」が指摘されているケースの半分以上が、分子生物学分野の論文での、ウエスタンやPCRによる発現解析のローディングコントロールとしてのGapdhやActinのバンドの使い回し、もしくはどうせシグナルでないんだから、と言いたげな白いボックスです。「どうせ出ないんだから」「どうせ同じ太さのバンドなのだから」、使い回したり、最初からのせなかったり。データとしては持っていないけれども経験的にずっと出なかったから、いいでしょ。許してね。というケースが多いような気がします。

僕が分生のフォーラムでこの手の問題を正面から取り上げていただきたい一番の理由は、そういう「軽い」気持ちは少なからず誰でも持った事があるのではないか、と思うからです。僕自身も、たとえば研究室の先輩に、Gapdhのバンドぐらい昔のフィルムから切って貼っとけ、とか言われたら、別に悪い事ではないという認識を持ってしまっていたと思います。

    個人的には、この辺に落とし穴があるのではないかと思い始めています。行き過ぎた処分はする必要はないと思いますが、だからといって、末端のコントロールのデータの操作だったらやっても構わないという事にはなりません。どのような些細な事でも、やってはいけない事であるのは自明です。このようなケースで一度たがを緩めてしまうと、とことんまで緩んでしまう可能性があります。

    ですので、もし、そのような事態が発覚した場合には、調査委員会が立ち上がったりする前に、研究室のホームページなりなんなりで、きちんと説明する事が大切なのではないかと思う訳です。末端データであろうとも、それを操作するのは良くないという態度を、コミュニティーに属する全員が示してゆくことは大切です。調査委員会が立ち上がるまでダンマリを決め込んでいれば、ほかにもいろいろやましい事しているから黙っているんだろうな、というふうに捉えられてしまうのだということを、きちんと認識するべきです。

    とにかく、自発的な情報公開、これが今一番必要な事ではないかと思っています。研究所としての公式見解をだすよりずっと早く、個人の声を発信してゆくことができるはずです。コリゲを出すというのはまさにそれに当たりますが、このご時世ですと、ホームページ上での情報発信が一番手っ取り早く、また、研究者の生の声で見解を伝える事ができます。ついでに言うと、コリゲは英語です。現状、研究のサポートをしている日本国民のほとんどは英語で書かれても、読んではくれないでしょう。日本語でしっかりと説明する。論文の結論に影響を与えるものではないけれども、このような操作は本来許されるべきものではない事を各研究室のレベルでしっかりと発信していく。それが大切なのではないかと思っています。

  38. Tak より:

    PIは把握していようがしていまいがアウトだと思います。
    再現性があるなら許してよい良いと私は思います。

  39. SH より:

    PIでも把握していたらアウトでしょうね。
    捏造問題はつまるところ再現性が担保されているかどうかということだと思っているので、再現性を危うくする行為は避けるべきだと思います。

    ついでに、下で「この一例を抜けば有意差が出るのに、、、」という話でいえば、そもそも1回しか実験をしないのでしょうか?(臨床研究などでサンプル数を増やすことが難しいケースがあるのもわかりますが)。

    例えば、2回目、3回目の実験で p < 0.05になるのであれば、確率的にはp < 0.0025なので例えば1回目のデータがp=0.1でも 計算上 p < 0.00025なので、無視してもいいのかなと思いました。

  40. FJ より:

    個々の実験において微妙なシグナルの変化を統計処理を駆使して扱う場合と白黒はっきりしたデータが毎回得られる分野があると思います。分野によって分かれるのではないでしょうか。分野を明らかにして回答しないと意味が無いと思います。
    1はPIとしては上がってくるデータのコントロールなんて疑わないので見落としやすいと言う意味では納得ですが、把握している場合はアウトでしょう。

  41. Shinichi Nakagawa より:

    議論が低調になってきたので(落ち着いてきたので?)一つ問題提起したいと思います。

    (1)メインのデータが間違えていないのに、コントロールの末端の画像操作で不正なり捏造なりとレッテルを貼られるのはたまらない。そういうのまでいちいち調査委員会を立ち上げるのはコストに合わない。

    (2)末端のデータだからといって手を抜いて良い訳ではない。そもそも、そういうボロが出るということからして、メインのデータも操作しているに違いない。徹底して調査すべきだ。

    これって分生のアンケートにありましたっけ?いろいろな方々の声を聞くに、PIの方々は(1)が8割、学生さんやポスドクはその割合がまったく逆で(2)が8割になる、という印象がありますが、是非についてご議論お願いします。これは匿名の方がやりやすそうな議論ですが、、、

  42. Shigeru Flower-Field より:

    オーソライズされた指針といえるかどうかわかりませんが、科学倫理の書籍はいくつか出版されています。ここの細かいケースはわかりませんが、例えば以下の本は参考になると思います。

