2013.04.18 トピックス
文部科学省「科学技術改革タスクフォース戦略室」の紹介
文部科学省の斉藤卓也です。
このほど文部科学省に「科学技術改革タスクフォース戦略室」という新しい室が設置されましたのでご紹介します。一番下の記事をご覧ください。
もともと、昨年春に中堅職員による省内タスクフォースが「30年後の日本の将来像から導かれる今後の科学技術イノベーション政策」を検討したのがきっかけで設置されたものです。その報告の中で、「文部科学省の総合戦略立案機能が弱いので、横断事項を担当する戦略室を設置して機能を強化すべき」と提言し、その枠組みづくりを進めてきました。
外部の関係者との対話・ネットワークづくりを重視し、情報の共有と建設的な議論を進める方針としており、現在までに30を超える大学や研究開発法人、民間企業などへの訪問、意見交換を進めてきました。戦略室という受け皿ができましたので、今後ともやりとりを進めていきます。
戦略室の活動は、12月の日本分子生物学会年会で企画されている「生命科学研究を考えるガチ議論」の方向性、問題意識と連携できるものと思います。
今後とも、あるべき姿をめざして様々な方々との意見交換をしていきたいと思いますので、ご意見、ご提言をよろしくお願いします。
文部科学省 科学技術改革タスクフォース戦略室長
斉藤 卓也
(文部科学広報 平成25年2月号より)
平成25年1月、森口文部科学事務次官は、科学技術分野における政策立案機能を充実強化するため、大臣官房及び高等教育局、科学技術関係3局の中堅職員から構成される「科学技術改革タスクフォース戦略室」を設置し、戦略室員に辞令を手渡しました。
本戦略室では、中堅・若手職員による外部機関や省内の情報の共有や建設的な議論の促進、大局的な視点による俯瞰的な政策立案機能の強化、機動的な議論による意思決定の迅速化等を図っていくことを目指しています。
具体的には、予算や組織の基本方針や理想的な科学技術行政システム、国際戦略等について検討した施策案を政務三役や省内幹部に提案する予定です。
辞令の交付に当たり、森口次官は激励の言葉とともに、「文部科学省がどのようにあるべきか、所属するポストを超えた活発な議論と提案をお願いしたい」と述べました。
コメントを新着順に表示させるため
コメントはできるだけ下のボックスからご入力ください。
斉藤様、”政策立案機能”とはどのような事を指しているのでしょうか?お作りになったPreziを拝見させて頂きましたが、マクロなこと、例えば日本で発見された研究や技術をどのようにして世界標準にするか等、は言葉として判るのですが(どのようにしたらそれが実現可能かは別問題ですが)、イノベーションを促進とか科学行政の司令塔、真の国際戦略、科学技術外交等はどのようすれば実現可能とお考えなのでしょうか?
これは、現在、文部科学省にいらっしゃる3年程度で部署を変わられている国家一種の官僚の方によって、可能とお考えでしょうか(どちらの回答にしても差し障りがあるので返答して頂かなくて結構です)?
それとも、前例が無いかもしれませんが、教育や研究の現場を体験していて、なおかつ評価ができるような人材(例えば大量に余っているポスドクの中から適任者を採用)を採用して、評価組織の構築を試みることなども視野に入れられているのでしょうか?
新規政策を仕掛ける官僚育成とありますが、科学や教育現場を経験していない学部卒の国家一種採用の人材の中からそのような人材を育成可能なのでしょうか?可能であるならばどのくらいかける(かかる)のでしょうか?官僚の皆様が大枠を作成されるのが得意なことはなんとなく判ります。例えば、ゆとり教育にしても私は理念は良かったと思いますが、実施方法があまりにも唐突で現場の教員の準備もなしに始まったので結果として失敗していまい残念だったと思います。実施するにはしっかりとした手順を理解している人が、政策決定ならびに遂行に関与している必要があると思います。
理想的な科学行政システムとはどんなものなのでしょう?現在指摘されている様々な問題点は、すでに10年以上前から明らかになっているにも関わらず、その後、改善された事というのは全体の問題から見ればほんのわずかなことだと私は認識しております。官僚組織の中では変える事が非常に難しいということはお聞きしていますが、現在の日本の現状は末期的症状を呈してして、今改善しないと後戻りできない所まできていると感じています。この期に及んで変える事ができないとすると、日本の教育(私は日本の大学院は教育の一部だと思っております)は崩壊してしまう(している?)と危惧しております。これは、なにも文部科学省が悪いと言っているわけではありません。自助努力作用が働かない現在の仕組みがいけないと思っております。多くの大学の教官が、大学の自治や雑用から解放され、もっと積極的に学生への教育や、研究(特に人文系)へ取り組む(ざるを得ない)ような仕組みの導入をお考えでしょうか?
どのようにしたら、やる気のある人材がその能力を最大限行かせるような場所を提供できるようになるのかを考えて頂けたらと思います。(例えばポスドクでも大きな研究費を獲得できて研究准教授になり独立可能など)
人が努力するのは、モティベーションがあるからだと思います。それが、純粋な興味によるのか、恐怖によるかは別として、やはり、全ての大学人が前向きに働くように、努力した人が報われるシステムに改善して頂きたいと思います。
長々と失礼いたしました。