2015.11.27 トピックス
東大総長参戦!
五神真・東京大学総長がガチ議論に参戦です。
さきのアンケートではいわゆるポストの問題についての回答が多くありました。ポストに関するホットな話題といえば来年度から始まる卓越研究員制度が挙げられます。ネット上では賛否両論(http://togetter.com/li/853354)ですが、この制度設計がどのようになされたのかを知りたくはないですか?
「飲み会のネタで終わらせない」をモットーとするガチ議論では、聞きたいことは当人に聞け!ということで卓越研究員制度検討委員会の主査でありました、五神総長にガチ議論への登壇を打診しました。「あいにくスケジュールの都合上出席はできないがインタビューを受けることはできる。議論しよう。」とのお返事がありましたので本日、東大に行ってきました。
卓越研究員制度を簡潔に紹介しますと、「受け入れたい大学は手をあげろ」「大学・研究機関外の公的機関が人を審査する」「マッチングで割り当てる」「割り当てた人は無期雇用にせよ」「人件費は基本大学持ち」という大学側にとっては人事権がとられるだけ、と、あまりメリットがなさそうなものにもみえます。ここまではニュース等でご存知の方も多いでしょう。
しかし、五神総長が提案した当初の構想(Web上で見ることができます:PDF)が「中央雇用で無期雇用」という大学からも研究員からも拍手喝采間違いなしの案だったことはご存知でしょうか。
どうして変わったのか、そこをインタビューしてきました。
当初の構想の本質はどのようなものだったのか、どのような議論を経て現状案になったのか、このような制度設計時に研究者コミュニティが後押しできることは何か、などなど。研究者発案の制度がどのように実施まで運ばれるのか、克服するべき課題はどこか、などが明らかとなるインタビューでした。
現在、詳しい内容を当日会場でVTRコメントとしてご覧いただけるよう準備をしています。
東大総長参戦でますます盛り上がるガチ議論!
ぜひ会場にお越しください!
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会場でもネットでもポスドクの方はたくさん参加されていたと思うのですが、やはり顔・名前を出して、このような場で意見をいうのには相当勇気がいるのではないでしょうか。
覆面やボイスチェンジャーを使って登壇するという案もでましたが、最終的には神田さんが書かれているような方法になりました。
こんにちは。ガチ議論スタッフの神田です。理研で研究員してます。
ご意見よくわかります。院生やPDの意見がないな、と2年前のガチ議論で同じように思いました。そしてそれをどうにかしたくて今回スタッフに入りました。
non-PIを当日壇上にという案は僕自身の登壇を含めて最後まで議論になりましたが、立場を考えると難しいだろうとの結論に至りました。その代わりとして、僕が本番構成にかなりコミットすること、Webや会場から匿名コメントを集めて壇上に上げる仕組みを作ること、を実施しました。
もちろん、全然充分だとは思っていませんし正解だったかもわかりません。
今後同じような機会があったとして、どのような声の届け方がありうるのかご意見いただければ幸いです。
お返事ありがとうございます。昨日はwebから3時間参加させて頂きました。
気になったのは会場で発言された先生方はほぼ教授以上で名を成した方ばかりでポスドクの声はなかったことです。これでは実際には困っていないのか、現場が忙しくて参加すらできないのかすら不明でした。
卓越制度は改良して頂きたいですが他力本願が過ぎているかもしれません。残念ながら会場で議論を深めることは出来なかったように思います。すみません。
卓越研究員制度は、まだ正式に決まったわけではなく、まだ流動的な状況にあるようです。
ここで、研究者コミュニティの意見を生産的な形で取りまとめることができ、世間の「ふわっとした空気」までも変えることができれば、まだ改善の余地はあるのではないでしょうか。
「財務省にrejectされた後で放置してたら勝手に文面が書き換わって通ってしまった」と言うことが起こりうるのであれば納得出来ます。
現実には、誰かが修正案を出して、誰かが了承して正式な文面にした訳で、財務省にrejectされた、と言うのは何の理由にもならないと思いますが。
いや、それはもう、全然です。
お話をうかがって、五神先生も、これを一つの呼び水・きっかけとして活用して、よりよい仕組みに繋がれば、というようなお考えだろうと感じました。
明日の大会でのガチ議論で、なぜ、卓越研究員制度がこのような骨抜きの最終案になってしまったか、では、どうすればこの種の案(ガチ議論から提案されているようなもの)を実現できるのか、といことについて、深く議論したいです。
私は宮川先生の提案されている「安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度」は理想的と思っていましたが、このような最終案になったことについて宮川先生およびガチ議論では了承したという理解でよろしいでしょうか。
今まで通り単に財務省にrejectされたのでは?