    『科学を志す人びとへ―不正を起こさないために』 科学倫理検討委員会 http://www.amazon.co.jp/dp/4759811397/ref=cm_sw_r_tw_dp_LLH.rb0EG3X4C @AmazonJPさんから

  43. SH より:

    (2)のケースですが、それぞれのサンプルが正規分布することが予測される場合、その分布から大きく外れるものについては’信頼区間95%に該当するデータのみで検定を行った’などと明示して除けばいいのではないかと思います。箱ヒゲグラフで示して異常値を除いて検定したといえば問題ないのではないでしょうか。ただし、それは実験前にデータの正規分布を仮定しているからであって、実験データを回収後に‘有為さを出すために’片方のサンプルデータの一部のみ削るのは違和感を感じます。可能なら、サンプル数を増やしてやりなおす、測定誤差の少ない方法でデータを取り直すのがいいと思います。結果として、再現性が担保されていればOKだし、再現性が担保されていなければ捏造でなくても恥ずかしい思いをするので、納得するまでデータを取るのがいいのではないでしょうか(臨床データなど困難なケースもありますが)。

    (3)は、自分なら同じ実験で3回目に異なるデータが出たらやり直すと思いますが、異なる実験、例えば免疫沈降、yeast two hybrid、BIFCやFLETで異なる結果が出た場合は、それぞれの実験系の特徴ですからやり直すことはないのではないでしょうか。例えば、yeast two hybridやBiFC、FLETでは、タンパク質をN末融合にするかC末融合にするかで結合する場合としない場合があります。そういったケースでは結合するデータを選択して、さらにそれをサポートする免疫沈降のデータをつける、一方、結合しなかったデータは載せないというのはOKだと思います。

  44. Hitoshi Sawa より:

    突っ込む前に自己レスしていただいて良かったです(笑)。皆さんの書かれているように(2)も(3)も不正ではないと思います。ただ(3)の矛盾するようなデータも実験方法など問題がなければ重要な意味を持っているかもしれませんので無視するのでなくfollow upしていけば新しい発見につながるのかもしれませんね。(2)ですが、一部データを(明記して)根拠なく除けばreviewerは除くなと言うでしょうね。P=0.05なら有意でOK、0.06なら意味がないというのは、単に確率論なので本当のところたいした違いはないような気もします。reviewerにsignificantじゃないなら(結論、推察を)書くなと言われたことが何回かありますが、少なくとも一回は突っぱねて、仮説にconsistentなデータと書きました。無理に除いてsignificantにするより、そのまま出した方がいいのでは?

  45. Shinichi Nakagawa より:

    自己レスすいません。非バイオさんの(3)、勘違いしていました。違うタイプの実験、ということですね。同じ実験で試行1、2、3だと思っていました。いずれにせよ、同じような理由で、実験1、2を選択して論文にするのは多くの場合、問題ないと思います。

    むしろ現在問題なっているのは、実験3を行って、実験1、2の結果と合うようにデータを操作してしまう、もしくは、実験3を行って、なかなか思う通りの結果がでないけれども一度だけ出たチャンピオンデータ(?これは僕が最初にこの言葉を聞いた時に始めて抱いた言葉の印象とは違う使い方ですが)をもとに論文を書いてしまう、という事かと思います。それははっきりとおかしな事ではないかと。実験3については言及しない、そこでレフリーに指摘されたら、やったけれども思うような結果は出なかった、それはこういった理由が考えられる、と反論し、それでリジェクトされたら、まあ、仕方が無いなあと諦めるしかないかなあと。この辺りは、レフリーおよびエディターの見識が問われているところかと。

    匿名さんも(2)、(3)は研究不正には当たらないと考えておられるようですが、僕も同じ考えです。良いとこどりのデータだけを使ってストーリーを組み立てた論文が出てくる事を防ぐことはできませんが、そこの基準を厳しくするあまり、正当な研究活動にまで不正のレッテルを貼るのは良くないと思います。

  46. 匿名 より:

    それだけで定義できるわけではないのですが、基本的には
    「論文に書いてない作業を行って、しかもそれを論文で発表する」
    が問題になるのではないかと思っています。
    たとえば「自分に都合のいいデータだけを選択して、あたかもそれが全データであるかのように発表する」は典型的な不正行為でしょう。
    ですので非バイオ1さんの(2)も(3)も、不正ではないとするのが実状ではないか、と思います。
    (2)は選択したことを明記しているので、少なくとも不正ではありません。おかしければレフェリーかエディタが落とすべきですし、落とさなくても論文を読めば正当かどうか読者が判断することができます。
    (3)は正直なところ実験3も公表してもらいたいところですが(そのほうが科学に取っては有益)、それを書くかどうかは著者の自由でしょう。「論文に書いてない作業を行って、それを発表しない」を罰するのは現実的には不可能です。たとえば実験を行っている以上試薬の色や臭いなども観察しているはずですが、ストーリーに関係なくそれを論文に書く人はまずいません。むしろ、全然関係ない実験を行って論文を書いたら、「その実験はこの研究とは無関係だから削りなさい」とレフェリーに指摘されることのほうが多そうです。
    もちろん(3)の場合、他人に実験3で論文を書かれておいしいところを持って行かれる危険性もありますが、それは不正とは別の話です。
    このグレーゾーンについては、Nakagawa先生のおっしゃる通りレフェリー(というより雑誌の方針)が重要になるように思います。
    ネガティブデータをもっと積極的に活用できるようになればいいのですが。

