【帰ってきた】ガチ議論
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インタビュー:分子生物学学会年会長・「ガチ議論」企画委員長・近藤 滋

競争的な研究環境の弊害
今、だから、とにかく一番問題なのは、我々がだからもう本当にしょうもないことに時間を使わざるを得なくって。例えば国が運営費交付金をどんどん削って。だけど、その分、競争的資金で渡すと。大学は、それが来ないとお金が足りないもんだから、もう、ものすごく積極的に、取れ、がんばれ、がんばれ、と言ってくるわけですよ。そうすると、結局何十億円というお金を取るわけだから、ものすごいコンペティションになって、で、一番有能な先生がそれに専念せざるを得ない。ただ、文科省の立場としてみれば、ただ漫然とあげて、お金を渡すことによって、非常に大学の教官の方がだらけてしまうと。いうから、それで競争的にするんだと、言いたいんですけれども、それは実際に正しいんですよ。また。
イニシアチブを取るのは誰か・学会の意義
ポスドクの就職問題とかものすごい厳しくなって、それから研究費の配分がもうこれ以上伸びなくなって人だけ増えて、まあ、非常に不公平感がある。まあ、捏造問題なんかもある。じゃあそれを、解決するために責任を持ってやっている場所があるかっていうと、結局ないんですよ。で、そう考えてみると、それが何かできそうなのっていったら、分野を、全体を網羅しているような、学会というぐらいしか多分なくって。そもそも僕は学会なんていらないと思っているんで、意味は何かっていうと、多分ないんです。アカデミックには。唯一、存在意義があるとしたらそこかなあと。
研究者から文科省への不満
そもそも、色んな命令や指示というのは文科省からふってくると思っていますし、実際、そうなんですよ。迷惑な、色んな企画しか降ってこないですからね。あのグローバルCOEだのリーディング大学院だの。あれですよねCOEはセンターオブエクセレンスっていうんですよね。で、その次に21世紀COEってのがあって、その次グローバルCOEっていうのがあって。最初はただのエクセレンスのセンターだったんですけど、次は未来的な21世紀になって、そん次がグローバルで全地球ですよね。じゃあ次はユニバーサルですよね。本当はね。たぶんさすがにどうかと思ったのか、リーディング大学院になりましたけどね。その次は多分トップブリーディング大学院ですよ。ペディグリーチャムで。大学院生を、毛並みを良くする、っていうのになるんですよ。たぶん。
目の前にいなければ語れない
それがどれだけ無意味で、我々を疲弊させるものかっていうのを、おまえら分かっているのかと、やはり言いたい、ですよね。それはやっぱり、これは言うべき時に言わなきゃ。それは、目の前にいてくれないと言えないし、で、向こうも沢山言いたいことはあるんですよ。ええ。おまえら、その、折角大学に何でも出来る権限与えているのに、なんで何にもしないんだと。だから、それも言ってももらわないといけない。で、そういうアイデアとか、こうしたら良いんじゃないかみたいな提案というのは、やっぱり、出して、それを受ける側が聞いて、それはダメだろうと言われて、そうやってもんでいってはじめてまともなものが出来るんじゃないかと。そのプロセスがもう一切ない。
対等な議論の場を作る
科学政策みたいなのがなんか一部の、何か、誰かわかんない人が、誰かわかんない人と上の方でやって何となく決めてく、決めて降ってくる、という感じがするので、ちゃんと我々と、それに対応する官僚の方、政治方の方が、ちゃんと同時に、同格の立場で話し合う場所を、作ろうと。
必要なのは、政策提言のキャッチボール
だって政治家が悪いとか文科省が悪いとか言ってしまったらそこでボール投げたまんま、届かないくせに投げたまんま終わっちゃうんですよ。だからちゃんと投げて打ち返されて、ああ、ボール拾いに行ってというのを、ステップをしなきゃいけないんだと。出来るのにやらなければ、こっちが悪い。実際に、全部文科省頼みにするっていうのは、いけないんだなと。
ガチ議論参加者へのメッセージ
そうですね。まあ、すずかんさんと、安宅さんですか、ヤフーの。厳しいでしょうねえ。もう、とんでもないでしょうね。おまえらバカかとか言われそうですよね。問題はもういろんな所にあるので、でも上からは、上から改善してはくれないんだと。自分たちで考えなきゃ。しかも現実的な答えを出さなきゃいけないんだと。それを考えたときに、ちゃんと聞いて、それを一緒に作り上げてくれるチャンネルは、ちゃんとそれを作り上げようとすれば出来るんだよと。だからもう TAKE HOME メッセージはもう、おまいら自分で考えろ、ですよね。ええ。これだけ、だからいろんなセッティングをすると、なんかが起きそうな気がするじゃないですか。