ありがとうございます。
関係諸機関・ロビィスト・政治家・科学関係の大御所とか色々考えられると思いますが、誰の意見を取り入れてどのように案が変わったのかを公にして欲しいですね。
オリンピックのエンブレム・新競技場問題、この業界ならSTAP騒動、を見ても旧来の「やり方」の弊害は明らかで、現在の日本の社会状況・価値観にはもう合わないと思います。もっと透明度を高めるべきだと個人的に思います。
原文の意味が分かりにくかったらすみません。
若手ポストが任期付であることが年齢構成が正ピラミッド型になっている理由であると主張したわけではなく、正ピラミッド型を保つ必要性が若手ポストが任期付である理由になっているという主張をしたつもりです。理由と説明対象の向きが逆です。
また、私自身は調べたことがないので何とも言えませんが、もし東大で任期を終了した若手の多くが地方大学に職を得ているのであれば、東大総長としては喜ばしいことであり全く問題視すべきことではありません。恐らくそうでないから若手のキャリアについての危機感を持っているのだと推測しています(データは持っていません、念のため)。
もちろんあさひさんが指摘されたように、東大単独でなく日本全体で考える必要があることは認識しています。原文の最後の一文はそういう意味です。
>地方大学などにポストを得て抜けて行き
こういう植民地主義的なやり方もそろそろ破綻しつつあるのではないでしょうか。ことに近年東大のような大学と地方とでは大学としてのあり方も大きく変わってきています。東大の学生やビッグボスに依存したミニボスを地方に持ってきても、教育も研究もうまくいかなくなっているように思います。
総括させられる立場というのがなんなのか知りませんが、制度設計にコミットするが責任はとらないということでは、どこまでいっても無責任体制のままではないでしょうか。これまでの制度の功罪と責任の取り方、また今後の制度についても責任の所在をはっきりさせてはいかがでしょう。官僚には無責任というけれども研究者側の責任にはノータッチというのはなんなんでしょう。
東大おける研究者の年齢構成が正ピラミッド型になっている理由を東大単独で考えるので十分なのでしょうか?東大などでは、それなりに年齢が上がってくるとまあそれなりの業績も出ているでしょうから、相当数の研究者が地方大学などにポストを得て抜けて行き、その後ボスは替わらなくても、より若いスタッフを採用することになるので若手の数は減らない、というプロセスも年齢構成の維持に貢献しているのではないでしょうか。一方で地方大学の若手は(いろいろ理由はあるんでしょうが)よそにポストを得るのはそれほど簡単ではないので、どうしても異動が少なくなり、結果、だんだん年齢構成が上の方に偏るという陥穽に陥るのだというのはうがった見方に過ぎるのでしょうか?単に若手ポストが任期付きであると言うことだけで説明できる現象ではないと思うのですがいかがでしょうか?そして、卓越云々というような制度を設計するに当たっては、人材の供給源、受け皿として地方大学をも含んだ全体像について議論する必要もあるように思います。
リンクが化けてリンク以降の文章が消えてしまったので、再掲します。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/sokushinhi/1339644.htm
)、この中で若手研究者に任期付きポストが集中していることを問題視されています。卓越研究員制度もこの問題意識に立脚しているとお伺いしています。しかしこのデータで本来注目するべき点は、任期有無を合わせた全教員の年齢構成にあると考えます。
(「東京大学の…」に続く)
五神先生に質問ができるのであれば、大学教員の年齢構成に関するお考えをお伺いしたいところです。
東京大学では任期有無別の教員の年齢構成を発表されていて(例えばこちらhttp://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/sokushinhi/1339644.htm)、この中で若手教員に任期付きポストが集中していることを問題視されています。卓越研究員制度の構想もこのような問題意識に立脚しているとお伺いしています。しかしこのデータで本来注目すべき点は、任期有無を合わせた全教員の年齢構成であると考えます。
東京大学の教員年齢構成は、シニアが少なく若手が多いという正ピラミッド型をしています。この構成は現在の研究活力という観点からは理想的ですが、教員全体数が増加しないなかでこの年齢構成を保つためには、現在の若手がシニアになるまでに、そのうちの一定割合をある程度の強制力を持って退出させなくてはなりません。若手に任期付きポストが集中しているのは、全体の年齢構成が正ピラミッド型をしていることの当然の帰結なのです。一方で、大学研究者としてキャリアをスタートさせた若手のほとんどが大学研究者として定年を迎えることができるようにするためには、全体の教員数が増加しないという前提の下では、教員の年齢構成をほぼフラットなものにする必要があります。現状と比べると、若手の新規雇用を抑制して、そのポストをシニアに廻すことになります。しかしそうしてしまうと、研究機関としての活力が減退してしまう恐れがあります。
上記の事情を踏まえたうえで、五神先生は東京大学の全教員年齢構成として、どのような形が理想的とお考えなのでしょうか。また、東京大学総長としてのお立場で日本の大学全体の年齢構成を考えた場合には、その理想形はどのようなものになるでしょうか。
基本的には、そういう具合ではないかという印象を受けました。さらに言えば「関係諸機関」のみならず、外部のいわゆる「ふわっとした空気」も相当影響しているような感じです。
具体的に誰にどのような総括をしていただきたいのでしょうか。
スタッフの方々も現総長も総括させられる立場ではないと思うのですが。
当初案と変わってるということは、これも「関係諸機関での意見の集約をしていく過程で、だんだん形を成してい」った末に出来た案ということでしょうか?
ポスドク一万人計画等には東大前総長の有馬朗人氏の働きかけがあったそうですが、その辺総括してもらえませんでしょうか。
https://web.archive.org/web/20130617232717/http://mainichi.jp/feature/news/20110606org00m010031000c.html