  47. Shinichi Nakagawa より:

    非バイオ1さんの書き込まれた無いようですが、悩ましいところですね。とにかくケースバイケースである、としか言いようが無いような気がします。

    (1)僕自身はそういったものがあるかどうかは知りません。画像データの処理の指針などは雑誌が時々特集を組んでいるようです。
    (2)たとえば、野外での観察など実験条件をコントロールすることが困難な場合、極端な振る舞いをする個体が実験区、コントロール、両方の場合で低い頻度で出てくる可能性があれば、そういったものを除かなければ真実は見えてこないという事はあると思います。実験室内でも、個体レベルでの解析だとそういった事があるかと。要は、どれだけ実験条件をコントロールできるかで、不可抗力でコントロールできないという事情があれば、それを明記した上で極端な事例を外すのは別に構わないかと思います。汎用培養細胞を使ってとある転写因子をノックダウンした時の、直接のターゲット遺伝子の発現変化、というような場合で、この一例さえ抜けば、、、というのは、ちょとおかしいかとおもいますが。十把一絡げで捏造認定する必要な無いと思います。業界ごと、コミュニティーごとのコンセンサス作りが大切だと思います。
    (3)これは最も微妙な問題ですね。実験3では、まだ自分が気づいていない真実があって、結果が再現できなかっただけかもしれません。例えば、サーカディアンリズムのことを全く知らない研究者がいたとして、いつ実験をするのかという事に全く無頓着であったとして、実験1、2は昼間に行った結果、実験3は夜に行った結果だった、ということもあるかもしれません。この例で言えば実験を繰り返していくうちに時間が原因である、と気付くと思いますが、特定できない原因で結果が左右される事はあり得ます。僕だったら、実験4を行い、もう一度実験1、2の結果が出れば、実験3が「例外」であり、そのことを特に記載せずに論文を書くと思います。思い通りの結果が出なかった原因が特定できていない場合、実験3の結果はたんなる実験の操作ミスである可能性を否定できないからです。実験3の結果に重きを置きすぎて、実験1、2の結果を全く表に出さない事は、もしそれが重要な発見であればなおさらコミュニティーにとっては損失です。

    これは個人的な印象ですが、研究不正や捏造問題が表に出るようになって、はねっかえりで完全に無矛盾の結果しか受け入れないという変な雰囲気が出てきているような気がしています。論文のレフリーにも文句を言いたいのですが、こと生物という複雑なもの(というかコントロールが難しいもの)を相手に実験をしている場合、実際にやってみたけれども思うような結果が出ない実験系はいくらでもあると思います。完全に無矛盾なものしか受け付けないという姿勢は、むしろ捏造の温床になります。ネガティブなものを全て出せば良い、という考え方もあるかもしれませんが、「ネガティブな結果である」ことを正しいと証明するのは、それはそれで大変に難しい事です。データ(もしくは実験系)の取捨選択をしながら研究を進めていくのはかならずしも間違いではないというようなことを以前書いたのはそういう意味です。おそらく、想定している取捨選択によって、この辺りの判断基準は多いに変わるでしょうし、同じケースであっても、人によって考え方は千差万別だと思います。もちろん、「都合の良いデータだけつないで論文を書く」ことを肯定している訳ではありません。むしろそれはないだろうと思います。

    オープンな場所で非バイオ1さんのような質問に対して議論していく事は、不正を防ぐという観点からも、大切な事ではないかと思います。Sawaさんからまた突っ込まれそうですが、、、、ぜひ突っ込んでください。

  48. 非バイオ1 より:

    データの統計的処理をすることが少ない分野の研究者です。

    素朴な疑問ですが,

    (1)データの取り扱いについて,ある程度オーソライズされた指針は存在するのでしょうか?
    「ある程度オーソライズされた」は,ジャーナルの投稿規定とか,学会が定めた指針などを想定しています。

    (2)「この一例を抜けば有意差が出るのに、、、」という場合に,その一例を取り除いたということを明示した上でその一例を取り除いてデータ処理を行うといのは,認められるでしょうか。

    (3)仮に,ある仮説に基づいて3つの実験を立案・実行し,実験1と実験2では仮説を支持する結果が出たが,実験3ではそうならなかったとします。このとき,実験3については何も記載せず,実験1と実験2の結果で論文を書くのは捏造に当たるでしょうか?

コメントを残す